毎年多発している子どもの誤飲。飲み込んでしまうものによっては命を危険にさらすこともあるため、適切に対処し、すぐさま病院を受診することが大切です。
今回は、子どもが誤飲しやすいものや誤飲した場合の対処法についてまとめています。飲み込んだものによっては吐かせてはいけない場合もあるため、ママ・パパは知っておくようにしましょう。
もくじ
子どもの誤飲はどうして起きるの?
子どもの誤飲は、食べ物との区別がつかないことで起こります。
とくに小さい子どもの場合、何でも口に入れてしまいます。これは、食べられるものなのか、どのような感触なのかを口に入れて確かめるためだそうです。
子どもの口の大きさはトイレットペーパーの芯の穴の直径とほぼ同じです。それよりも小さいものは飲み込んでしまう可能性があるため、子どもの手の届かないところに置くようにしましょう。
参照:赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?|政府広報オンライン
子どもが誤飲しやすいもの
子どもが誤飲しやすいものは以下のとおりです。
たばこ | 医薬品・医薬部外品 | おもちゃ |
金属製品 | プラスチック製品 | 洗剤・洗浄剤 |
化粧品 | 硬貨 | 電池 |
食品類 | お酒 | 保存剤 |
これらのなかでも、とくに誤飲しやすいものがたばこです。
「たばこや灰皿をテーブルの上に置いているから大丈夫」と思っていても、子どもが掴まり立ちできるようになると手が届く可能性があります。たばこや灰皿は、絶対に子どもの手が届かないところに置くようにしましょう。
このほか、意外と見落としがちなのが電池です。音の鳴るおもちゃ・光るおもちゃには電池を使用するため、子どもが遊んでいる最中にポロッと外れてしまうことがあるかもしれません。
また、電池はエアコンやテレビのリモコンにも使用されています。落とした衝撃で電池の出し入れ口のフタが開いてしまい、電池が外れてしまうこともあります。
子どもの誤飲を防ぐため、電池の出し入れ口のフタがしっかり閉まっているか確認しましょう。エアコンやテレビのリモコンは、子どもの手が届かないところに置いてください。
ほかにも、粘土やクレヨン、シャボン玉液など子どもが遊ぶものも誤飲の危険性があります。これらで遊ばせる場合は、子どもが口に入れないようにしっかり見ておくことが大切です。
参照:2. 家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告|厚生労働省
子どもが誤飲した場合はどうしたらよい?飲み込んだもの別にご紹介
子どもが誤飲しやすいもののなかには、少量なら様子を見て問題ないものもあれば、少量でも危険なものもあります。ここでは、飲み込んだもの別に対処法をご紹介します。
様子を見てもよいもの
少量であれば過度に心配しなくてもよいといわれているものは以下のとおりです。
飲み込んだもの | 対処法 |
クレヨン | 主成分はろうそくのロウと顔料なので、心配しなくてよいといわれています。 |
粘土 | 少量であれば心配しなくてよいといわれています。ただし、小麦粘土で小麦アレルギーがある場合は早めの受診が必要です。 |
化粧水 | 舐める、もしくは一口程度であれば様子見をしましょう。ただし、化粧水にはアルコール成分が含まれているため、たくさん飲んだ場合は受診が必要です。 |
口紅 | 油性成分が含まれているため、嘔吐や下痢の症状が出る場合がありますが、少量であればほとんど心配はないといわれています。 |
シャンプー | 少量であれば様子見をしましょう。嘔吐や腹痛などの症状が現れた場合は早めの受診が必要です。 |
台所用洗剤 | 弱酸性や弱アルカリ性、中性の洗剤は毒性が高くないため、少量であれば口をすすいで様子を見ましょう。 |
芳香剤 | ゲルや粒状の製品はあまり心配はないといわれています。液体やスプレータイプの製品はアルコールが含まれているため、たくさん飲んだ場合には受診が必要です。 |
蚊取り線香 | 含まれる殺虫成分は少ないので、ほとんど心配はないといわれています。ただし、使用中の場合はやけどの可能性があるため、やけどの確認も必要です。 |
防虫剤(パラジクロロベンゼン) | 少量であれば心配ありませんが、牛乳を飲ませるのはNGです。防虫剤の吸収が早くなるため、飲ませるなら水にしましょう。たくさん飲み込んでしまった場合は、早めの受診が必要です。 |
上記を飲み込んでしまった場合は水を飲ませてもよいですが、痛み・吐き気がある場合は何も飲ませないようにしましょう。また、過度に心配する必要はないとはいえ、不安な場合は病院で診てもらうことをおすすめします。
参照:子どもが誤飲した時の応急処置|公益社団法人 日本小児科学会
すぐに受診しなくてはいけないもの
子どもが飲み込んでしまった場合、すぐに受診しなくてはいけないものは以下のとおりです。
飲み込んだもの | 対処法 |
ボタン電池 | リチウム電池は電圧が高いためとくに危険です。早めに受診しましょう。 |
複数の磁石 | 磁石同士がくっついてしまうと、胃や腸に穴が開く可能性があるため、早めの受診が必要です。 |
釘や画鋲など鋭利な物 | 危険なため、早めに病院を受診しましょう。 |
たばこ | 食べた量が2cm以内であれば様子見でも問題ないとされていますが、念のため病院での受診をおすすめします。 |
ホウ酸団子 | ホウ酸団子はゴキブリを駆除するための毒餌剤です。市販のもので4分の1以上食べている場合は中毒性の危険があるため、早めの受診が必要です。 |
香水 | 香水には高濃度のアルコール成分が含まれているため、5ml以上飲んでしまった場合は受診しましょう。舐めた程度であれば様子見でも問題ないとされています。 |
防虫剤(しょうのう) | 毒性が高いため、少量でも危険です。何も飲ませず早めに病院を受診しましょう。また、痙攣を起こすため吐かすのもNGです。 |
防虫剤(ナフタリン) | 防虫剤の吸収が早くなるため、牛乳を飲ませてはいけません。早めに病院を受診しましょう。 |
油性の絵の具 | 重金属による中毒を起こす可能性があるため、早めの受診が必要です。牛乳は飲ませないようにしましょう。 |
上記のものを飲み込んでしまったときは、早めの受診が必要です。夜間でも急いで病院を受診しましょう。
参照:子どもが誤飲した時の応急処置|公益社団法人 日本小児科学会
絶対に吐かせてはいけないもの
子どもが飲み込んでしまった場合、絶対に吐かせてはいけないものは以下のとおりです。
飲み込んだもの | 対処法 |
灯油・ガソリン | 気管に入った場合は肺炎を起こすため、吐かせずに病院を受診しましょう。 |
マニキュア・除光液 | 気管に入ると化学性の肺炎を起こします。吐かせず病院を受診することが大切です。 |
液体蚊取り | 液体蚊取りには石油系の溶剤が含まれています。気管に入ると化学性の肺炎を起こすため、吐かせずに病院を受診しましょう。 |
塩素系漂白剤 | 少量でも粘膜がただれてしまうため非常に危険です。吐かせずに病院を受診しましょう。 |
洗浄剤(トイレ・排水パイプ用) | 酸性、アルカリ性洗剤を飲み込んでしまうと粘膜がただれます。少しでも口に入れた場合は、吐かせずにすぐに受診しましょう。 |
乾燥剤(生石灰) | 水に触れると熱を発するため、やけどの危険性があります。飲み込んでしまった場合は吐かせず、すぐに病院を受診しましょう。 |
子どもが何かを飲み込んでしまった場合、慌てて吐き出させようとするかもしれませんが、ものによってはNGです。吐かせることによって肺炎を引き起こしたり粘膜がただれたりする恐れがあるため、すぐさま病院を受診することが大切です。
参照:子どもが誤飲した時の応急処置|公益社団法人 日本小児科学会
子どもが口にしやすいものを知って誤飲を未然に防ごう
トイレットペーパーの芯の穴の直径よりも小さいものは、子どもが口に入れて飲み込んでしまう可能性があります。そのため、子どもの手の届く範囲には小さいものを置かないようにしましょう。
また、子どもが粘土やシャボン玉などで遊ぶときは、飲み込んでしまわないようにしっかりと見ておくことも大切です。
万が一飲み込んでしまった場合は、適切な対応をして病院を受診してくださいね。
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