赤ちゃんをお風呂に入れる「沐浴」。赤ちゃんの気持ちよさそうな表情がたまらない、親子の幸せな時間でもあります。
しかし、初めてのママ・パパは、生まれたての赤ちゃんの身体を「どう洗えばいいの?」と不安に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、沐浴の一般的な方法や必要なアイテム、沐浴で気をつけたいポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
沐浴とは
沐浴とは、新生児期に赤ちゃんだけをお風呂に入れることを指します。
生まれたばかりの赤ちゃんは抵抗力が弱く、感染症にかかりやすいものです。そのため、生後しばらくは大人と一緒にお風呂に入ることはできません。そこで、浴槽とは別のベビーバスなどにきれいなお湯をはり、赤ちゃんだけでお風呂に入れます。
沐浴をすることで、赤ちゃんを清潔に保ち、肌のトラブルを防ぎます。
沐浴はパパが活躍するチャンス!
生まれたばかりの赤ちゃんのお世話は、授乳などママにしかできないこともあります。
しかし、沐浴ならパパでも取り組みやすく、赤ちゃんと触れ合うよい機会になります。産後のママの負担を減らすためにも、パパが積極的に沐浴を行ってみてはいかがでしょうか。
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沐浴の頻度は?いつまで行う?
沐浴は基本的には毎日行うほうがよいとされています。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、じつは汗や皮脂の分泌が多くなっています。また、おしっこやうんちを拭くだけでは汚れが残っていることもあるため、毎日の沐浴で清潔に保つ必要があります。
沐浴は1日1回で十分ですが、汗をかきやすい夏やうんちの汚れがひどいときなどは、回数を増やしてもよいでしょう。
ただし、長湯は赤ちゃんの負担になるため、1回の時間は5分程度でサッと終わらせるようにします。
新生児期はただでさえもお世話が大変な時期です。ママ・パパや赤ちゃんの体調次第では、沐浴をお休みしても構いません。沐浴をお休みする日は、代わりにお湯にくぐらせたガーゼで身体を拭いてあげましょう。
沐浴はいつまで?
沐浴を行う期間は、基本的には新生児期の1か月間です。とくにへその緒からの感染が懸念されるため、へその緒がとれてしばらくの間は沐浴を続けたほうがよいとされています。
生後1か月を過ぎると免疫力がついて感染症の心配も少なくなるため、大人と一緒の入浴でも心配いらなくなってきます。1か月検診で医師や助産師に一緒にお風呂に入ってもよいか確認してからお風呂デビューする方が多いようです。
ただし、生後1か月で必ず沐浴を卒業しなければならないわけではありません。一緒にお風呂に入ることに不安がある場合や、沐浴のほうが楽という場合は、しばらく沐浴を続けることもできます。
沐浴を卒業するタイミングは、赤ちゃんの発達やママ・パパの生活スタイルに合わせて決めるとよいでしょう。
沐浴に必要なアイテム

以下では、沐浴の際に準備しておきたいアイテムをご紹介します。
産後、退院して赤ちゃんが家に来たら、その日から沐浴をすることになります。必要なアイテムは妊娠中に用意しておくことをおすすめします。
ベビーバス
赤ちゃんの沐浴には、お湯をはるベビーバスが必要です。ベビーバスは折りたためるタイプやシンク・洗面台で使えるタイプ、空気で膨らませるタイプなど種類が豊富です。自宅のどこで沐浴をするかを決めて、使いやすいものを選びましょう。
なお、ベビーバスとして売られているものでなくても、たらいや衣装ケースを使って沐浴することもできます。1か月で使わなくなることを考えると、家にあるもので代用するのもひとつの方法です。
洗面器
洗面器は、すすぎやあがり湯で使うきれいなお湯をはるために使います。顔・身体と分けて大小2つ用意するとより安心ですが、ひとつでも問題ありません。
ベビーバスと同様、洗面器である必要はないため、片手で持ちやすいサイズ感のものを用意するとよいでしょう。
湯温計
湯温計を使うと、簡単にお湯の正確な温度を知ることができます。沐浴用の湯温計もあり、なかには適温かどうかがわかりやすく表示されるものもあります。
ただし、お湯の温度は感覚でもある程度判断できるため、必要ないと考える方もいます。あると便利なアイテムとして、不安な方は用意しておくことをおすすめします。
石鹸
沐浴に使う石鹸は、赤ちゃん用に作られたものを選ぶと安心です。赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、大人と同じ石鹸では刺激が強すぎる場合があります。泡で出てくるポンプタイプなら、片手でも簡単に使えるためおすすめです。
ガーゼ
ガーゼは1回につき大小2枚用意しておくと安心です。小さいほうのガーゼで顔や目のまわりを拭き、大きいガーゼは沐浴中冷えないように身体にかけてあげます。
なお、身体を洗う際は沐浴用のやわらかいスポンジを使う方もいますが、手でやさしく洗っても問題ありません。
バスタオル
沐浴後は、赤ちゃんが湯冷めしないようすぐにバスタオルで身体をくるみます。ベビー用のバスタオルは正方形が多く、真ん中に寝かせて全身を包むように拭くことができます。もちろん、バスタオルも家にあるもので構いません。
スキンケアグッズ
デリケートな赤ちゃんの肌は、沐浴後すぐに保湿してあげる必要があります。そのため、保湿ローションやクリーム、オイルなどを用意しておきましょう。
大人と同じものは赤ちゃんの肌には刺激が強い可能性があるため、ベビー用として販売されているものを選ぶと安心です。
一般的な沐浴の手順

以下では、一般的な沐浴の手順をご紹介します。
1.タオル・着替えを用意する
沐浴後、赤ちゃんが湯冷めしてしまわないように湯上がりで使うタオルや着替え、スキンケア用品をあらかじめ準備しておきましょう。
着替えはボタンや紐をすべて外し、おむつとあわせて広げた状態にしておくと、素早く着せられます。
2.ベビーバスにお湯をはる
ベビーバスにお湯をはります。沐浴のお湯の適温は38度前後で、大人のお風呂よりもぬるめです。冬場はすぐにお湯が冷めるため、40度くらいのややあたたかい温度で用意します。
適温の目安は大人が肘の内側で熱いと感じない程度ですが、慣れないうちは湯温計を活用するとよいでしょう。
お湯の量はベビーバスの7分目、赤ちゃんの肩までつかるくらいにしておきます。ベビーバスとあわせて洗面器にもお湯をはっておきましょう。
3.赤ちゃんをベビーバスに入れる
赤ちゃんを足からゆっくりお湯の中に入れます。おなかにガーゼをかけておくと赤ちゃんが落ち着きやすく、身体も冷えにくくなります。
お湯に入れるときは、首を利き手の反対の手で支えるようにしましょう。利き手が空くため、洗いやすくなります。
4.顔→頭→身体の順に洗う
沐浴は洗う順番が大切です。「顔→頭→身体」の順に洗いましょう。
最初は顔のなかでも、目のまわりから洗い始めます。ぬらして絞ったガーゼでやさしく拭ってください。顔周りを洗う際は、一度拭くごとにゆすぐか別の面を使うようにします。
片手で顔を洗うのが不安な場合は、お風呂の前に顔を拭くのを済ませておくことをおすすめします。
次に頭を洗います。頭にお湯をかけるときは、お湯を含ませたガーゼをしぼってお湯を流します。石鹸をつけた手で頭全体を撫でるように洗い、泡を流すときもガーゼを使います。
洗い流すときは、泡が目に入らないよう前から後ろに流します。慣れてきたら、やさしくシャワーで洗い流しても問題ありません。
最後は身体です。洗う順番は首から順に下へ、お股とおしりを最後に洗うようにします。
基本的には石鹸をつけた手でくるくると円を描くように洗います。首や脇、手のひらは汚れが溜まりやすいため、しわの部分まで丁寧に洗いましょう。
背中を洗うときは、赤ちゃんの脇の下を抱えてうつ伏せの状態を保ちます。このとき、顔がお湯についてしまわないよう注意してください。
とくに汚れやすいお股・おしりは最後に洗います。男の子の場合はしわも丁寧に、女の子の場合は膣の周辺は石鹸を使わず、前から後ろへ洗います。おしりは汚れやすいため、とくに丁寧に洗いましょう。
5.あがり湯ですすぐ
全身を洗い終えて泡を流したら、用意しておいた洗面器のあがり湯を足元から胸にかけてすすぎます。慣れてきたらシャワーをやさしくかけてすすいでもよいでしょう。
6.バスタオルで体を拭く
お湯から上がったら、赤ちゃんが湯冷めしないようすぐにバスタオルで全身をくるみます。頭はやさしく撫でて水分をとり、身体はとんとんとやさしく押すように拭いてあげましょう。
首周りや脇の下、足の付け根、おしりなど皮膚が密着しているところは、かぶれやすい場所です。水分が残らないよう丁寧に拭いてあげてください。
鼻や耳の水分は、タオルやガーゼでやさしく拭き取るか、綿棒で表面を軽く拭き取るようにしましょう。ただし、穴の奥まで綿棒を入れないように注意してください。
7.スキンケアをして着替える
身体を拭いたら、全身のスキンケアをしましょう。赤ちゃんの肌はデリケートで乾燥しやすくなっています。ローションやオイルはたっぷりと塗ってあげることが大切です。
生後すぐから保湿を徹底することで、肌のバリア機能を高めてアトピー性皮膚炎の予防にもつながるとされています。
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沐浴の際に気をつけたいポイント
赤ちゃんの沐浴の際は、以下の点に気をつけましょう。
適度な室温を保つ
赤ちゃんはまだ上手に体温調節ができません。湯冷めしないよう、お湯の温度だけでなく室温にも気をつけましょう。
適切な室温は季節によって変わりますが、25度前後を目安に暑過ぎず寒過ぎない温度にしておくことが大切です。
できるだけ同じ時間帯に沐浴する
赤ちゃんの成長・発達のためには、毎日決まったリズムで生活することが大切です。沐浴はできるだけ同じ時間帯に入れるようにしましょう。
大人は夜に入浴するのが一般的ですが、赤ちゃんは身体を冷やさないよう日中に入れるほうが安心です。
空腹時と授乳直後は避ける
赤ちゃんにとって、沐浴は体力が必要な行為です。空腹時を避け、機嫌がよいタイミングで沐浴するようにしましょう。
また、授乳の直後でおなかがいっぱいのときは、赤ちゃんが気持ち悪くなって吐き戻してしまうことがあります。母乳やミルクを飲んだあとは、30分くらい時間を空けてから沐浴するようにしましょう。
赤ちゃんから目を離さない
赤ちゃんは少しの水でも溺れてしまう可能性があります。沐浴中は絶対に赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
石鹸で手がすべりやすくなることもあるため、赤ちゃんの顔がお湯についてしまわないよう気をつけてくださいね。
負担がかからない姿勢で行う
沐浴に慣れないうちはママ・パパも身体に力が入り、首や腰に負担がかかってしまうことがあります。また、シンクや洗面台では高さが合わずに無理な体勢になってしまうこともあります。
沐浴は毎日行うものなので、ママ・パパも負担が少ないよう洗いやすい場所や体勢で行うようにしましょう。
手順やコツをつかんで沐浴を楽しもう
沐浴は、赤ちゃんの身体を清潔に保つための大事なお世話です。できるだけ毎日、決まった時間帯に入れてあげましょう。
慣れるまでは大変かもしれませんが、手順やコツをつかめばスムーズに入れられるようになります。便利なアイテムも活用しながら、ママ・パパのやりやすい方法を探してみてくださいね。
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