リトミックとは?効果やメリットは?音楽に合わせて楽しく子どもの成長を促そう

Rythmique01

子育てをしているなかで、「リトミック」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。

リトミックは、音楽に合わせた身体の動きを通して子どもの心身の成長を促す教育法です。日本では幼稚園・保育園でも行われており、家庭でも気軽に取り入れられるので親子のおうち時間の過ごし方としてもおすすめです。

今回は、リトミックの基本的な内容や期待できる効果、始める年齢、家庭でのやり方や注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

リトミックとは

Rythmique02

リトミック(Rythmique)は、スイスの音楽教育家、エミール・ジャック・ダルクローズ氏によって20世紀初頭に開発された音楽教育法です。日本では、カリキュラムのひとつとして保育園や幼稚園、音楽教室などの現場で取り入れられています。

リトミックの主な内容は音楽に合わせて身体を動かすことや楽器の演奏ですが、目的は単に音楽や身体能力の向上だけではありません。集中力や表現力、社会性、積極性といった総合的な力を育み、子どもの豊かな人格形成を促すことも目的としています。

リトミックには3つの要素があり、音楽に合わせて身体を動かす「リズム運動」、リズムや音程を感じ取る「ソルフェージュ」、自分で考えて表現する「即興」で構成されています。

この3つの要素を含んだ音楽遊びを通じて、楽しみながら子どもたちの持つ力を引き出します。

リトミックの効果・メリット

幼少期にリトミックを行うことで、以下のような効果が期待できます。

音感やリズム感の発達

リトミックではさまざまな音楽を聞いてリズムや音の高低、強弱などを感じ取り、身体を動かしたり歌ったりして表現することで、自然と音楽の基礎が身につきます。
乳幼児期からリトミックを通して音楽に慣れ親しんでいると、のちに楽器の演奏やダンスといった活動を始める際にも役立ちます。

運動能力の向上

手拍子やステップ、ジャンプ、即興の表現など、音楽に合わせて全身を動かすことで身体のバランス感覚が養われ、身体をコントロールする力が育まれます。身体の動きと音を連動させることで脳と身体を同時に使うため、運動機能と知覚の両方にアプローチすることができます。

集中力・注意力の向上

音の変化を聞き分け、それに合わせて動きを変えることで、集中力や聞く力が鍛えられます。
たとえば、「音が止まったら身体も止める」といった場合、動きながら音に耳を傾けて止まるタイミングに注意を払い、止まったらすぐに動きを止めるよう瞬時に判断する必要があります。
リトミックを通じて、遊びながら集中力や判断力が自然と身についていくのです。

自己表現・想像力の育成

リトミックでは、「動物になりきって動く」「お天気を身体で表す」といったように、自由な表現を行うこともあります。単に身体を動かしたり周囲のまねをしたりするのではなく、自分のイメージを身体を使って表現するトレーニングになっています。
こうした経験を積むことで、自分の気持ちを表現する力や、他者とのコミュニケーション能力が育まれていきます。

社会性・協調性が身につく 

リトミックには個人活動だけでなく、複数人で行うグループ活動もあります。順番を守ったり、友達とペースを合わせたりといった他者との関わりを通じて、社会性や協調性を学ぶことができます。
とくに幼稚園・保育園に通い始める前の子どもにとって、リトミックは集団でのルールやマナーを学ぶよい機会となります。

リトミックは何歳からできる?

Rythmique03

リトミックは、0歳から始められる教育法です。生後6か月前後の首がすわったころから始められます。年齢に応じて内容や狙いも変わってくるため、以下で押さえておきましょう。

 0〜1歳(ベビーリトミック)

まだ自分で自由に身体を動かすことができない乳児期のリトミックは、親子で音楽に合わせて身体を揺らしたり、スキンシップをとったりすることが主な内容です。一緒に参加するママ・パパの声かけや抱っこなどを通して、「音楽は楽しいもの」と感じさせることが主な目的となります。

2〜3歳(トドラークラス)

2〜3歳になると、身体が発達して自分の足で歩き、飛び跳ねることもできるようになってきます。この時期のリトミックでは、簡単なリズム運動や真似っこ遊びをすることが多く、音に合わせて動いたり簡単なルール(止まる、ジャンプするなど)を覚えたりすることで、音を聞く力や模倣力、身体をコントロールする力が育まれます。

4歳以降(キッズクラス)

4歳以降になると、リズムやメロディーをより正確に捉え、即時に反応できるようになります。より複雑な表現や即興の動き、楽器の演奏などを取り入れて、音楽への理解や身体能力をさらに深めていきます。複数の子どもと動きを合わせたり、お互いに発表し合ったりすることで社会性も身につきます。

家庭でもできる!リトミックの方法をご紹介

リトミックは幼稚園・保育園や習い事として行うものと思われがちですが、じつは家庭でも気軽に取り入れることができます。
リトミックにはさまざまな方法がありますが、リズム運動・ソルフェージュ・即興の3つの要素を取り入れるのが基本です。

以下では、家庭で取り入れる際の例をご紹介します。

リズム運動

リズム運動では、音楽に合わせて身体を動かします。
好きな音楽を流して、曲のリズムやテンポに合わせて手拍子やジャンプをしてみましょう。

ゆったりした曲で身体を左右に揺らしてみたり、アップテンポな曲でたくさん手拍子をしたり、3拍子の曲を取り入れてみたりと、さまざまなバリエーションの曲を用意して違いを楽しむのもおすすめです。

手遊び歌

歌や音楽に合わせて手指を動かす手遊び歌も、リトミックの要素を含んでいます。「むすんでひらいて」や「いとまきのうた」など、簡単な動作の手遊び歌を親子で一緒にやってみましょう。手指を動かすことは脳の発達を促し、歌に合わせることで自然とリズム感も身につきます。

ルール遊び

「音が止まったら止まる」「太鼓の音で動く」など、簡単なルールに従って動く遊びを取り入れてみましょう。ルールに従って行動しようとすることで、音を聞く力や集中力、瞬発力が養われます。
大人数の場合は、「音が止まったら座る」というルールがあるいす取りゲームもおすすめです。

表現遊び

「動物の動き」「雨の日」など、テーマを決めて自由に表現する遊びも子どもの想像力や表現力を育むよいトレーニングになります。
たとえば、低音でゆっくりとした音楽に合わせてゾウの動き、高音で速い音楽に合わせてネズミの動きなど、音楽に合わせて表現するのがポイントです。

「悲しい」「うれしい」といった感情に合わせて動きを表現したり、「だんだん強く」「急に小さく」など強弱をつけたりするのもよいでしょう。

楽器演奏

楽器を取り入れた遊びもおすすめです。はじめは鈴やカスタネット、タンバリンなど簡単な楽器で音を鳴らすことからチャレンジしてみるとよいでしょう。曲に合わせて演奏することや、鳴らし方によって音の違いを楽しむことでより音感・リズム感が鍛えられ、表現力が豊かになります。
4歳ごろからは、複数人で一緒に演奏することで協調性を学ぶことも大切です。

リトミックを取り入れる際のポイント

子どもとリトミックを行う際には、以下のポイントをおさえておきましょう。

親子で楽しく取り組む

リトミックに成績や競争はないため、楽しんで取り組むことが何より大切です。細かいルールや正確さにこだわらず、遊びとして続けるなかで自然と音感や表現力が身についていきます。
まずは音に合わせて親子で身体を動かしながら、「音楽って楽しいね」「身体を動かすと元気が出るね」といった声かけをすることから始めるとよいでしょう。

年齢や発達に応じた活動をする

リトミックは生後6か月ごろからできる活動ですが、まだ自分で上手く身体を動かせないうちはママ・パパが抱っこしながら行う活動がほとんどです。子どもに無理をさせないよう、成長に合わせて内容を変化させていくようにしましょう。年齢や発達段階に応じた活動を取り入れることで、子どもは自信を持って積極的に取り組むことができます。

リトミックで楽しく子どもの成長を促そう

リトミックは音楽に合わせて身体を動かすことで、音感や身体能力だけでなく表現力や社会性などを引き出し、豊かな人間性を育む教育法です。

0歳から始められ、遊び感覚で取り組めるため、楽しみながら自然と多くの力を身につけることができます。家庭でも簡単に取り入れられるので、ぜひ親子で楽しんでみてくださいね。

◯ 関連記事
子どもの習い事はいつから始める? 定番の習い事とそれぞれの特徴、選び方もご紹介
保活はいつから始めたらよい?一般的なスケジュール例や注意点をご紹介
赤ちゃんと二人きりがつらく感じる理由とは?赤ちゃんと楽しく過ごすコツやおすすめの過ごし方をご紹介

 


あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。

「こんな情報があるとうれしいな」「これについてもっと詳しく知りたい」という意見があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください! 皆さまの率直な声を心よりお待ちしております。

ご意見・ご感想はこちらから

みちる

沖縄に暮らす2児の母です。
ママ・パパに役立つ情報をわかりやすくお伝えします。
よろしくお願いします!

おすすめ記事