わたしの個性を見つけてくれた「恩師」の卒業

アンリのあんまーるーむ_卒業

みなさんお元気ですか? 川満アンリです。

3月といえば、卒業の季節。
これまでの努力や感謝を胸に、新しい一歩を踏み出す大切な門出を前に寂しさも感じつつも、それ以上に希望に満ちているときでしょう。

卒業というと学生の皆さんをイメージしますが、じつは、先生のなかにも卒業(定年退職)を迎えられる方がいらっしゃいます。

今回は、私の恩師の卒業に立ち会うことができたお話をご紹介します。

恩師との出会いと再会

わたしは、話す仕事をして20年以上になります。

この仕事を目指そうと思った最初のきっかけは、小学校5年生のころ。
大好きな担任の、新垣 剛志先生がわたしの個性を見つけてくれて、放送委員を勧めてくれました。そこから、小学校・中学校と放送委員を続けました。

アンリのあんまーるーむ_卒業
放送委員をがんばる5年生のわたし

放送委員として伝えることの楽しさを知り、「将来は話す仕事がしたい」と思ったきっかけをくれた先生に、いつか感謝の気持ちを伝えたいなぁとずっと思っていましたが、先生がどこの学校にいるのか、まだ先生を続けていらっしゃるのか、なかなか探せないまま時間だけが過ぎていきました。

そんななか、2023年の年末たまたま見つけたニュース動画で、ある小学校の校長として剛志先生が出ているのを見つけました。うれしさで興奮しつつ、先生への感謝の気持ちをしたためたお手紙を送りました。その後2024年のお正月が明けてすぐ、先生からご連絡をいただいたんです。
電話で懐かしいお話をするなかで先生が定年退職を迎えることを知り、たくさんの偶然やタイミングにご縁を感じました。

今年に入って、やっと先生と直接お会いできることになった某日。校長室でお話をしていると、休み時間中の子どもたちが「校長先生ー!」と次々に集まってきます。

アンリのあんまーるーむ_卒業
突然始まった還暦お誕生日会

その日はちょうど、先生の還暦60歳のお誕生日。
子どもたちが折り紙で作ったお花やお手紙を持ってきて、職員の皆さんが集合して手作りのくす玉で和やかな還暦祝いが始まるのをみて、「あぁ、わたしは本当にいい先生に恵まれたんだなぁ」と、改めて感謝の気持ちが込み上げてきました。

そのとき先生から「今度、校長最後の講話があるんだけど、アンリも少しだけ参加できないかな?」と声をかけてもらったんです。
校長最後の講話ということは、つまり先生として最後の講話になるということ。

「先生の卒業」に立ち会えるなんて、こんな光栄なことあるのでしょうか!

恩師から自然と受け継いでいた「夢をつかむコツ」

とうとう迎えた、最後の校長講話の日。

わたしはサプライズというかたちで体育館に登場しました。「わー!見たことあるー!」と子どもたちから声をかけてもらいながら、少し照れながら壇上へ。
そして先生からリクエストのあった「夢」について講話をさせていただきました。

アンリのあんまーるーむ_卒業
夢について話すわたし

私なりに小学生の子どもたちに伝えた「夢」のお話は、大きく3つです。

①好きなことに正直になること(恥ずかしがらず、好きなものを大切に)
②チャンスがきたら掴む!(自分なんてとか恥ずかしいとか考えず、やってみる)
③一生懸命やっていたら誰かがみている(一生懸命はキラキラしてる)

講話を終えたあと、先生がマイクで「いやーびっくりした! みんな、校長先生がいつも言ってることなぁに?」とおっしゃいました。わたしが頭の中にハテナを並べていると、子どもたちが「好きなことを諦めない」「一生懸命がんばっていたら誰かが見ている」と声をあわせて言いました。

わたしが伝えたことは、校長先生が毎日子どもたちに伝えていたことだったようです。
それを知ったわたしは、5年生のときの先生との出会いで根っこの部分を作ってもらっていたんだなぁとすごく感動しました。

小学生のころの出来事はあまり覚えていない部分も多いのですが、誰と出会ったか、どんな言葉を聞いたか、どんな導きがあったのか、そんな日常の一つひとつがとても大切なことだと改めて感じました。

子どもたちの根っこを育てる大人の責任は重大ですし、それを担っている先生という職業は、本当に素晴らしいなと、改めて感じました。

それぞれちがう「心のお天気」があることを知ろ

校長先生が先生としての最後の講話を終えられたあと、教師としての人生を振り返ってお話していただきました。
たくさん話してくださったなかで印象的だったのが「とにかく楽しい!こんなに子どもたちが『せんせい!せんせい!』って慕ってくれる職業はないもの。素直な子どもたちとの日々は素晴らしい毎日だった」という言葉でした。

いろいろなお話のなかで、とくにいいな!と思ったユニークな取り組みが「ビー玉ボックス」。「晴れ」「くもり」「雨」「台風」などのお天気が書かれたボックスを置いて、子どもたちが今日の心のお天気に当てはまる箱にビー玉を入れる取り組みです。
「お母さんに朝怒られたから雨」とか「早起きできたから晴れ」など、人によって日々の心のお天気もその理由も違います。ビー玉をチェックした校長先生が、全校朝会で「今日は雨の人が◯人いたよ。帰るときには晴れるといいね!」とみんなに共有することで、お互いを思いやることを知る、という取り組みなんだとか。校舎の下校時に見えるところにも、大きく「明日もきっと心はいい天気」と書かれていました。

天気は変わるもの。雨で登校しても帰るときには晴れているかもしれませんよね。ほんと素敵だなって思いました。
わたしも帰ってから娘に、みんな毎日心のお天気が違ってもいいんだよーと伝えました。

心から感謝の気持ちを込めて

アンリのあんまーるーむ_卒業
後ろには「明日もきっと心はいい天気」

今回、先生の講話と「教師」という仕事の卒業という場面に立ち会うことができて、人はひとりだけで成長していないということを改めて実感しました。そして、大人として、子どもたちとどう向き合っていくのか、サポートしていくのか、子どもたちとの向き合い方や寄り添い方を再度考えるきっかけにもなりました。

わたしと先生のように、みなさんにもきっと大好きだった先生、忘れられない先生がいるかと思います。

教師の卒業。たくさんの生徒を導き、支えてくれたたくさんの先生方に心から感謝の気持ちを込めて、「ありがとうございます! そして、お疲れ様でした」

川満 アンリ

沖縄生まれ沖縄育ち、沖縄で子育てする6歳👧のママ🌺
41歳。美容学生。テレビや司会のお仕事。メイクアップ。ママ。好きなこと全力な毎日です!

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