子育て中のママ・パパは、赤ちゃんが安心して笑顔で過ごせるようにと、毎日いろいろ工夫されていますよね。おしゃぶりは、赤ちゃんの心の支えとなる大切なアイテムです。
新しい世界にちょっと不安な赤ちゃんは、ふわふわのおしゃぶりをくわえることで、まるでママの温もりを感じるかのように落ち着き、ぐっすり眠ることができます。
しかし「おしゃぶりっていつまで使わせていいの? 」「ずっと使い続けると歯や発音にどんな影響があるの? 」と不安に思うママも多いでしょう。
この記事では、おしゃぶりの役割や使う時期の目安、長く使いすぎた場合に起こるかもしれない影響、そして赤ちゃんに負担をかけずにやさしく卒業させるためのヒントをご紹介します。
もくじ
おしゃぶりの役割と使う時期の目安
おしゃぶりは、赤ちゃんが不安で泣いたりなかなか寝てくれないときに、そっと口に入れて落ち着かせてあげるための大切な道具です。
生まれてすぐの赤ちゃんは、まだ慣れない環境に戸惑いながらも、おしゃぶりをくわえることで「これで安心できるな」と感じます。
これは、赤ちゃんは生まれたときから吸啜反射(吸う反射)を持っていて、おしゃぶりを使うことでこの吸啜反射を満たし、安心感を得ることができるためです。
おしゃぶりを使う時期の目安は、生後から1歳くらいまでといわれています。そして、赤ちゃんがだんだん自分で安心できるようになってきたら、2歳から3歳あたりを目標に、少しずつ使う時間を減らしていくのがよいとされています。
もちろん、赤ちゃんそれぞれのペースがあるので、焦らずに見守ることが大切です。
おしゃぶりを長く使いすぎるとどんなリスクがあるの?

おしゃぶりは赤ちゃんにとって大切なパートナーですが、長く使い続けるといくつかの心配事が出てきます。
たとえば、ずっとおしゃぶりを吸っていると、赤ちゃんの歯や歯茎に不自然な力がかかり、上下の歯の位置が乱れてしまうことがあります。
具体的には、歯と歯の間に隙間ができる「開咬」や、前歯が前に出てしまう「出っ歯」、さらに噛み合わせがうまくいかなくなることがあるのです。
日本小児歯科学会は「赤ちゃんが2歳を過ぎ、奥歯のかみ合わせができた後もおしゃぶりを使い続けると、歯並びやかみ合わせに影響が出やすくなる」と言及しており、乳歯の奥歯が生えてくる1歳半ごろからやめる準備を始め、2歳過ぎまでにはやめることが推奨されています。
また、赤ちゃんは成長とともに口や舌を使って発音や言葉を覚えていきますが、常におしゃぶりが口にあると自然な発音の練習ができず、はっきりした発音が身につきにくくなる恐れもあります。
さらに、口の中がずっと湿った状態になると菌がたまりやすくなり、虫歯や口内のトラブルの原因になることもあります。
このように、おしゃぶりをずっと使うと歯並びが崩れたり、はっきりとした発音が難しくなったり、口の中に菌が溜まりやすくなったりすることがあります。そのため、1歳半からおしゃぶり卒業の準備を始め、2歳前後にはやめられるようにしましょう。
ただし、焦るのは禁物です。赤ちゃんに無理のないように進めていきましょう。
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おしゃぶりを無理やりやめさせる必要はない
赤ちゃんはおしゃぶりをくわえていると、まるでお母さんのぬくもりや感覚を感じるかのように安心感を得ます。
もし急におしゃぶりを取り上げてしまうと、赤ちゃんは大変なストレスを感じ、泣き出したり不安でぐずったりしてしまいます。まだ自分の気持ちをうまく表現できない小さな命にとって、急激な変化は大きなショックとなってしまう可能性があります。
だからこそ、無理にやめさせるのではなく、赤ちゃんのペースに合わせて自然におしゃぶりから卒業できるよう、温かく見守ることが大切です。
赤ちゃんが自分でおしゃぶりから離れられるような環境を整えることで、心の負担を和らげることができます。
赤ちゃんに負担をかけないやさしいやめさせ方のコツ

では、具体的にどうすれば赤ちゃんに負担をかけずにおしゃぶりを卒業させられるのでしょうか。
使う時間を減らす
まず、急におしゃぶりを取り上げるのではなく、少しずつ使う時間を減らしていくことが大切です。
たとえば、初めは朝起きたときや寝る前だけ使い、昼間はできるだけ使わないようにする方法があります。こうすることで、赤ちゃんも「おしゃぶりがなくても大丈夫」と感じるようになり、次第に自分で安心できる力がついていきます。
おしゃぶりの代わりになるアイテム・過ごし方を用意する
おしゃぶりをやめたあとの不安を和らげるために、赤ちゃんが大好きなぬいぐるみやふわふわの毛布、心地よい音の出るおもちゃなど、赤ちゃんが興味を示すものを少しずつ試してみましょう。
とくに寝かしつけの時間は、赤ちゃんが不安を感じやすい時間帯なので、やさしくマッサージをしたり、子守唄を歌ったり、眠りを誘うような落ち着く曲をかけたりと、おしゃぶり以外のリラックス方法を見つけていくことをおすすめします。
ママやパパが優しく抱っこしてあげたり、あたたかい声で「大丈夫だよ」と声をかけて背中をトントンしたりすることで、赤ちゃんは自然と心を落ち着かせることができます。
遊ぶ時間を充実させる
赤ちゃんが楽しく過ごせる環境づくりも大切です。
外遊びの時間を増やしたり、手遊び歌で一緒に遊んだり、絵本の読み聞かせをしたりすることで、赤ちゃんの気持ちが自然と遊びへと向かい、おしゃぶりを欲しがる回数が減ってくることもあります。
赤ちゃんにこまめに声をかける
家族での声かけも大切なポイントです。「おしゃぶりを卒業できたらすごいね」「もう大きくなったから、少しずつ卒業していこうね」など、ポジティブな言葉をかけることで、赤ちゃんも前向きな気持ちで卒業に向かうことができます。
ただし、厳しく叱ったり、無理強いしたりするのは逆効果ですので、あくまでも優しく励ますような声かけを心がけましょう。
おしゃぶり卒業中のよくある悩みと対処法
おしゃぶりの卒業を進めるなかで、さまざまな課題に直面することがあります。
たとえば、おしゃぶりがないことで夜になかなか寝てくれず、ぐずってしまうことがあります。その場合は、毎日同じ時間に同じ順番で寝かしつける「入眠儀式」を行ったり、室温や明るさを調整して睡眠環境を整えたりすることで、心地よい眠りへと導くことができます。
また、おしゃぶりが使えないストレスで赤ちゃんがイライラしているときは、普段以上にスキンシップを増やしたり、外遊びで気分転換を図ったりすることが効果的です。
なかには指しゃぶりを始めてしまう子どももいますが、そのときはお絵描きやブロック遊びなど、子どもの手を忙しくさせる遊びを取り入れると指しゃぶりの時間が減る場合があります。自然と指から離れるよう工夫してみましょう。
どうしてもおしゃぶりの卒業がうまくいかない場合は、小児科や歯科の先生に相談するのも一つの手です。
とくに3歳を過ぎても強くおしゃぶりを求めたり、歯並びの変化が気になったり、発音が不明瞭だったりする場合は、一人で悩まずに専門家に相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、赤ちゃんの成長に合わせた最適な卒業のタイミングや方法がわかることがあります。
また、地域の子育て支援センターなどで、同じような悩みを持つママやパパと情報交換をするのも、とても心強い支えになるでしょう。
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赤ちゃんとのおしゃぶり卒業は、愛情とペースを大切に
おしゃぶりは赤ちゃんにとって安心と心地よさを感じる大切なアイテムですが、長く使いすぎると歯並びや発音に影響が出る可能性があります。
生後から1歳くらいまではおしゃぶりを使うのは自然ですが、赤ちゃんが成長し、口の働きが「かむ」ことへと移行してくる2歳~3歳頃を目安に、少しずつ使う時間を減らしていくのが理想です。
ママ・パパは、赤ちゃんの小さな反応をよく見守りながら、無理せずにやさしく卒業へ向けて進めてください。
おしゃぶりの卒業は、赤ちゃんが大きく成長するための大切な過程です。急な変化は赤ちゃんにとって大きなショックとなる可能性があるため、家族みんなで支え合いながら、赤ちゃんのペースに合わせて卒業できるようゆっくりと進めていきましょう。
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