「沖縄にはそもそも花粉が飛んでいないから、花粉症がない」といった話を聞いたことはありませんか?
たしかに、本土で花粉症の原因となっているスギやヒノキの花粉は、沖縄にはほとんど存在しません。しかし、花粉を飛ばす植物がまったくないわけではなく、種類や時期によっては花粉症のような症状が出る人もいます。
この記事では、沖縄の花粉事情や注意したい症状、花粉症が疑われる場合の対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
沖縄には花粉がないって本当?

沖縄には花粉がまったくないわけではありません。「本土に比べて圧倒的に少ない」というのが正しい表現といえます。
日本各地で毎年春に猛威をふるい、花粉症を引き起こしている「スギ花粉」や「ヒノキ花粉」は、沖縄にはほとんど存在しません。そのため、「沖縄には花粉がない」といわれることが多くなっています。
寒い地域に適したスギやヒノキは、沖縄のような温暖で湿度が高い気候では育ちにくく、そもそもスギやヒノキがほとんど生えていないのです。
そのため、毎年つらい花粉症に悩まされる人にとって沖縄はまるで天国のように感じられるでしょう。最近では、避暑地ならぬ「避粉地」として春に沖縄を訪れる方も増えているそうですよ。
沖縄で確認されている花粉の種類と時期
沖縄県内では、以下のような植物の花粉が飛散していることが確認されています。いずれも飛散量は本土よりも少なく、スギやヒノキに比べてアレルギー反応を起こしにくい花粉です。
ただし、花粉症の体質を持つ人は反応してしまう可能性もあるため、事前に花粉の種類や時期をチェックしておくとよいでしょう。
リュウキュウマツ
沖縄の県木であるリュウキュウマツは、県内では海岸沿いや森の中だけでなく、街路樹や公園樹、庭木など街中でも多く見られます。花粉が飛ぶのは2〜3月ごろで、沖縄で飛散する数がもっとも多いのはリュウキュウマツの花粉といわれています。
イネ科の植物(ススキ、サトウキビなど)
沖縄でリュウキュウマツの次に花粉の飛散が多いとされているのが、ススキやチガヤ、サトウキビなどのイネ科の植物です。サトウキビは農作物として県内各地に畑があり、ススキやチガヤも雑草として街中でも見られます。イネ科の花粉は1年を通して飛んでいますが、とくに10〜11月ごろが多くなっています。
モクマオウ
沖縄で3番目に花粉の飛散が多いのが、モクマオウ科の植物です。海岸の砂地などに多く、見た目はマツに似ていますが、オーストラリア原産の外来種で松ぼっくりとは異なる小さな実をつけるのが特徴です。花粉のピークは4〜6月ごろで、症例は多くないものの、沖縄特有の花粉症として報告されています。
ブタクサ
ブタクサは日本全国に自生している植物で、スギやヒノキと並んで花粉症を引き起こしやすい植物です。沖縄でも花粉の飛散がわずかに確認されており、ピークは7〜10月ごろです。春に花粉を飛ばすスギ・ヒノキに対して「秋の花粉症」を引き起こす植物として知られています。
その他の植物
沖縄では上記でご紹介した植物のほか、キク科やブナ科、ヒノキ科、ニレ科などの植物の花粉が飛散していることが確認されています。ただし、いずれも数としてはかなり少ないため、花粉症を引き起こすことはほとんどないと考えられています。
沖縄ではあまりみられない花粉症ってどんな症状?
花粉症は、身体が花粉を異物と認識してくしゃみや鼻水といったアレルギー症状を引き起こす病気です。
花粉症に馴染みのない沖縄では、花粉症のような症状が出ても「風邪かな?」と勘違いしてしまうかもしれません。しかし、以下のような症状が長く続く場合は、花粉やその他のアレルゲンが原因となっている可能性があります。
・水のような透明の鼻水
・鼻づまり
・繰り返すくしゃみ
・目のかゆみ、充血
じつは、わたしも以前東京に住んでいた際に花粉症になってしまいました。沖縄を出て数年はなんともなかったのですが、4年目あたりから春になるとサラサラとした透明の鼻水が出るようになったんです。
症状は年々ひどくなり、目のかゆみや充血も出るようになりました。鼻水はサラサラですすることもできないので、春の間は常に鼻から水が垂れている状態になっていました……。
幸い、沖縄に帰ってからは一切症状が出ていないので、春も快適に過ごせています。
花粉症は放っておくと症状が悪化して集中力が低下したり、不眠になったりと日常生活にさらに影響が出る場合もあります。花粉症が疑われる場合は、早めに病院を受診することが大切です。
参照:アレルギーについて | 花粉症 – アレルギーポータル
沖縄で花粉症かな?と思ったら

「沖縄では花粉症なんてないと思ってたけど、なぜか毎年同じ時期につらい……」。そんなときは、以下の対処法を試してみましょう。
アレルギー検査を受ける
鼻水やくしゃみのようなアレルギー症状は、花粉のほかにもダニやホコリなどのハウスダスト、ペットの毛やカビなどが原因となっていることもあります。まずは病院で検査を受け、アレルギー症状の原因を調べましょう。耳鼻咽喉科を受診するのがおすすめです。
アレルギー検査は血液検査が基本ですが、最近では指先からわずかな血を採るだけで調べられるキットもあります。小さなお子さんでも簡単に検査できる場合もあるので、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。
外出時にはマスクやメガネを着用する
花粉症となった場合は、目や鼻に花粉を入れないことが大切です。外出時はマスクやメガネを着用しましょう。
花粉はとても小さいため完全に遮断することはできませんが、着用しないときと比べて花粉を取り込む数をかなり減らすことができます。
最近では、花粉対策用に作られたマスクやメガネも販売されていますよ。
帰宅時には花粉を落とし、手洗い・うがいをする
外出によって、髪の毛や衣類に花粉が付着することがあります。帰宅後は玄関先で花粉を払い落とすようにしましょう。
花粉が奥に入り込んでしまわないようにやさしく手で払ったり、粘着テープや掃除機を活用したりするのがおすすめです。
花粉を室内に持ち込まないために、帰宅後の手洗い・うがいを徹底することも大切です。さらに洗顔と鼻をかむことも徹底すると、より効果的です。
加湿器や空気清浄機を活用し室内の花粉を減らす
空気が乾燥していると、花粉の細かい粒子が空気中に舞いやすくなってしまい、さらに粘膜の機能が低下して花粉を体内に取り込みやすくなってしまいます。加湿器を活用して、部屋の適切な湿度を保ちましょう。
あわせて空気清浄機を活用したり、こまめに床掃除をしたりすることで、室内に舞う花粉の量をさらに減らすことができます。
花粉が多く飛んでいる時期には、家の中に花粉が入り込まないようドアや窓の開閉は短時間で済ませることも重要です。
薬を早めに服用する
花粉症の症状を抑える抗アレルギー薬は、症状が出る前から服用することで、症状を軽くする効果があります。毎年同じ時期に症状が出る場合は、医師と相談し、なるべく早めの対策をとるようにしましょう。
沖縄にも微量の花粉あり!気になるときは検査を
沖縄は本土に比べてスギやヒノキの花粉が圧倒的に少ないため、花粉症のリスクが低いといえます。しかし、沖縄には「花粉がまったく飛んでいない」というわけではありません。リュウキュウマツやモクマオウなど、一部の植物の花粉によって花粉症のような症状が出る可能性もあります。
くしゃみや鼻水が出て「なんだか毎年同じ時期につらいな……」と感じたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。花粉が原因だとわかった場合には、今回ご紹介した内容を参考に花粉を取り込まないよう対策を心がけてみてくださいね。
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