赤ちゃんを感染症から守るための予防接種はとても重要です。初めての予防接種は生後2か月から始まり、その後も成長に応じて種類の異なるワクチンを計画的に接種する必要があります。
どのワクチンがどんな病気を防ぐのかを知り、適切なタイミングで接種を行いましょう!
そこで今回は、赤ちゃんが受ける予防接種の種類とスケジュールをご紹介します。効率よく予防接種を受けるために、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
赤ちゃんが受ける予防接種の種類

まずは、赤ちゃんが受ける予防接種の種類をチェックしましょう。
小児用肺炎球菌
小児用肺炎球菌は、肺炎球菌感染症を予防するためのワクチンです。
肺炎球菌は集団生活が始まったほとんどの子どもが持っていますが、何らかの原因で肺炎や中耳炎、髄膜炎などの病気を引き起こすとされています。
とくに0歳児の子どもが引き起こしやすいため、予防接種で重篤な疾患の予防を行う必要があります。
5種混合
5種混合とは、「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」「ポリオ」「インフルエンザ菌b型」を予防するための混合ワクチンです。
ジフテリア | ジフテリア菌によって発生する病気で、喉などに感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用すると、横隔膜や眼球などに麻痺を引き起こし、心不全に陥ることがあります。 |
百日せき | 咳で呼吸ができなくなり、チアノーゼや痙攣を起こすことがあります。 |
破傷風 | 破傷風菌と呼ばれる菌が作る毒素によって発生する病気です。土などと共に傷口に破傷風菌が入り込み、毒素が作られてさまざまな神経に作用します。 破傷風にかかると、最初に口が開きにくいという症状が現れます。その後、歩行や排尿・排便の障害が起こるといわれています。 |
ポリオ | 脊髄性小児麻痺とも呼ばれており、ポリオウイルスによって発生する病気です。感染すると、手足の筋肉や呼吸する筋肉などが麻痺します。 |
インフルエンザ菌b型 | ヘモフィルスインフルエンザ菌b型と呼ばれる細菌によって発生する病気です。この細菌が何らかの原因で、肺炎や敗血症、髄膜炎などの疾患を引き起こすといわれています。 |
令和6年4月1日以前は、「ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ」の4種混合でしたが、令和6年4月1日以降は「インフルエンザ菌b型(Hibワクチン)」が加わって5種混合となっています。
参照:5種混合ワクチン|厚生労働省
【小児】予防接種の種類、実施医療機関|那覇市
BCG
BCGは、結核を予防するためのワクチンです。
結核は結核菌が体内に入り込み、菌が増殖した部位によって「肺結核」「腸結核」などを引き起こすといわれています。
日本では毎年約1万人が結核を発症しており、結核患者数の約8割が肺結核を引き起こしているそうです。肺結核になると、咳や発熱などの風邪のような症状が現れ、病気が進行すると呼吸困難に陥ってしまいます。
結核を予防するため、日本では生後1歳までに接種することが定められています。
参照:BCGってなに?|日本ビーシージー製造株式会社
日本では毎年約10,000人が新たに発症!古くて新しい感染症、「結核」にご注意を!|政府広報オンライン
B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染して起こる肝臓の病気を予防するためのワクチンです。
ママがB型肝炎ウイルスに感染して出産した場合、子どもにも感染するといわれています。また、B型肝炎ウイルスを含んだ血液や体液が傷口から体内に入り込んで感染するケースもあるそうです。
B型肝炎が持続すると、慢性肝炎から肝硬変になり、最悪の場合は肝がんになる可能性もあるといわれています。過去には保育園で集団感染が起きた事例もあるため、ワクチンを接種して防ぐ必要があります。
参照:【B型肝炎】B型肝炎、どのような病気?|一般社団法人 日本肝臓学会
ロタウイルス(任意接種)
ロタウイルスは、胃腸炎の原因となるウイルスに感染するのを防ぐワクチンです。
ロタウイルスは感染力が強いため、ごくわずかなウイルスでも体内に入り込むと感染するといわれています。
ロタウイルスに感染すると、嘔吐や下痢、発熱、腹痛などの症状が現れます。脱水症状がひどくなると入院が必要になることもあるため、ワクチンを接種して予防することが大事です。
ロタウイルスの予防接種は必須ではありませんが、予防のために受けたほうがよいでしょう。
赤ちゃんの予防接種スケジュール

予防接種の時期が近くなると市の保健所からお知らせが届きますが、つい忘れてしまうことがあるかもしれません。どのタイミングでどの予防接種を受けるのか事前に知っておくと、忘れてしまうのを防ぐことができますよ!
赤ちゃんの予防接種のスケジュールは以下のとおりです。
生後2か月 | ・小児用肺炎球菌(1回目) ・5種混合(1回目) ・B型肝炎(1回目) ・ロタウイルス(1回目) |
生後3か月 | ・小児用肺炎球菌(2回目:1回目から4週間後) ・5種混合(2回目:1回目から20日〜56日の間隔を空ける) ・B型肝炎(2回目:1回目から4週間後) ・ロタウイルス(2回目:1回目から4週間後) |
生後4か月 | ・小児用肺炎球菌(3回目:2回目から4週間後) ・5種混合(3回目:2回目から20日〜56日の間隔を空ける) ・ロタウイルス(3回目:2回目から4週間後) |
生後5か月 | ・BCG |
生後7か月 | ・B型肝炎(3回目:1回目から20〜24週間後) |
製剤によりますが、生後6か月からインフルエンザや新型コロナのワクチンも接種できます。
また、日本脳炎の予防接種も生後6か月から受けることができますが、標準接種期間は3歳となっています。かかりつけ医に相談しながら、予防接種のスケジュールを立ててくださいね!
ちなみに、予防接種のスケジュールを忘れてしまいそうな場合は、母子手帳アプリを使うのがおすすめです。子どもの情報や予防接種の情報を入力すれば、自動的にスケジューリングしてくれます。
通知も届くので、忘れる心配がありませんよ!
参照:日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール|日本小児科学会
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赤ちゃんの予防接種について知っておこう
赤ちゃんが生後2か月を迎えると、さまざまな感染症を防ぐための予防接種が始まります。予防接種は、肺炎球菌や5種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、インフルエンザ菌b型)、BCG(結核)、B型肝炎、ロタウイルスなど、多くの病気の予防を目的としています。
赤ちゃんの健康を守るために、かかりつけ医と相談しながら予防接種のスケジュールを立ててみてくださいね。
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