インフルエンザの予防接種は子どもも受けられる?種類やおすすめのタイミングをご紹介

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秋冬になると毎年のように流行するインフルエンザ。とくに保育園や学校に通う子どもがいる家庭では、「子どもも予防接種を受けるべき?」「いつ打てばいいの?」と悩むこともあるでしょう。

そこで今回は、インフルエンザの予防接種のポイントやそのほかの予防法、感染した際の看病のポイントなどをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

インフルエンザとは

インフルエンザは、「インフルエンザウイルス」に感染することで起こる病気です。
インフルエンザウイルスにはA〜Dの4つの型があり、毎年冬に世界中で流行するのはA型とB型です。なかでもA型はウイルスの型が毎年少しずつ変わるため、繰り返し感染することがあります。

インフルエンザには喉の痛みや咳、鼻水など風邪と同じような症状もありますが、インフルエンザのほうが高熱や全身の倦怠感、関節痛、頭痛などの症状が出やすいのが特徴です。

インフルエンザの感染力は非常に強く、日本では毎年約1千万人がインフルエンザに感染しています。これはおよそ10人に1人の割合です。

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インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、主に2つあります。くしゃみや咳によって空気中に飛び散ったウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付着した手で口・鼻・目に触れることで感染する「接触感染」です。

感染した人が1回くしゃみをすると、周囲に数十万個のウイルスが飛び散るといわれています。感染を防ぐには、こまめに手洗いをしたり、人混みを避けたりしてウイルスが身体に侵入しないよう心がける必要があります。

インフルエンザの重症化リスクがある人

インフルエンザは、子どもの急性脳症を発症したり、高齢者を中心に肺炎を併発したりするなど、まれに重症化してしまうことがあります。

とくに乳幼児や65歳以上の高齢者、妊婦、基礎疾患のある人、免疫力が低下している人は重症化リスクが高いとされており、注意が必要です。

参照:インフルエンザ(季節性)対策 | 首相官邸ホームページ

インフルエンザの予防接種は子どもにも必要?

上述したように、乳幼児はインフルエンザの重症化リスクが高く、感染の予防を心がけることが大切です。

インフルエンザの感染予防の手段には「予防接種」がありますが、これは生後6か月から受けられます。
大人も子どもも任意であり、必ず受けなければならないわけではありません。しかし、感染や重症化を防ぐためには重要な選択肢のひとつといえます。

現在国内で使用されているインフルエンザワクチンは、感染を完全に防げるわけではないものの、症状を軽くしたり、重症化や死亡を防いだりすることに一定の効果があるとされています。

2015年〜2016年に行われた「イワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究」では、6歳未満の子どものインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されており、子どもの感染予防にも一定の有効性が示されています。

予防接種について気になる点がある場合は、かかりつけ医に相談したうえで接種を検討することをおすすめします。

参照:イワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究 | 厚生労働科学研究成果データベース

子どもも受けられるインフルエンザの予防接種の種類と回数

子どもが受けられるインフルエンザの予防接種は2種類あります。従来の「ワクチンを注射するタイプ」と、日本国内では2024年から接種が可能になった「点鼻タイプ」です。ワクチンの種類や子どもの年齢によって接種回数は異なります。

注射タイプの予防接種は生後6か月から受けることができ、13歳未満の子どもは2〜4週間の間隔を空けて2回の接種が必要です。

点鼻タイプのワクチンの場合、接種は1回です。ただし、接種できる対象年齢は2〜18歳となっています。2歳未満の子どもは接種できないことを頭に入れておきましょう。

なお、インフルエンザは年によって流行する型が異なるため、毎年予防接種を受けることでより予防の効果が期待できます。

子どものインフルエンザの予防接種のタイミングは?

日本では、例年早くて11月ごろから翌年の4月ごろまでがインフルエンザの流行シーズンとなり、ピークは1月末から3月上旬ごろです。予防接種を受けてから免疫がつくまでに約2週間かかることを考えると、ピーク時の感染を防ぐためには12月の中旬までに予防接種を終えておくとよいでしょう。

注射による予防接種の場合、13歳未満の子どもは2回の接種が必要です。接種の間隔は4週間が標準とされているため、10月中に1回目の接種を済ませておくのが理想的です。

子どもがインフルエンザに感染したら学校や保育園はどうなる?

児童・生徒がインフルエンザに感染した場合は、学校保健安全法により出席停止となります。出席停止期間は「発症から5日を経過し、かつ解熱から2日経過するまで」です。

ただし、早めに解熱して症状が治まり、医師が感染のおそれがないと認める場合には、診断書を提出することで出席停止期間よりも早く登校・登園できる場合もあります。

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たとえば、9月1日にインフルエンザを発症したとすると、4日までに熱が下がれば出席停止期間は6日までとなり、7日から登校できます。発熱が続き6日に解熱した場合は、さらに8日まで出席停止となり、9日から登校できることになります。

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保育園も、感染症対策のガイドラインに従ってインフルエンザに感染した場合は出席停止となります。幼児の場合は「発症から5日を経過し、かつ解熱から3日経過するまで」が出席停止期間です。同じタイミングで発症・解熱しても、小学生以上と幼児では出席停止期間が異なる場合があるので注意しましょう。

インフルエンザで学級閉鎖になる基準は?

インフルエンザがまん延し欠席者が増えると、学校はクラス全体を休みとする場合があります。いわゆる「学級閉鎖」です。

じつは、学級閉鎖になる具体的な基準や休みの期間については法律で定められていません。判断は自治体や学校ごとに異なりますが、一般的には欠席率20%超で学級閉鎖となり、期間は2〜4日とするケースが多くなっています。

複数のクラスが学級閉鎖になると学年全体を休みにする学年閉鎖、学年閉鎖が複数起きると学校全体が休みとなり学校閉鎖が起きる……というように、感染が広がると学校全体に影響する場合もあります。一人ひとりが予防を徹底することが大切です。

インフルエンザを予防するためにできること

予防接種は、インフルエンザの感染を完全に防いでくれるわけではありません。そのため、予防接種の有無にかかわらず、以下の感染対策も徹底しましょう。

手洗いを徹底する

インフルエンザや新型コロナウイルスをはじめとした飛沫や接触が感染経路となる感染症は、手洗いによる予防が基本です。帰宅後や調理・食事の前に石けんで手を洗い、ウイルスを体内に入れないための習慣を身につけましょう。アルコールによる手指消毒も効果的です。

部屋の湿度を保つ

空気が乾燥していると、気道粘膜の防御機能が低下してインフルエンザに感染しやすくなります。室内の乾燥が気になるときは、加湿器の活用や濡れたタオルをかけておくなどして適切な湿度を保つとよいでしょう。

規則正しい生活を送る

十分な睡眠と栄養バランスのよい食事は身体の抵抗力を高め、感染予防につながります。日ごろから規則正しい生活を心がけましょう。

人混みへの外出を避ける

インフルエンザが流行している時期には、人混みや繁華街への外出はなるべく控えたほうがよいでしょう。人が多い場所へ出かける必要があるときには、マスクを着用して飛沫感染を防ぐことをおすすめします。

子どもがインフルエンザに感染したときは

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インフルエンザにかかると、急速に38度以上の発熱が生じる傾向にあります。

抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に服用し始めることで効果が期待できるため、インフルエンザが疑われるときは早めに医療機関を受診しましょう。

お世話をする際は、高熱による脱水症状に気をつけることがポイントです。食欲がなくても、水やお茶、経口補水液などを与えてこまめに水分補給を行うようにしてください。

インフルエンザに感染したら、家庭内で感染が広がらないよう対策することも重要です。感染した子どもは別の部屋で寝かせ、ほかの家族との接触を極力減らしましょう。
また、お世話をするママ・パパもマスクの着用や手洗いを徹底し、こまめに部屋を換気してくださいね。

こんなときは要注意!

以下のような症状が見られた場合は、重症化のサインかもしれません。すぐに医療機関を受診してください。

・けいれんがある、または呼びかけにこたえない
・呼吸が速く、苦しそう
・顔色が悪く、青白い
・嘔吐や下痢が続く
・高熱が3日以上続き、症状が悪化している

インフルエンザを予防して秋冬も元気に過ごそう

インフルエンザは感染力が高く、毎年秋冬になると流行する病気です。乳幼児は重症化のリスクもあるため、夏の終わりごろから予防を心がけましょう。

インフルエンザの予防接種は生後6か月以上の子どもも受けられます。1〜3月ごろの流行のピークに感染を防ぐためにも、毎年10〜11月ごろの接種がおすすめです。
また、インフルエンザにかからないためには、予防接種だけではなく、手洗いや規則正しい生活など、そのほかの感染対策もしっかり行うことが大切です。

家族みんなでインフルエンザの予防を徹底し、秋冬も元気に過ごしましょう!

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みちる

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