子どもに強く言いすぎてしまう。そんなときこそ自分に寄り添ってみて

教えて平山先生!のんびりちむぐくる時間_強く言いすぎる

こんにちは、精神科医の平山雄也です。

新しい一年が始まりましたが、みなさんはどのようなスタートを切っていますか?

僕は今年仕事でもプライベートでも割と大きな変化が待っているのですが、今のところは福岡に帰省したり、初詣に行ったりと、いつも通りのスタートとなりました。

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今年の初詣は波上宮に。2日に行きましたが大行列でした。

さて、今回はあんまーるでの2回目の記事ということで、子育てについて書きたいと思いますが、日々の診療やカウンセリングの中で子育てについてもよく相談を受けますが、「つい子どもに強く言いすぎてしまう」というのは多い相談のひとつです。

まずはこれを誰かに相談している時点でかなりすてきな親御さんだと思うのですが、「どうして感情を抑えられないんだろう」「あんなに怒らなくてもよかったのに、と時間が経つと思うんですが」そのような声もお聞きします。

僕も息子の勉強に関しては強く言ってしまうことがあり、そのときは同じように感じていました。

「自分に対してできないこと」は、人には(家族だとなおさら)できない

「もっと子どもをわかってあげなきゃ」「受け入れてあげなきゃ」 、頭ではそう思っているのに、どうしてもイライラして当たってしまう。でも精神科医として、そしてひとりの人間として実感していることがあります。

それは、

「自分に対してできないことは、人には(家族だとなおさら)できない」

ということです。

自分自身が「イライラしてしまう自分」や「つい強く言ってしまう自分」をわかって受け入れられてない状態で、子どもの「思い通りにいかないこと」をわかって受け入れるというのはとても難しい。

まずは自分がイラっとしていると思ったときに、「まぁ、人間だしね」と少しでも受け入れられると、お子さんに対しても「まぁ、子どもだしね」と思えるような心のスペースが生まれるんです。

あ、でもこんなのすぐにはできませんから、まずはお子さんに強く言ってしまったあとに、思えればできるだけそう思ってみる、という感じです。

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帰省した福岡から行った、大分にある九重夢大吊橋。ミニ雪だるまとともに。

なぜ、「自分を許す」のが怖いのか?

でも、このようにお伝えすると、多くの方が不安そうに仰います。

「自分を許してしまったら、もっと強く言ってしまうようになるんじゃないですか?」
「厳しく自分を律しないと、ダメな人間になってしまう」

そんな信念が、心のブレーキになっているんです。

そしてじつはこれ、親が「子どもを叱ってしまう理由」とまったく同じなんです。

・自分に対して:「許してしまったら(厳しくしないと)、ダメな人間になる」
・子どもに対して:「叱らないと(厳しくしないと)、ダメな大人になる」

そう、根っこは同じ。「厳しくしないと成長できない」「許すとダメになる」という同じ信念(恐れ)で、自分自身のことも、大切なお子さんのことも、叱ってしまっているんです。

さらに、もし親自身が子どものころに強く叱られて育ったなら、なおさらその思いは強いかもしれません。 「自分が一番嫌だったことを子どもにしてしまっている」という自己嫌悪と、「でも叱らないとこの子がダメになるのでは」という不安や怖さ、その板挟みになっているのですから、苦しくて当然なんです。

「大切」だからこそのループ

でもここで少しだけ、その「怖さ」の正体を見てあげてほしいんです。なんでそこまで苦しくなるほど、自分やお子さんを厳しく律しようとしてしまうのか?
それは、自分自身をそしてお子さんを大切に思っているからです。

大切だからこそ、「ちゃんとした大人になってほしい」「幸せになってほしい」と必死になって、つい強く叱ってしまう。 そして、大切だからこそ、叱ったあとに「あんな言い方しなくてよかったのに」「傷つけてしまったかもしれない」と、強い罪悪感に襲われる。

「大切だから叱ってしまう」
「大切だから自分を責めてしまう」

このループこそが、親御さんを一番苦しめている正体なのかもしれません。

強く叱ってしまうその衝動の裏側には、不器用かもしれないけれど、紛れもなく「子を想う温かい気持ち」があるんです。

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アニメ3期が始まりましたが、先行上映も見に行きましたー!

まずは「叱ってしまう自分」をハグしよう

だから、もしまた強く叱ってしまって落ち込んだときは、できれば自分自身にこう声をかけてあげてください。

「大切に想っているからこそ、心配になるんだよ」
「だからあんな風に強く言っちゃうんだよね」
「でも本当はもっと違う言い方をしたいし、それができなくて残念なんだよね」

叱ってしまう自分を責めるだけでなく、その背景にあるお子さんを大切に想う思いやそれゆえの不安をわかってあげて、寄り添ってあげること。 

親自身が、自分の「弱さ」や「未熟さ」をそのまま認めることができたとき、「自分は自分に厳しくしなくても大丈夫なのかも」と思えたとき。不思議なことに、「子どもも大丈夫なのかもしれない」と少しずつ思えるようになり、こんな風にしなきゃという力がふっと抜けていきます。

子育ては、親の心を癒し、成長させてくれる機会でもあると思います。
もちろん、完璧じゃなくていい。むしろ、完璧じゃない親の姿を見せることこそが、お子さんにとっての安心にもつながるかもしれません。まずは自分自身を、できる限りわかって認めてあげてみませんか?

平山 雄也

福岡県福岡市出身。現在は豊見城市に開院した心療内科・精神科「こころとからだつながるクリニック」の院長、「体感メソッド」という問題解消アプローチの監修者として活動しながら、オンラインでカウンセリング、経営者/管理職向けメンタルコーチング、心理職向けスーパービジョンなどを行っています。

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