産後は子どもを保育園などに預けて職場復帰するのが一般的です。
しかし、「仕事をしたいけど預け先がない」「なるべく子どもと離れずに仕事がしたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そんな方に知ってもらいたいのが「子連れ出勤」です。最近では、子育てと仕事の両立を支援するために「子連れ出勤」を許可する会社も増えてきました。
そこで今回は、子連れ出勤の主な形式や普及している背景、メリット・デメリットなどをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
子連れ出勤とは?
子連れ出勤とは、自分の子どもと一緒に職場に出勤して、子どものそばで仕事をする働き方のことです。子連れ出勤は保育園・幼稚園や学童、介護施設などで可能な場合が多くなっています。
最近では一般企業でも子連れ出勤の制度を設けることが増え、オフィスワーカーの間でも子連れ出勤が可能になってきました。
子連れ出勤の形式
子連れ出勤のルールや形式は職場によってさまざまです。緊急時に限定して一時的に子連れ出勤を認める場合もあれば、常に子連れ出勤を受け入れている場合もあります。
以下では、子連れ出勤の主な形式をご紹介します。
親が仕事をするそばで一緒に過ごす
仕事をしている親のすぐそばで子どもも一緒に過ごすスタイルです。周囲も仕事をしている状況なので、子どもはお絵描きやパズル、動画視聴など静かに座ってできる遊びをしたり、おやつを食べたりして過ごします。
職場内にキッズスペースが設けられている
子どもが過ごすためのスペースが設けられている職場もあります。用意されている広場やおもちゃで遊ぶことができ、デスクのすぐそばで過ごすよりも子どもの自由度は高くなります。
ただし、子どもたちの面倒を見たり安全をチェックしたりする人がいない場合は、親が注意しながら仕事をする必要があります。
職員の子どもが利用できる託児所・保育園がある
企業が同じ建物内や近隣に託児所を設置している場合は、仕事の間のみ託児所に子どもを預けて終業後に一緒に帰ることができます。ランチや休憩時間を一緒に過ごせる場合もあります。
また、企業が従業員の子ども用の保育園を運営していることもあります。
企業が運営する保育園には、0歳児〜2歳児を対象とした認可園の「事業所内保育所」と、0歳児〜5歳児まで受け入れ可能な認可外の「企業主導型保育所」の2種類があります。どちらも従業員の子どもだけでなく、地域の子どもも受け入れることがあります。
また、企業主導型の保育園の場合は、従業員の子どもの保育料が安く設定されていることもあります。
子連れ出勤が普及している背景
子連れ出勤が普及する背景には、以下のような子育てを取り巻く環境の変化が挙げられます。
共働きの増加・復帰の早期化
かつて、結婚すると女性は仕事を辞めて家事や子育てに専念し、子どもは3歳まで自宅で過ごすのが一般的でした。しかし、女性の社会進出が進んだ現代では、共働きの家庭が多数を占めるようになっています。
また、育児休業は子どもが1歳になるまでを原則としているため、仕事に復帰するタイミングも以前より早い傾向にあります。
こうした背景からママもパパも子どもが小さいうちから働くために、子連れ出勤のニーズは高まっているといえます。
核家族化・地域の変化
共働きが増えている一方で核家族化が進み、日常的に祖父母や親戚に手助けしてもらう機会が減ってしまいました。ご近所付き合いが減り、子どもをターゲットにした犯罪が増えていることから、気軽に地域の協力を得ることも難しくなっています。
こうしたなかで、子連れ出勤はママ・パパが周囲に協力を得られない場合の選択肢のひとつにもなっています。
待機児童問題
両親が共働きをするためには、保育園をはじめとした預け先の確保が課題です。
しかし、保育園の整備が追いついていない地域では、入園を希望しても空きがなく「待機児童」となってしまう子どもも少なくありません。
待機児童となった場合は、親に働く意思があったとしても、子どもの預け先がないために育児休業を延長せざるを得ません。場合によっては、退職を余儀なくされることもあります。
こうした背景から、預け先がなくても仕事を継続できる子連れ出勤は、待機児童問題への対処法にもなっています。
企業の人手不足
日本は少子高齢化が進み、人手不足が深刻化しています。企業にとっては、キャリアを積んできた従業員が子育てを理由に離職してしまうことは望ましくありません。そのため、企業も積極的に子育てとの両立を支援する方向に動き始めています。
子連れ出勤が可能であればママ・パパも早く復帰しやすくなるため、企業にとってもメリットがあるといえます。
子連れ出勤のメリット

子連れ出勤のメリットには、以下のような点が挙げられます。
預け先の心配がない
上述のとおり、保育園に入れずに待機児童となってしまうと仕事に復帰するのが難しくなってしまいます。しかし、子連れ出勤がOKな職場であればその心配はいりません。預け先がなくても仕事に復帰することができます。
送迎の負担がない
子連れ出勤の場合、勤務中も子どもが職場やその近辺にいるため、一般の保育施設に通うよりも送迎の負担が少なくて済みます。朝や仕事終わりの時間をほかのことに充てられるため、日々の家事・育児に忙しいママ・パパにとっては大きなメリットといえます。
緊急時にすぐ対応できる
子連れ出勤は仕事をしながらでも親子が離れずに済むので、子どもの体調不良や災害といった緊急時にもすぐに対応できます。その点では、子連れ出勤のほうが保育園に預ける場合よりも安心できるでしょう。
子連れ出勤のデメリット

子連れ出勤によるデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
仕事に集中できない・職場に気をつかう
子どもがすぐ近くにいるとお世話のために頻繁に手を止めることもあり、仕事に集中できない場合があります。
また、子連れ出勤がOKとされていても、子どもが大きな声を出したり暴れ回ったりしてほかの従業員に迷惑をかけてしまう可能性があります。子どもがいることで多方面に気を配る必要があるため、通常の勤務より疲れてしまうこともあるでしょう。
子連れ出勤をする際は、おもちゃや絵本を持参してなるべく子どもに手がかからないようにすることが大切です。また、従業員に感謝の気持ちを伝えるのはもちろん、子連れ出勤せざるを得ない理由を説明したり、勤務中のルールを明確にしたりと理解を得るための工夫をすることも大切です。
子連れでの通勤が大変
電車やバスなど公共交通機関を利用して通勤する場合は、朝や夕方のラッシュ時に子どもと一緒に移動しなくてはなりません。混雑するなかではベビーカーが使いづらいことも多く、抱っこするシーンや荷物が増えてママ・パパの負担が大きくなるかもしれません。
子連れ出勤をする際には、勤務時間をずらす、短時間に変更するなどの調整ができると安心です。
子どもが遊ぶ環境としては不十分な場合も
あくまで職場に子どもを連れてくる形になるため、通常の保育施設に預ける場合よりも子どもがのびのびと遊べない場合があります。とくに親のそばで子どもが長時間座って静かに過ごす必要がある場合は、本来活発に動き回って遊ぶべき子どもにとってはベストな環境とはいえません。
子連れ出勤でも子どもに充実した時間を過ごしてもらうためには、保育施設や遊ぶ環境が整った職場を選ぶとよいでしょう。
また、会社に改善点を提案してみるのも一案です。ほかの従業員も子連れ出勤がしやすくなるのであれば、会社も前向きに検討してくれるかもしれません。くわえて、マットやおもちゃなどを持ち込み、自分でできる範囲で工夫をすることも大切です。
子連れ出勤で働く選択肢を増やそう!
子連れ出勤は子どもの預け先がなくても仕事ができるため、子育てと仕事を両立する手段として広がりつつあります。企業が従業員の子どもを預けられる施設を用意していることもあるため、もし転職を検討しているなら、親子で無理なく過ごせる環境かどうかを軸に選ぶとさらに両立しやすくなるでしょう。
自らのキャリアを諦めないためにも、産後の働き方のひとつとして子連れ出勤も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
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