子どもの教育資金を計画的に貯めたいと考えている方に人気の「学資保険」。毎月決まった額を積み立てることで、無理なく子どもの教育資金を準備できる保険商品です。
学資保険にはメリットだけでなく、途中解約のリスクや返戻率の変動といったデメリットもあります。
そこで今回は、学資保険の基本やメリット・デメリットをご紹介します。また、学資保険を選ぶ際のポイントになる返戻率(へんれいりつ)についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
学資保険とは?

学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための貯蓄型の保険です。ママ・パパが保険料を一定期間支払い、子どもが進学するタイミング(小学校・中学校・高校・大学入学時など)に合わせて祝金や満期保険金が受け取れます。
学資保険には、貯蓄性を重視したものや医療保障が付いたタイプなど、さまざまな商品がありますが、その多くは契約者が死亡・高度障害となった場合に以後の保険料が免除される保障がついています。
学資保険は必要?早めに知っておきたい子育てにかかる費用
学資保険に加入する最大の理由は、子どもの教育資金を準備するためです。
子育てにかかる費用は、成長段階や教育方針、生活環境によって異なりますが、内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査報告書」によると、0歳から15歳までに約1,900万円かかるとされています。
子どもが小学生になると、ランドセルや学用品の準備にまとまった費用がかかります。さらに、中学生になると制服やスクールバッグなどの購入にくわえて、公立の場合3年間で約50万円の学校教育費が必要になります。進学のたびに大きな出費が続き、学校教育費も支払い続けなければならないため、貯金が難しい方は学資保険の活用を検討するとよいかもしれません。
参照:インターネットによる子育て費用に関する調査報告書|内閣府
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学資保険に加入するメリット
学資保険に加入するメリットは以下のとおりです。
貯金が苦手な方でも教育資金を準備できる
学資保険の最大のメリットは、貯金が苦手な方でも計画的に教育資金を準備できることです。毎月決まった額を支払うことで、子どもの進学時に必要な資金を確保できます。
また、加入する学資保険によっては支払った保険料より多くの金額を受け取れることもあり、預貯金より効率的に資産を増やせる可能性があります。
契約者に万が一のことがあった場合に教育資金を残せる
自分で貯金をする場合、ママ・パパに万が一のことがあったら貯金がストップし、十分な資金を確保できない可能性があります。
その点、学資保険は契約者に万が一のことがあっても、子どもの教育資金を確保することが可能です。多くの学資保険には、契約者が死亡・高度障害になった場合、それ以降の保険料の支払いが免除され、満期時には予定通りの保険金を受け取れる保障がついています。これにより、ママ・パパに万が一のことがあっても、子どもの進学費用を準備することができるのです。
受け取りのタイミングを設定できる
学資保険に加入した場合、小学校・中学校・高校・大学入学時など、子どもの進学時期に合わせて必要なタイミングで保険金を受け取ることが可能です。とくに大学入学時は、入学金や授業料などの大きな出費が発生するため、計画的に資金を準備できるのは大きなメリットといえます。
また、一括で受け取るタイプや分割で受け取るタイプなど、ライフプランに応じた選択ができる点も魅力です。
生命保険料控除の対象になる
学資保険は生命保険料控除の対象となるため、税制面でのメリットもあります。年間の支払保険料に応じて「一般生命保険料控除」または「介護医療保険料控除」の適用を受けることができ、所得税や住民税の負担を軽減できます。
控除額は契約内容や支払額によって異なりますが、一定額まで税金が軽減されるため、家計の節約にもつながるでしょう。
学資保険に加入するデメリット
学資保険に加入するデメリットは以下のとおりです。
途中解約をすると損をすることがある
学資保険は長期的な積立型の保険であるため、契約を途中で解約すると、これまで支払った保険料よりも受け取る金額が少なくなる可能性があります。とくに契約初期の段階では解約返戻金が低く設定されていることが多いため、「引っ越しでまとまった費用が必要になった」「収入が減少し生活費や住宅ローンの支払いが困難になった」などの理由で資金をほかの支払いに充てざるを得なくなり、早々に学資保険を解約すると損失が生じてしまいます。
学資保険に加入して後悔しないためには、事前にライフプランをしっかり考え、無理のない保険料設定をすることが大切です。
筆者の友人は新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少し、学資保険を途中で解約しました。その結果、これまで支払った金額よりも戻ってきた金額が少なく、後悔していました。
保険料の支払い負担が長期間続く
学資保険は通常、契約から数十年にわたって保険料を支払い続ける必要があります。子どもが小さいうちは保険料を払い続ける負担が少ないかもしれませんが、子どもが成長し家庭の状況が変わると、支払いが家計を圧迫することがあります。
長期間にわたる支払いが続くことで、ほかの資産運用や教育資金の準備に使えるお金が制限される可能性もあるでしょう。
返戻率が低い場合がある
学資保険のデメリットに、返戻率が低い場合があることもあげられます。
返戻率とは、支払った保険料に対して受け取る金額の割合のことです。一般的に、学資保険は長期間にわたる積立型であり、返戻率が低い商品もあります。返戻率が低い場合、最終的に得られる金額が少なく、「自分で貯金したほうがよかった」「ほかの資産運用のほうがよかった」と後悔することがあります。
学資保険の返戻率の確認方法

上述したように、返戻率は支払った保険料に対して受け取る金額の割合のことです。たとえば、支払った保険料が100万円で、満期時に受け取る金額が110万円の場合、返戻率は110%となります。返戻率の数字が高ければ高いほど、受け取れる資金を増やすことができます。
学資保険の返戻率の計算方法は以下のとおりです。
返戻率 = 受取総額 ÷ 払込保険料総額 × 100 |
仮に月額10,000円の保険料を20年間支払うとします。その場合の払込保険料総額は240万円になります。もし、満期時に受け取る金額が270万円なら、返戻率は112.5%となります。
学資保険の返戻率を高くする3つのポイント
学資保険の返戻率は固定ではありません。同じ商品でも加入のタイミングや払込期間、支払方法によって返戻率が変わります。
ここでは、学資保険の返戻率を高くする3つのポイントをご紹介します。
1.子どもが0歳のうちに加入する
学資保険の返戻率を高くするためには、子どもが0歳のうちに加入するのがおすすめです。なぜなら、学資保険は加入が早いほど毎月の保険料が安くなるからです。0歳のうちに加入することで、支払総額を抑えつつ満期時の受取額を増やせる可能性があります。
2.短期払いを選ぶ
学資保険の返戻率を高くするには、短期払いを選ぶのがポイントです。
多くの学資保険では、10年や15年など短期間で保険料を払い終える「短期払い」と、子どもが大学の入学前後まで支払う「長期払い」のいずれかを選べます。
通常、学資保険の保険料は、保険会社が運用して増やしたあと、満期時に保険金として支払われます。払込期間が短いと早い段階で保険料の全額を支払い終えるため、保険会社が保険料を運用する時間が増えます。その結果、運用による利益が出やすくなり、受け取れる満期保険金が相対的に多くなって返戻率も高くなるのです。
ただし、短期払いにすると月々の支払い額が高くなるため、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。
3.保険料をまとめて支払う
保険料の支払い方法には「月払」「年払い」「一括払い」などがありますが、一括払いや年払いを選ぶと長期の分割払いに比べて支払総額が少なくなり、返戻率が高くなります。
とくに一括払いは、保険会社が早く資金を運用できるため、より高い返戻率が期待できます。
子どもの教育資金を貯めるなら学資保険を検討してみよう
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備できる便利な保険です。契約者に万が一のことがあっても保険料の支払いが免除される保障や、生命保険料控除の適用など、さまざまなメリットがあります。しかし、途中解約による元本割れのリスクや長期間の支払い負担が発生する点には注意が必要です。
「子どもの教育資金を貯めたい」というママ・パパは、学資保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか?
あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。
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