子どもを保育園に預けたいと考えたとき、「認可外保育施設」と「認可保育施設」どちらがよいのか迷ってしまうママ・パパは多いでしょう。それぞれの違いを知って、各家庭に合う保育園を選びましょう。
今回は、認可外保育施設とはどのような場所なのかをはじめ、認可外保育園と認可保育園の違いや認可外保育園に通わせるメリット・デメリット、認可外保育園の保育無償化について解説しているので、ぜひご参考にしてみてください。
もくじ
そもそも「認可外保育施設」とは?
認可外保育施設とは、都道府県知事の認可を受けていない保育施設のことです。一般的に、「無認可保育園」「認可外保育園」と呼ばれています。
認可外保育施設と聞くと、「認可を受けていないから安心して子どもを預けられない」と思うママ・パパもいるかもしれません。しかし、認可外保育施設だからといって「子どもをちゃんと見てくれない」「危険」というわけではなく、施設の広さが国の定める基準に満たしていないことにより認可を受けられない保育施設もあるので、不安に感じる必要はないといえます。
また、認可外保育施設には「入園しやすい」「独自のカリキュラムが組まれている」などの魅力もあります。そのため、認可保育施設ではなく、あえて認可外保育施設を選ぶママ・パパも少なくありません。
認可外保育施設と認可保育施設の違いは?
認可外保育施設と認可保育施設の違いは、以下のとおりです。
認可外保育施設 | 認可保育施設 | |
設置基準 | 国の基準を満たしていないものの、自治体による指導監査が行われている | 国の基準を満たしている |
補助金制度 | 国からの補助金なし。自治体によっては補助金がある | 国や自治体からの補助金あり |
保育料 | 独自に保育料を設定している | 世帯年収によって決まる |
無償化の範囲 | 3〜5歳の子どもの保育料が月額3.7万円まで無償化0〜2歳の子どもがいる住民税非課税世帯の場合は、月額4.2万円まで無償化 | 3〜5歳の子どもの保育料が無償化0〜2歳の子どもがいる住民税非課税世帯も無償化の対象 |
運営方針 | 運営母体の保育方針に基づいて保育が行われる | 公立保育園は自治体によって定められた保育計画に基づいて保育が行われ、私立保育園は運営母体の保育方針に基づいて保育が行われる |
認可外保育施設は国からの補助金がないため、保育料が施設を運用していくための収入源となります。この理由により、保育料が高い場合があります。
一方で、認可保育施設は国や自治体からの補助金があるため、保育料が比較的低く設定されています。ただし、上述したように認可保育施設は世帯年収によって保育料が決まります。そのため、年収が高い家庭は認可外保育施設に子どもを通わせるよりも保育料が高くなるケースもあります。
認可外保育施設の保育料はいくら?
沖縄県の認可外保育施設の保育料は子どもの年齢や保育施設によって変わりますが、3万円前後であることが多いようです。県外に比べると低めに設定されているため、前述したように年収によっては認可保育施設よりも認可外保育施設に通わせるほうが保育料が安くなることもあります。
このほか、認可外保育施設の補助制度を取り入れている市区町村もあるので、そこの保育園に通わせることによって保育料を抑えられる場合もあります。たとえば、宜野湾市では認可保育施設に空きがないなどの理由により子どもを認可外保育施設に通わせているひとり親家庭を対象に、認可外利用料(上限3.3万円)、給食費(上限5,000円)を補助しています。
市区町村によって補助金の有無や条件が異なるので、詳しくは各市区町村のホームページをチェックするか、問い合わせてみてください!
認可外保育施設を選ぶメリット・デメリット
「都道府県知事の認可を受けている認可保育施設に子どもを通わせたほうがよい」と考えるママ・パパもいるかもしれません。しかし、認可外保育施設にもメリットはたくさんあります!
そこで以下では、認可外保育施設を選ぶメリット・デメリットをご紹介します。
認可外保育施設を選ぶメリット
認可外保育施設を選ぶメリットは以下のとおりです。
入園しやすい
認可外保育施設の最大のメリットは、入園しやすいことです。
認可保育施設の場合は、「保育の必要性」を自治体に認めてもらう必要があります。ママ・パパどちらも仕事をしていれば保育の必要性は認められますが、点数によって入園できるかどうかが変わります。
たとえば、フルタイムで働いている方と短時間のパートで働いている方がいた場合、前者のほうが点数が高くなります。世帯の状況を点数化し、より点数が高いほうが保育の必要性が高いと判断されるため、家庭によってはなかなか入園できないこともあるのです。
また、たとえ点数が高く入園できる状況でも、認可保育施設の場合は入園申込書に希望する施設を複数記入して自治体に提出するため、どの施設に入園できるかは入園可否の通知が届くまでわかりません。第1希望の施設に入園できない場合もあります。
その点、認可外保育施設は基準が厳しくありません。保育の必要性を問われないため、たとえば何らかの都合で働いていなかったり休職中だったりする場合でも気軽に入園の申し込みができます。
さらに、自治体を通さず施設に直接申し込みするため、空きがあればすぐに入園することが可能です。年度の途中でも入園させることができるので、翌年度まで待つ必要もありません!
居住地の制限がない
認可外保育施設には、居住地の制限がありません。
認可保育施設に入園したい場合は居住地の自治体に申し込みをするため、たとえば那覇市に住んでいる方は基本的に那覇市内の認可保育施設しか利用できません。通園途中で隣の市区町村に引っ越すことになった場合は、退園を求められることもあります。
一方で、認可外保育施設への入園には居住地の制限がないため、職場から近い場所や実家から近い場所など、利便性を考慮して選ぶことができます。通園途中で引っ越しになっても無理なく通わせられるのであれば、卒園までそのまま利用することが可能です。
休みの日や長時間の預かりも対応してもらえる
認可外保育施設の中には、休みの日や長時間の預かりに対応しているところもあります。
認可保育施設の場合は、基本的に平日しか預けることができません。そのため、仕事の状況によっては土曜日・日曜日・祝日に子どもを実家に預ける必要があります。また、預かり時間が18:00までと短いことが多いので、仕事が終わる時間が遅いとお迎え時間に間に合わないこともあるでしょう。
その点、認可外保育施設は土曜日・日曜日・祝日の預かりや、19:00以降の預かりにも対応している場合があります。「ママ・パパが共働きで、そのうえ実家に頼れない」という場合も、認可外保育施設なら安心して利用できるでしょう。
幼児教育に力を入れている保育施設もある
運営母体の保育方針に基づいて保育が行われる認可外保育施設には、幼児教育に力を入れているところもあります。たとえば、スポーツに特化した施設やお勉強に特化した施設などがあります。
子どもが小さいときから英語や美術などさまざまな分野の知識を学ばせることができるので、幼児教育に力を入れている保育施設があるのはメリットといえます。
認可外保育施設を選ぶデメリット
認可外保育施設を選ぶデメリットは以下のとおりです。
保育料が高い場合がある
認可外保育施設には公的補助がないため、保育料が高い場合があります。
ただし、沖縄県は他県に比べて認可外保育施設の保育料が安い傾向があるので、世帯年収が高い家庭の場合は認可外保育施設を利用したほうが費用を抑えられる可能性があります。
保育環境が合わない場合がある
認可外保育施設は、何らかの理由によって都道府県知事の認可を受けていません。そのため、保育環境が合わない場合があります。
たとえば、施設の広さで認可を受けられず庭園がない場合は、子どもを外で遊ばせることがあまりできないことも。とはいえ、お散歩をさせたり近くの公園で遊ばせたりしている保育園もあるので、保育環境は問い合わせて確認するとよいでしょう。入園前に気になる点を確認しておけば、「保育環境が合わない」と思うことも少なくなるはずです。
基準を満たさない認可外保育施設は「保育無償化」の対象外に!
2019年10月1日より開始した幼児教育・保育の無償化制度。届出済みの全施設が無償化の対象となっており、そこの保育施設に通う3〜5歳の子どもが対象です。
子どもが通っている、もしくはこれから通わせるのが「幼稚園・保育所・認定こども園」の場合は無料ですが、「認可外保育施設」の場合は月額3.7万円までが無料となります。
認可外保育施設の場合は無料の上限額が決められていますが、全額負担せずに済むため保育料を抑えることができるでしょう。
しかし、2024年10月以降は注意しなければなりません! なぜなら、「認可外保育施設指導監督基準」を満たさない認可外保育施設は、保育の無償化の対象外となるからです。無償化の対象外と気づかず認可外保育施設に子どもを通わせると、2024年10月以降は保育料を全額負担しなければならなくなるので、事前に対象になっているかどうかをチェックしておきましょう!
保育無償化の対象施設は、「沖縄県内の認可外保育施設に関する情報」にて確認できます。
参照:幼児教育・保育の無償化|内閣府
認可外保育施設について|沖縄県
認可外保育施設について知っておこう
「認可外」と聞くと不安になるママ・パパもいるかもしれません。しかし、認可外保育施設には「入園しやすい」「居住地の制限がない」「休みの日や長時間の預かりも対応してもらえる」「幼児教育に力を入れている保育施設もある」というメリットがあります! 認可保育施設よりも通いやすい場合もあるため、認可外だからといって敬遠せず、保育園を選ぶ際はぜひ認可外保育施設も視野に入れてみてください。
ただし、2024年10月から「認可外保育施設指導監督基準」を満たさない認可外保育施設は保育無償化の対象外になります。基準を満たしているかどうかは沖縄県の公式ホームページをチェックしてくださいね。
あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。
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