赤ちゃんがうつ伏せの状態でお腹を床につけたまま、手足の力で這って進む「ずりばい」。赤ちゃんを育てているママ・パパのなかには、「ずりばいはいつからし始めるの?」「ハイハイとは何が違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
今回は、赤ちゃんのずりばいにフォーカスし、始める時期やハイハイとの違い、しない原因と練習方法などをご紹介します。子育て中のママ・パパはぜひ参考にしてみてください。
もくじ
赤ちゃんのずりばいとは?いつからし始める?
ずりばいとは、赤ちゃんがうつ伏せの状態でお腹を床につけたまま、手足を使って身体を引きずるように這う動作のことです。
ずりばいは、赤ちゃんがうつ伏せで顔を持ち上げられるようになり、寝返りにも慣れたころにし始めるのが一般的です。赤ちゃんがうつ伏せの状態で手足をバタバタさせ始めた場合、それはずりばいをし始める兆候といわれています。
ずりばいをし始める時期には個人差がありますが、早い子は生後4〜5か月ごろから、ゆっくりな子は8か月を過ぎてからずりばいをし始めます。最初のうちはぐるぐると方向転換したり、後ろに下がったりといった動きになることがあります。
赤ちゃんによってはずりばいをせずにひとり歩きに移行する子もいます。ずりばいをしないからといって、必ずしも赤ちゃんの発達に問題があるわけではないので、赤ちゃんの成長に合わせて見守ってあげることが大切です。
ずりばいとハイハイの違いは?
ずりばいは厳密にはハイハイの一種ですが、一般的にハイハイと呼ばれている動作は「よつばい」のことを指します。そのため、この記事ではよつばいの動作を指して「ハイハイ」という言葉を使い、それぞれの違いを解説します。
ずりばいとハイハイの違いは「赤ちゃんの動作」にあります。ずりばいはお腹を床につけたまま動く一方で、ハイハイはお腹を浮かせた四つん這いの姿勢で手のひらと膝を使って移動する動作を指します。
ずりばいは、うつ伏せができればすぐにし始める可能性がありますが、ハイハイは腰のすわりが安定し、ひとりでお座りができるようになってからし始めるのが一般的です。
赤ちゃんがずりばいをしない原因は?

赤ちゃんがずりばいをしない原因には、以下のようなことが考えられます。
からだや筋肉の発達がまだ追いついていない
赤ちゃんがずりばいをするには、うつ伏せで頭を上げた状態をキープする必要があります。しかし、赤ちゃんの首がすわり、首や肩、背中周りの筋力が十分に備わっていなければ、赤ちゃんは自分の頭の重みを支えることができません。
それだけでなく、ずりばいをするには腹筋や背筋、手足の筋力もある程度必要になります。また、ずりばいもハイハイと同様、腰が座ってからのほうがスムーズにできます。
これらの点から、身体や筋肉の発達が追いついていないために赤ちゃんがずりばいをしないこともあります。この場合は、焦らずに赤ちゃんの成長を見守ってあげるとよいでしょう。
赤ちゃんにずりばいへの意欲がない
ずりばいは、赤ちゃんの好奇心や周囲への興味・関心がきっかけでし始めるといわれています。「動きたい」「周囲のものが気になる」「ママ・パパのもとへ行きたい」など、自分の意思で移動したいという気持ちがなければ、からだの発達が十分でもずりばいをしない可能性があります。
また、寝返りしたり抱っこしてもらったりと、ほかの移動手段で赤ちゃんが満足している場合もあります。
こうした状況ではなかなかずりばいに進展しないため、ママ・パパの声かけや音の出るおもちゃなどで赤ちゃんの五感を刺激してあげるとよいでしょう。赤ちゃんのずりばいへの意欲が高まるかもしれません。
ずりばいをする環境が整っていない
スペースが狭い、床が滑りやすいといった環境の問題が原因でずりばいをしない可能性もあります。その場合は、まず赤ちゃんが自由に動き回れる安全なスペースを確保してあげるとよいでしょう。また、フローリングの場合はフロアマットを敷いたり、畳の部屋で過ごす時間を増やしたりするのもおすすめです。
なお、赤ちゃんのスペースにはものを置かないようにして、安全対策を万全にしてくださいね。
ずりばいをしない原因として、服装が動きにくいという可能性も考えられます。厚着をしていたり、つま先まで覆うタイプのロンパースを着ていたりすると、赤ちゃんが動きにくさを感じる場合があるため、上下セパレートの服を着せるのも一案です。
赤ちゃんのずりばいを促す練習方法

赤ちゃんのずりばいを促すために、ママ・パパができることはたくさんあります。しかし、前述のとおり、ずりばいは必ずすべきものではないので、無理に練習をする必要はありません。赤ちゃんの機嫌がよいタイミングで、以下の練習方法を遊びの一環として取り入れてみてくださいね。
うつ伏せに慣れさせる
赤ちゃんは寝返りができるようになり、うつ伏せの姿勢に慣れてからずりばいをし始めます。そのため、赤ちゃんが自分からうつ伏せになることが少ない場合は、うつ伏せに慣れさせることから始めましょう。
ママ・パパが仰向けになり、赤ちゃんをうつ伏せにして胸の上にのせるなど、遊びながらうつ伏せの時間を増やすことで徐々に慣れてくるかもしれません。
ずりばい・ハイハイを見せる
実際にずりばいやハイハイの動きをして、赤ちゃんに見せるのもおすすめです。赤ちゃんは見たものを真似する傾向があるため、ママ・パパと同じ動きをしようとすることでずりばいにつながる場合があります。
また、ほかの赤ちゃんがずりばいやハイハイしているのを見るのも刺激になるため、子育て支援センターや子育てサークルなどでほかの赤ちゃんと遊ぶ機会を作るのもよいでしょう。
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赤ちゃんの前におもちゃを置く
うつ伏せの赤ちゃんから少し離れたところに、お気に入りのおもちゃやぬいぐるみを置いてみましょう。音の鳴るおもちゃを使うと効果的です。おもちゃの音を聞き、おもちゃのある方向を確認して手を伸ばすという一連の動作が、ずりばいの動きにつながります。
また、ママ・パパが「おいで」と声をかけるのもよいでしょう。ママ・パパのほうへ行きたいという意欲を高めることで、ずりばいができるようになるかもしれません。
足の裏で蹴る練習をする
赤ちゃんが前に進もうとしても後ろに下がってしまう場合には、足の裏で蹴る練習をさせるとよいでしょう。ママ・パパが足の裏を手で押し、赤ちゃんが手を蹴って押し返す流れを繰り返すことで、足の力で前に進む感覚をつかめるようになり、ずりばいを促しやすくなるでしょう。
赤ちゃんの発達が心配なときは?
前述のとおり、ずりばいは必ずしなけれなならないものではありません。基本的には赤ちゃんのペースを見守ってあげても問題ありませんが、気になる場合は地域の子育て支援センターなどで保健師や保育士に相談してみるとよいでしょう。小児科を受診した際や、乳児検診の場で医師に相談するのもおすすめです。
また、ごくまれに「聴覚や視覚が弱い」「股関節が脱臼している」など医療機関を受診したほうがよいケースもあります。気になる場合は、かかりつけ医に相談してください。
ずりばいは赤ちゃんのペースで見守ろう
ずりばいは、赤ちゃんが寝返りをして歩き始めるまでの間に覚える移動手段です。ずりばいをするかどうかは赤ちゃんによって異なり、始める時期にも個人差があるため、成長を見守ってあげましょう。
ずりばいを促したいときは、遊びのなかで楽しくうつ伏せやずりばいの動きを取り入れるとよいでしょう。発達が気になるときには子育て支援センターや小児科、乳児検診で相談してみてくださいね。
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