車内に置き去りは絶対にやめて!対策を知って子どもの車内事故を防ごう

子ども 車内 事故

子どもと車でお出かけする際、「すぐ戻るから」と子どもだけを残して車から離れていませんか?

じつは、子どもを車内に置き去りにすることは児童虐待のネグレクトにあたります。とくに夏の暑い時期には車内温度が上昇し、子どもの命に関わる重大な事故を招く危険性もあります。
子どもの安全を守るために、たとえ短時間でも子どもを車内に残して車を離れてはいけません!

今回は、子どもの車内事故の例や車内事故を防ぐための対策、子どもの車内放置を見かけたときにすべき行動をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

子どもの車内放置は児童虐待であり、犯罪です

子どもを車内に置き去りにすることは、児童虐待の「ネグレクト(育児放棄)」にあたります。時間や理由にかかわらず、「犯罪であり、絶対にしてはいけないこと」です。
実際に子どもを車内に放置した結果、熱中症により死亡した事件で「保護責任者遺棄致死罪」として保護者に実刑判決が下されたケースもあります。

パチンコや飲酒のために子どもを車内に置き去りにするような悪質なケースはもちろん、たとえ短時間であっても、車のエンジンをつけていても、児童虐待に該当する場合があると認識しておきましょう。

参照:厚木2児熱中症死、車内に放置した母親に懲役3年6か月の実刑判決|読売新聞

子どもを車内に残したことがあるのは半数以上!?

JAF(日本自動車連盟)が2022年に行った調査によると、「時間の長さに関わらず、少しの時間であっても子どもを車内に残したまま車を離れたことがありますか?」という質問に「ある」と回答した人の割合は、全体の54.9%という結果です。

理由としてもっとも多いのは「用事(買い物や兄弟の送迎など)を終えてすぐに(5分以内)車に戻ることができるため」、次いで「子どもが寝てしまい、起こさないため」、「子どもの希望(降りるのを嫌がるなど)」となっています。

参照:約55%が子どもを車内に残してクルマから離れたことがある!?ゴールデンウィーク、クルマでお出かけの際にはご注意を! | JAF

「すぐ戻るから」と子どもを車内に置き去りにしないで!

子どもが車を乗り降りするのには、何かと時間がかかってしまうものです。子どもが嫌がって車から降りてくれないときもありますし、ベルトの着け外しの手間もあります。また、子どもがぐっすり寝てしまっていると「わずかな時間のために起こすのは気が引ける」と思ってしまうこともあるでしょう。
そのため、短時間であれば「すぐ戻るから」と子どもを車内に残す選択をする方もいるかもしれません。

しかし、その短時間の間に重大な事故が発生し、大事なお子さんを命の危険に晒してしまう可能性もあります。ほんのわずかな時間でも、子どもを車内に残して車を離れることは絶対にやめましょう。

子どもの車内事故の例

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以下では、車内で発生する可能性のある子どもの事故・事件の例をご紹介します。

車内の温度が上がり熱中症になる

JAFが行ったテストでは、気温35度の炎天下でエアコンを停止すると、わずか15分で車内の熱中症指数が危険レベルに達するという結果になりました。

体温調節が未発達な乳幼児は、温度の高い車内に短時間いるだけでも死に至るほどの危険な状態になってしまうおそれがあります。さらに子どもはチャイルドシートが身体に密着している分、熱がこもりやすく大人よりも車内の熱中症リスクが高いといえます。

実際に、近年保育園の送迎バスに取り残された園児が死亡する事故や、保護者が保育園に送り届けたと思い込んで子どもが車内に置き去りにされた末、死亡する事故が相次いで発生しています。

とくに夏の暑い時期にはエアコンをつけていても温度が上がることがあるため、「短時間でも子どもを置き去りにしない」を徹底することが大切です。

参照:バスに置き去りか、3歳園児死亡 5時間車内に|日本経済新聞

車の誤操作でケガや事故に遭う

「エンジンをかけてエアコンをつけていれば、子どもを残して車を離れても大丈夫」と思うかもしれません。しかし、エンジンがかかっている状態では、子どもがボタンやレバーを操作して車が動き、思わぬケガや事故につながるおそれがあります。
なかには車のドアや窓に顔や手足を挟んで死亡や重傷となったケースもあるため、エンジンがかかっている車内にも危険が潜んでいるということを強く認識しておきましょう。

2024年には東京都内で運転していた母親が後部座席の窓を閉めた際、乗車していた2歳の女の子の首が挟まり死亡してしまうという痛ましい事故がありました。
この事故のように、たとえママ・パパが一緒に乗っているときでも子どもの重大事故は発生しています。子どもだけの車内では何が起きるか予測不可能であり、さらに危険です。

参照:車の窓に挟まれ2歳女児死亡、運転の母「後ろ見ず閉めた」…子どもの事故は後絶たず|読売新聞

子どもが車外に出てしまう

車内に残された子どもは、わずかな時間でも不安な気持ちになります。自分でチャイルドシートを外したり、車のドアを開けたりできるようになると、ママ・パパを探してひとりで車外に出てしまうこともあります。その結果、道路に飛び出して交通事故に遭ったり、連れ去りの被害に遭ったりする可能性があります。

車から出てしまう危険性もふまえて、子どもだけを車内に残すことは避けましょう。

子どもを乗せたまま車が盗まれるケースも

2023年、沖縄県内で5歳の男の子を乗せた車が盗まれるという事件が発生しました。
運転していた父親は別の子どもを保育園に送り届けるためにエンジンをかけたまま車を離れていて、そのわずかな時間に事件が起きています。幸い、車は付近で見つかり、子どもにけがはありませんでしたが、一歩間違えれば車ごと行方がわからなくなっていたかもしれません。

子どもを残して車を離れることは、わずかな時間でも予期せぬリスクの可能性があるのです。

参照:車内には園児が乗ったまま…スーパー駐車場から車盗まれ、金品も 園児は自力で出て助け求める 沖縄|琉球新報デジタル

子どもの車内事故を防ぐ対策

子どもの車内事故を防ぐために、以下の対策を徹底しましょう。

子どもを絶対に車内に置き去りにしない

子どもの車内事故を防ぐためには、何より「わずかな時間でも子どもを車内に残して車を離れない」ということを徹底することが重要です。
上記のような事故・事件の例をふまえて、子どもを車内に置き去りにすることは命にかかわる危険な行為であると認識し、絶対にやめましょう。

車のキーは常に携帯し、ロックしておく

子どもを車に乗せたとき、いたずらでママ・パパが乗る前に内側からドアのロックをかけてしまうのはよくあることです。このときに車のキーを車内に残したままでは、外からドアを開けられない「インロック」の状態になってしまいます。

インロック状態の車はスペアキーがあればすぐに開錠できますが、スペアキーがない場合はロードサービスや鍵の専門業者に開錠を依頼する必要があり、時間がかかることもあります。
子どもを残した状態でのインロックは、車内放置と同様に熱中症を引き起こす可能性もあり、大変危険です。インロックを防ぐためにも、車のキーは車内に残さず、常に携帯するようにしましょう。

また、万が一子どもを車内に残した状態でインロックしてしまい、すぐに開錠できない場合は消防「119」に連絡して救助を依頼しましょう。緊急を要する場合は、車のガラス窓を割って子どもを救助することもあります。

子どもとクラクションの練習をしておく

万が一車に置き去りになったり、閉じ込められたりした際には、子どもが自分で助けを求める必要があります。クラクションを鳴らすと大きな音で周囲にいる人に気づいてもらえる可能性があるので、対処法として子どもに伝えておくとよいでしょう。

小さな子どもにとっては、クラクションを鳴らすのも力が必要な作業になります。手では力が足りない場合、おしりで押すという方法もあります。日常生活のなかで実際にクラクションを鳴らす練習をしておくと安心です。

チャイルドシートやシートベルトは常に装着する

日本の法律では、6歳未満の子どもにチャイルドシートの使用が義務付けられています。
チャイルドシートは交通事故の際に子どもを衝撃から守り、死亡・重傷となる確率を大幅に下げるアイテムです。それだけではなく、子どもが車内を動き回ってケガをしたり、勝手にボタンやレバーを操作して事故を起こしたりするリスクも回避できます。

子どもが車内に取り残されてしまった際の二次被害を防ぐためにも、車内では常に子どもをシートに正しく座らせるようにしましょう。

なお、法律で義務付けられているのは6歳未満ですが、通常のシートベルトが正しく装着できる身長の目安は150cmです。そのため、身長が150cmに達するまではチャイルドシート・ジュニアシートの使用が推奨されています。

参照:子供を守るチャイルドシート|警察庁Webサイト

子どもの車内放置を見かけたら

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子どもが車内に置き去りにされているのを見かけたら、警察「110」や消防「119」、児童相談所の「189」へ連絡することが推奨されています。命に関わることなので、連絡をためらう必要はありません。こちらの名前や連絡先を伝えずに匿名で連絡することも可能です。

店舗や施設の駐車場で見かけた場合は、スタッフにも連絡しておくとよいでしょう。車の所有者の呼び出しなどに協力してもらうことで、より早く子どもを救助できるかもしれません。

車内放置を見て見ぬふりをするのではなく、気づいたときにすぐ行動することで子どもの命を守ることにつながります。

置き去りは絶対NG!車内事故を知って子どもの命を守ろう

子どもを車内に残して車を離れることは児童虐待にあたり、子どもの命に関わる大変危険な行為です。たとえわずかな時間でも、子どもの車内への置き去りは絶対にやめましょう。

また、子どもが車内で事故に遭わないためにはリスクを知って、対策を徹底することが大切です。今回ご紹介した内容を参考に、車内での安全な過ごし方について親子で話し合ってみてくださいね。

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みちる

沖縄に暮らす2児の母です。
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