出産後、親戚や知人から出産祝いをもらったら、「出産内祝い」としてお返しを贈るのがマナーです。
内祝いは、「祝ってくれてありがとう」という感謝の気持ちや、「これからもわたしたち家族を見守っていてください」という願いを込めて贈る意味合いがあります。
しかし、「内祝いっていつまでに贈るべき?」「どんなものを贈ればよいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、出産内祝いの相場やマナーを詳しくご紹介します。
内祝いとしてよく選ばれている定番アイテムについてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
出産内祝いはいつまでに贈る?
通常、出産内祝いは、お祝いの品をいただいてから1か月以内に贈るのがマナーです。
出産祝いをいただいたら、まず電話やメールで「お祝いが届きました、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えます。その後、日を空けずに内祝いの品を手配し始めれば、1か月以内に贈ることができるでしょう。
ただ、内祝いの時期がお盆やお彼岸だったり、相手の家が弔事の最中だったりする場合は、その時期は避けたほうが無難です。なぜなら、慶事と弔事が重なったときには、弔事のほうが優先されるのが日本では礼儀とされているからです。
また、11月末〜12月に入って出産したのであれば、年内に内祝いが届くように配慮しましょう。年が明けてしまうと、相手にとっては「去年のお返し」となってしまい、日にちが空いてしまったような印象を受けるかもしれません。
出産後何らかの事情があり、1か月以内に贈ることができない場合は、2か月以内には贈るようにしましょう。そして、内祝いの品には、内祝いが遅れてしまったお詫びの文を一筆添えるなどの配慮をするのがマナーです。
出産内祝いの相場はどれくらい?
出産内祝いの相場は、相手からいただいた品の半額程度といわれています。
ただ、両親など近しい間柄の親戚からもらったときや、高額な出産祝いをもらったときは、1/3程度の値段でかまわないともされています。
また、職場など、連名でお祝いをいただくケースもあり、この場合は個包装された焼き菓子やミニタオルなどのプチギフトを、職場の一人ひとりにお返しすると丁寧です。全員のギフトを合わせた総額が、相手からいただいたお祝いの半額程度になるようにすると失礼がないでしょう。
お祝いの値段の検討がつかないときは、相手のお祝いの値段をネットで検索するのも一案です。
しかし、中には「品性に欠ける行動みたいでためらってしまう」と抵抗がある人もいるでしょう。その場合は、相手が遠慮せず受け取れる1,000円〜3,000円程度を目安に用意しましょう。直筆のお礼の手紙を添えると相手に感謝の気持ちが届きます。
出産内祝いのマナーとは?
贈る時期のほかにも、内祝いのマナーはいくつかあります。
これからご紹介するマナーをチェックして、相手に失礼がないようにしましょう。
のし(熨斗)紙について
のし紙は、結婚や出産など、慶事のギフトに用いられる紙です。内祝いも慶事の贈りものなので、のし紙をかけて渡すのがマナーです。
のし紙にはいろいろな種類がありますが、出産は一般的に「何度あっても喜ばしいこと」ですから、何度も結び直せる蝶結びの水引がついているのし紙を選ぶとよいでしょう。
のし紙が用意できたら、水引の上に「内祝」と記載します。水引の下には、命名した赤ちゃんの名前を記載しましょう。名前には、ふりがなも記載したほうが親切です。
また、のし紙には「内のし」「外のし」という2つの包み方があります。
内のしは包装紙の内側、ギフト箱に直接のし紙をかける方法です。贈りものを配送するときは、のしが破れたり汚れたりしないように、内のしにするのがおすすめです。
外のしは包装紙の外側にのし紙をかける方法です。手渡しする時は外のしのほうが、渡す向きがわかりやすいでしょう。
内祝いは、どちらのかけ方をしても差し支えないので、シーンによって選びましょう。
内祝いを渡す日取りを配慮しよう
出産内祝いを渡す日にも注意が必要です。
渡す相手によっては、六曜を気にされる人もいるかもしれません。「大安」や「友引」などは慶事では吉日とされているので、可能であれば吉日を選びましょう。仏滅や赤口は慶事には向かないので、避けたほうが無難です。
また、内祝いを渡す日取りを決める際は、それぞれの地域の行事にも目を向けることが大切です。
たとえば、沖縄は旧暦文化のため、本土のお盆とは時期が異なります。旧暦の7月13日から3日間となっているため、この間は避けるようにしましょう。
沖縄ではほかにも独特の年間行事が多くあります。行事で忙しい時期や祖先を敬う生命祭の時期などをずらして内祝いを贈るようにしましょう。
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内祝いを手渡しするときのマナー
相手に直接会って内祝いを渡すなら、事前に都合のよい日時を伺っておく必要があります。基本的には相手の都合が優先されるので、こちらが合わせるスタンスで日程を決めましょう。
渡す時は、手提げ袋に入れて持って行くようにします。
ただし、紙袋に入れたまま内祝いを渡すのはマナー違反です。内祝いを袋から出して、のしが相手にとって正面になるように渡しましょう。
内祝いを配送する時のマナー
遠方に住んでいたり、相手が多忙でなかなか時間を取れなかったりするときは、配送で内祝いを送っても構いません。
出産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、「疲労感でいっぱいで人に会う体力がない」というママも多いでしょう。
「お返しを配送して失礼じゃないかな? 」と不安に思う人もいるかもしれませんが、内祝いを配送するのはマナーに反したことではないので安心してくださいね。
また、内祝いを配送するときには、相手にあらかじめ知らせておくのがマナーです。贈る前に「配送日をいつにしたらよいか」「何時ごろに在宅していることが多いか」など聞いておくと、相手がスムーズにギフトを受け取れるでしょう。
くわえて、ギフトに日持ちするものを選ぶ心配りも大事です。事前に到着日をお知らせしていたとしても、何らかの事情があって受け取るのが遅れたりするかもしれません。そのため、万が一に備えて生物などはなるべく避けたほうがよいでしょう。
避けたほうがよい内祝いアイテム
内祝いには、避けたほうがよいアイテムがあります。
まず、慶事において縁起が悪いものはやめましょう。
たとえば、包丁やはさみなど「切るもの」は「縁を切る」と連想され縁起が悪いとされています。ブラシなどのくしも、「苦」や「死」と音が一緒であるため、相応しくないとされます。
また、趣味でない雑貨は使い道に困ったり、体質に合わない食べ物は喜んでもらえなかったりします。そのため、相手の趣味趣向に合わないものを贈るのも避けましょう。
出産内祝いの定番アイテムをご紹介
「相手にどんなものを贈ればよいかわからない」「相手に失礼のないようにしたい」という場合は、これからご紹介する定番アイテムを検討してみてはいかがでしょうか?
1.食品類
内祝いの定番といえば、多くの人に喜ばれ、贈る相手を選ばない「食品」です。とくにお菓子やジュース、お茶、お米などは不得意な人が少ないため、内祝いギフトとして人気です。
いろいろなショップがギフトセットを展開しているほか、オンラインから配送できるショップも多いので、食品類は内祝いとしておすすめのアイテムといえます。
ただ、食品を贈る場合は「贈る量」に気をつけなければなりません。
子どもがいる家庭に贈るのであれば家族全員で分けられるような、個包装の焼き菓子詰め合わせなどがおすすめです。反対に、一人暮らしの方にとって量が多いものは賞味期限内に食べるのが難しいかもしれないため、詰め合わせなど量が多めのアイテムは避けたほうがよいでしょう。
相手の家族の人数や年齢層に配慮することで、より喜ばれる内祝いになるでしょう。
2.タオル
タオルは消耗品なので「いくつあっても困らない」と喜ばれますし、手触りのよい高級タオルは特別感もあるので喜ばれるアイテムのひとつです。相手の好みに左右されない、色使いがシンプルなタオルだと、なお喜ばれやすいでしょう。
ただ、タオルは内祝いのほか、お歳暮やお中元などでもよく選ばれるギフトなので、相手の家にたくさん保管されていそうなら避けることをおすすめします。
3.カタログギフト
カタログギフトは、食品や日用品などがひとつの冊子に掲載されていて、相手はその中から自分の好みのアイテムを選んで受け取れるというシステムです。さまざまな価格のカタログがあるため、相手の出産祝いの額にあわせて選びやすく、相手が欲しいものを自分で選んでもらえるというメリットもあるので、世代を問わず選ばれています。
定番のオーソドックスなカタログから、食品をメインに扱ったカタログなど、相手の趣味趣向に合わせたカタログを選べるのもうれしいポイントです。
4.名入れギフト
名入れギフトは、最近選ぶ人が増えてきている、赤ちゃんの名前が記された内祝いアイテムです。
焼き菓子などに直接名入れされたスイーツや、パッケージに名前が印字された食品などは、親戚や友人に贈ると喜ばれるでしょう。両親には、名入りの写真立てに赤ちゃんの写真を入れて贈るのもおすすめです。
生まれた赤ちゃんの名前が記された名入れギフトは、「これからの成長を見守ってください」というメッセージのこもった温かいギフトになるでしょう。
相手に喜ばれる出産内祝いを贈ろう
出産祝いをもらったら、お返しとして出産内祝いを贈りましょう。
しかし、ただギフトを贈ればよいというわけではありません。感謝の気持ちを届けるためには、相手に失礼のないように配慮する必要があります。
今回ご紹介したマナーや定番アイテムを踏まえて、ぜひ相手に喜ばれる出産内祝いを贈ってくださいね。
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