地震をはじめとする災害はいつ起きるのかわかりません。
東日本大震災や能登半島地震では最大震度7の地震が起こり、大勢の人が何日もの避難生活を余儀なくされました。沖縄でも大きな地震が起きる可能性はあるため、災害に備えておく必要があります。
そこで今回は、災害時に子連れで避難するタイミングや避難時のポイント・持ち物、子どもに教えておきたいことなどをご紹介します!
もくじ
災害時に子連れで避難するタイミングと避難先
災害が起きたときに「どのタイミングで避難したらよいのかわからない」「どこに避難すればよいのかわからない」となると非常に危険です。素早く行動できるように、子連れで避難するタイミングと避難先を把握しておきましょう!
子連れで避難するタイミング
沖縄は台風が多いので、自治体などの避難情報で「警戒レベル」という言葉を見聞きしたことがあるママ・パパも多いのではないでしょうか? しかし、「警戒レベル◯」といわれてもその意味まではわかりませんよね。
そこで、以下では警戒レベルの意味をご紹介します。
警戒レベル1 早期注意情報 | 最新の防災気象情報などに留意し、災害への心構えを高める |
警戒レベル2 大雨・洪水・高潮注意報 | ハザードマップなどで災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認する |
警戒レベル3 高齢者等避難 | 高齢者以外の方も普段の行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、自ら避難の判断をする |
警戒レベル4 避難指示 | 自治体からの避難指示の発令に留意し、自ら避難の判断をする |
警戒レベル5 緊急安全確保 | 命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保する |
子連れの場合は「警戒レベル3」のときに避難するのが望ましいとされています。子連れだと避難に時間がかかるため「警戒レベル4になってから避難しよう」と思っていると災害に巻き込まれてしまう恐れがあります。そのため、高齢者と一緒に避難しましょう。
災害時の避難先
「避難場所」と「避難所」の違いをご存じでしょうか?
避難場所とは、災害から命を守るために緊急的に避難する場所のことです。公園や広場、運動場、津波避難ビルなど、開けた空間が該当します。
避難所とは、災害の危険がなくなるまでの間、一時的に共同生活をする場所です。学校の体育館や公共施設などの建物が該当します。
たとえば、地震が起きた場合は「避難場所」に行く必要があります。なぜなら、避難場所は災害から命を守るための避難先で、広場のような空間になっているからです。地震が起きた際に避難所(建物の中)へ行った場合、建物が倒壊して命にかかわる恐れがあります。
いざというとき正しい避難先を選択できるよう、避難場所と避難所の違いを把握しておきましょう。
那覇市の避難場所・避難所の例は以下のとおりです。
指定緊急避難場所の一例
久茂地公園 | 久茂地公園 〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地2-16-10(MAP) |
小禄小学校 | 小禄小学校 〒901-0152 沖縄県那覇市小禄1150(MAP) |
新都心公園 | 新都心公園 〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち3-2(MAP) |
指定緊急避難場所は地震や津波などのあらゆる災害時において、一定の安全を確認できる避難場所です。那覇市では公園や学校の運動場などの91箇所の広場が指定されています。
指定避難所の一例
那覇高校 | 沖縄県立那覇高等学校 〒900-0014 沖縄県那覇市松尾1-21-44(MAP) |
泊小学校 | 那覇市立泊小学校 〒900-0012 沖縄県那覇市 泊2-23-9(MAP) |
松城中学校 | 那覇市立松城中学校 〒902-0071 沖縄県那覇市繁多川3-15-1(MAP) |
指定避難所は、避難者が一定期間滞在する場所です。小学校や中学校、高校、大学などの83箇所の建物が指定されています。
なお、各地域の避難場所と避難所については、それぞれの自治体のホームページをチェックしてみてください。
参照:災害時の避難場所|那覇市
災害時に子連れで避難するときの持ち物
いつ起こるかわからない災害に備えて、避難時の持ち物は事前に準備しておきましょう。最低限必要なものでもそれらをすべて持ち出そうとすると重くて移動が大変になるため、「常時携帯用避難バッグ」「第1次避難バッグ」「第2次避難バッグ」に分けて準備しておくとよいかもしれません!
常時携帯用避難バッグ
常時携帯用避難バッグには、緊急時に必要度が高いものを入れておきます。
・ホイッスル ・懐中電灯 ・ラジオ ・マスク ・水 ・非常食(簡単に食べられるもの) ・現金 ・小銭 ・衛生用品(ティッシュ・生理用品など) ・簡易トイレ ・常用中の薬 ・お薬手帳 ・ガーゼ ・子どもの年齢によって必要なもの一式(おむつ・ミルクなど) ・母子手帳 |
夏の時期は熱中症になる恐れがあるので、塩分補給用の飴やラムネなども入れておくとよいかもしれません。冬の時期は沖縄でも寒くなるので、カイロを入れておくのがおすすめです。
第1次避難バッグ
第1次避難バッグには、日常生活で最低限必要なものを入れましょう。
・貴重品類(通帳・印鑑など) ・スリッパ ・レジャーシート ・ブランケット ・タオル ・着替え ・ビニール袋 ・水 ・非常食 ・お菓子 ・使い捨てのスプーン ・お箸 ・常備薬 ・絵本 ・おもちゃ |
常時携帯用避難バッグに入らなかったものを、第1次避難バッグに入れるとよいでしょう。
一時的に避難することを考えて、生活に必要なものを入れるのがおすすめです。
第2次避難バッグ
第2次避難バッグは、一時帰宅ができる状態になってから持ち出すバッグです。そのため、備蓄の延長として必要なものを入れるとよいでしょう。
・タオル ・着替え ・水 ・非常食 ・お菓子 ・使い捨てのスプーン ・お箸 ・絵本 ・おもちゃ |
避難先での不慣れな生活に子どもがストレスを抱え、泣いてしまうことがあります。また、退屈でぐずってしまうこともあるでしょう。
子どもが少しでも落ち着いて過ごせるように、お菓子や絵本・おもちゃなどはいくつか用意しておくのがおすすめです。
災害時に子連れで避難するときのポイント
災害時に子連れで避難するときのポイントは以下のとおりです。
ベビーカーではなく抱っこ紐を使う
避難する際は、ベビーカーではなく抱っこ紐を活用しましょう。
災害により瓦礫やコンクリートが道に散乱していると、ベビーカーを持って移動しなければいけなくなります。また、災害時はエレベーターを使用できないため階段の上り下りが必要になることもあるでしょう。ベビーカーは荷物を載せるのにも便利ですが、上記のような場面ではかえって荷物になってしまうこともあります。そのため、基本的には抱っこ紐を使うのが無難です。
抱っこ紐ならママ・パパの両手が使えますし、身体を密着させることで子どもに安心感を与えることもできます。
風下を避ける
地震により火災が起きることもあります。近くで火災が起きている場合は、「風上」に向かって避難しましょう。風下だと、離れていても風で煙がきて被害に遭う恐れがあります。また、風が強い場合は火の粉が飛んでくることもあるかもしれません。
火災が起きたときは風の流れを読みつつ、安全な場所に避難してください。
子どもにSOSカードを持たせる
避難中に子どもとはぐれても合流できるように、「SOSカード」を持たせましょう。
SOSカードとは、はぐれた子どもを見つけた大人に知らせたい情報をまとめたカードのことです。記載する内容は以下のとおりです。
子どもの情報 | ・氏名 ・性別 ・生年月日 ・血液型 ・住所 ・アレルギーの有無 |
学校の情報 | ・学校名 ・学校の住所 ・学校の連絡先 |
家族の情報 | ・家族構成 ・氏名 ・家族の連絡先 |
保護者の職場の情報 | ・住所 ・連絡先 |
SOSカードがあれば、子どもと万が一はぐれてしまったとしても、子どもが近くの大人にカードを見せることで大人に連絡を取ってもらうことができます。
なお、カードは水に濡れても文字が見れるように、防水加工を施しておくのがおすすめです。
災害に備えて子どもに教えておきたいこと
災害に備えて、以下のことを子どもに教えておきましょう。
地震が起きたときに隠れる場所はテーブルの下にこだわらない
保育園や幼稚園、小学校などの避難訓練では「地震が起きたらテーブルの下に隠れる」と教わることが多いでしょう。しかし、テーブルの下でも周囲の物が倒れてきたり飛んできたりすると危険です。そのため、テーブルの下にこだわらず周囲に物がない場所に避難することを子どもに教えましょう。
安全を確認してから外に出る
災害が起きたときはパニックになり、急いで外に出ようとするかもしれません。しかし、瓦礫やガラスなどが散乱して家の中よりも外のほうが危険な場合もあります。慌てて外に出ると怪我をする恐れもあるため、まずは周囲の安全を確認することを子どもに教えましょう。
避難先や連絡手段を教える
子どもと離れているときに災害が起こる可能性はゼロではありません。スマートフォンを持っていても電波の影響により連絡がつかなくなることもあるので、事前に避難先を教えておきましょう。そうすれば、連絡が取れなくても合流できるはずです。
緊急用として小銭と連絡先を記載した紙を子どもに渡しておき、公衆電話の使い方を教えておくことも大切です。公衆電話からママ・パパに連絡してもらえれば、無事なのか、どこにいるのかを把握することができます。
避難について家族で話し合っておこう!
災害はいつ起こるかわかりません。避難する状況になったときに「どこに行けばよいのかわからない」「何を持って行けばよいのかわからない」と慌ててしまうと、避難が遅れてしまいます。
素早く安全に避難するためにも、何を持ってどう避難するか家族で話し合っておきましょう!
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