沖縄本島北部に位置する大宜味村は、村のほとんどを森林が占めている人口3,000人程度の小さな村です。そんな大宜味村での暮らしはどのようなものなのでしょうか?
今回は、大宜味村の気になる利便性や交通事情、子育てのしやすさなどをご紹介します。大宜味村への引っ越しや移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
もくじ
大宜味村ってどんなところ?
沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれるエリアにある大宜味村は、村土の約76%を深い山々に囲まれ美しい海にも面した村です。17の小さな集落からなっていて、高齢者が多いものの明るく元気な村であるのが特徴です。
そんな大宜味村は、「長寿の里」「シークヮーサーの里」「芭蕉布の里」「ぶながやの里」として知られています。
長寿の里
大宜味村の総人口は3,071人(令和4年6月現在)。男性は1,624人、女性は1,447人です。
人口の多くが90歳以上の高齢者となっていますが、都市部に住んでいる子どもや孫、近隣住民との交流が盛んなため、心身ともに健康的に暮らしている方が多いようです。長寿の島と呼ばれる沖縄県の中でも長寿が多く、平成5年には「長寿日本一」宣言をしています。
シークヮーサーの里
大宜味村の特産品はシークヮーサー。青切りシークヮーサーは酸味が強く、ジュースや調味料として高い人気を誇っています。冬になると熟して黄色くなり「クガニ」と呼ばれ、酸味と甘みのバランスがよくなることから果実をそのまま食べられるようになるのが特徴です。
なお、大宜味村の村の木にはシークヮーサーの木、村の花にはシークヮーサーの花が制定されています。
芭蕉布の里
大宜味村は伝統工芸品のひとつである「芭蕉布」の生産も盛んです。
芭蕉布とは、バナナの仲間である糸芭蕉から糸を作り、繊細な技術で紡いでいく反物のこと。糸芭蕉を育てる畑仕事にはじまり、繊維を取り出して糸を紡ぎ、染め、織るなど、複雑な工程の数々は熟練の職人にしか行えません。そんな芭蕉布の年間生産量は、喜如嘉で約100反にものぼります。
ぶながやの里
大宜味村の森や川には「ぶながや」が棲んでいるといわれています。ぶながやとは、体や髪の毛が赤くて子どものように小さい不思議な生き物のこと。ほかの地域で「キジムナー」と呼ばれる沖縄の精霊です。
大宜味村では1998年に村制施行90周年記念事業の一環として、「ぶながや」による村おこしを行いました。
参照:大宜味村
山に囲まれた大宜見村での買い物は?
大宜味村は自然あふれる地域であるため、買い物をする施設も限られています。主に「道の駅おおぎみ」と「道大宜味村農村活性化センター」の2箇所です。
道の駅おおぎみ
2020年2月にリニューアル移転した「道の駅おおぎみ」は、旧道の駅おおぎみから那覇向けに車で5分の場所にあります。大宜味村を含むやんばるエリアでとれる新鮮な農産物や魚介類、これらの食材を使った加工品、芭蕉布といった工芸品などを販売しています。
施設内には「レストラン やんばるシーサイド」や「パーラー くがに」があり、地元食材を使ったおいしい料理やスイーツが堪能できる村の憩いの場です。
さらには迫力満点の360度ドームシアターも完備!イメージキャラクターであるぶながやが、やんばるの動植物について解説してくれます。上映時間は約25分。大人 300円、小中学生・75歳以上の方 100円、未就学児 無料で楽しめます。
大宜味村への引っ越しや移住を考えているのなら、その前に親子でやんばるの自然について理解を深めておくのもよいかもしれません!
道大宜味村農村活性化センター
「道大宜味村農村活性化センター」は、旧道の駅おおぎみの建物を使用した農産物直売所です。特産物であるシークヮーサーのほか、赤土大根やたんかん、パイナップル、冬瓜など、大宜味村で採れる季節ごとの野菜や果物などを販売しています。
施設内には沖縄料理が堪能できる「ふるさと海山漁村食堂」や、大宜味の自然を眺めることができる喫茶店「カフェ、山原日和」があり、引っ越しや移住後のランチにもおすすめですよ。
「道の駅おおぎみ」と「道大宜味村農村活性化センター」はどちらも食材の購入に欠かせない施設となっています。そのため、大宜味村へ引っ越し・移住したときは、日常の買い物先として利用するとよいでしょう。
自然豊かな大宜味村は自家用車がないと不便?
令和3年7月にユネスコの世界遺産委員会によって「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録されたことで、大宜味村の豊かな自然が注目されています。
そんな大宜味村は、那覇市から北へ約87km、車で約2時間の場所にあります。
バスの場合、那覇市から名護バスターミナルまで「20番 系統名護西線」で約2時間、さらに名護バスターミナルから役場前(大兼久バス停)まで「67番 系統辺土名線」で約45分です。
大宜味村内を走るバスは本数が多い場所で1時間に1〜2本。少ない場所だと2〜3時間に1本となっています。通勤や通学には十分とはいえないため、自家用車必須の地域であるといえるでしょう。
大宜味村は子育てしやすい地域?
最後に、大宜味村の子育て環境について解説します。
まず保育園についてですが、令和2年現在は2つの保育所と1つの幼稚園が一体化した、幼保連携型認定子ども園「おおぎみこども園」のみとなっています。小規模校の特色を生かした学校づくりや体験交流事業などを進めているため、子どもたちはさまざまな経験ができるでしょう。
小学校は、大宜味・喜如嘉・塩屋・津波の4校から平成28年に「大宜味小学校」へ統合され1校に、中学校も「大宜味中学校」1校のみです。高等学校も「沖縄県立 辺土名高等学校」1校のみとなっていますが、保育園から高等学校まであり、子育て環境としては十分といえるかもしれません。
さらに大宜味村には那覇市のようにゲームセンターなどの施設はありませんが、豊かな自然の中でのびのびと遊べるという魅力があります。
塩屋湾
塩屋湾ではシーカヤックが楽しめます。波のない静かな内海で体験できるので、初めての方におすすめです。もちろん上級者コースもあるので、家族で楽しんでみるのもよいでしょう。
大保(たいほ)ダム
県内でも2番目の大きさを誇る大保ダムでは、カヌー体験や野鳥観察が楽しめます。初心者でも少しのレクチャーを受けるだけで参加できるので、家族で大宜味の自然を満喫してみては?
玉辻山(たまちぢやま)
玉辻山は大宜味村と東村の間にある標高289mの山です。福地ダムから山頂までは約1時間の道のりで、雄大な山々を歩きながら山岳トレッキングが楽しめます。
結の浜公園
2014年にオープンした公園内には、ジャンボトランポリンやボルダリング、滑り台など楽しい遊具がたくさん設置されています。公園からは海が見えるため、お弁当を持参してピクニックを楽しむのもおすすめ! バスケットコートもあるので、年齢の離れたお子さんがいるご家庭も楽しく過ごせますよ。
きゆな牧場
自然や動物と触れ合う農業体験ができるきゆな牧場。乳搾り体験やバター作り体験、パン作り体験などさまざまな体験が楽しめます。ぜひ家族で牧場での体験を楽しみましょう。
大宜味村は沖縄の自然が満喫できる
深い山々と美しい海といった豊かな自然に囲まれた大宜味村は、買い物や交通面でいうと多少不便を感じるかもしれません。しかし、自然の中でしか楽しめないさまざまな体験ができるため、「自然の中で子育てがしたい」「子どもには動植物に触れてのびのびと育って欲しい」と感じる方におすすめの地域だといえるでしょう。
移住や引っ越しを考えているのなら、まずは大宜味村の自然に触れてみることからはじめてみてはいかがでしょうか?
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