夏の子ども服におすすめの生地とは?洗濯のしやすさも考慮して5つご紹介

夏 子ども服 生地

もうすぐ9月になりますが、まだまだ夏は続きます。お子さんと公園や海に出かける際には、服を汚したり汗をかいたりすることもあるでしょう。
最近は全国的に30度を超える真夏日が続いていることもあり、熱中症になってしまうことも考えられます。

大人以上に暑さを感じる子どもたちが過酷な暑さを乗り切るためには、通気性がよく少しでも涼しさを感じられる生地を使った服装に身を包むことが大切です。くわえて保護者としては、洗濯のしやすさも重要なポイントになります。
また、子どもの肌は大人と比べてとても敏感。暑さでたくさんの汗をかき、あせもができやすい夏の時期は、刺激を与えにくい肌に優しい生地選びも重要です。

そこで今回は、機能性やおうちでもお手入れできるという観点から、暑い時期にこそ選びたい子ども服の生地をご紹介いたします。

もくじ

夏の子ども服におすすめの生地:さらっとした着心地が魅力の「コットン(綿)」

夏 子ども服 生地

赤ちゃんの肌着のほとんどに、コットン素材の生地が使われています。その理由は、コットンが通気性と吸水性に優れており、サラっとした着心地だからです。

コットンの原料は、植物「ワタ」の種子。その中でも厳しい基準をクリアした「有機栽培」によって生産されたコットンは、オーガニックコットンと呼ばれます。アレルギーや皮膚が弱い子には、化学処理をしていないオーガニックコットンがおすすめです。

コットン生地のメリット

コットン生地には、主に以下3つのメリットがあります。

暑い夏でも涼しく着られる

コットンは、吸湿性と通気性に優れています。汗をしっかり吸収し素早く発散してくれるため、蒸れにくくサラサラした着心地を保ってくれます。

肌触りが柔らかく心地よい

コットン100%の生地は、ふんわりと包み込んでくれる肌触りが魅力。これは、コットンの繊維の毛先が丸みを帯びており、チクチクした刺激が少ないからです。敏感肌の子でも安心して着られます。

静電気が起きにくい

コットンは、帯電しにくく静電気が起こりにくい生地です。そのため、髪の毛やホコリなどが付着しにくくなっています。

コットン生地の注意点

コットン生地には注意点もあります。

縮みやすくシワになりやすい

天然素材であるコットンには、シワになりやすいという弱点があります。洗濯によって水分を吸い膨張した繊維が、乾燥によって元に戻ろうとする際に縮んでしまい、シワになってしまうのです。
そのため、洗濯後はすぐに取り出し、縮んでしまった繊維を元の状態にするイメージで伸ばしてから干すとよいでしょう。

乾きにくい

コットンは吸収性にとても優れていますが、その分乾きにくくなっています。そのため、高温多湿の中で干すと雑菌が繁殖しやすく、生乾きのニオイの原因にもなります。
菌の増殖を防ぐためにも、洗濯機の中に長時間放置せず、早めに取り出しましょう。ほかの服と隙間をあけて干すと乾きやすくなります。

夏の子ども服におすすめの生地:ふんわり軽い肌触りが魅力の「ガーゼ」

夏 子ども服 生地

ガーゼは吸湿性や通気性に優れていることから、手術時に血液を吸収させる医療用具としてドイツから日本に伝わってきました。

ガーゼに使用される素材は、主に木綿(コットン)、絹、麻などの天然素材。これらを目の粗い平織りにし、漂白精製して柔らかく仕上げた生地です。
とても柔らかく肌への刺激が少ないため、ガーゼは赤ちゃんや子ども用の商品によく使用されています。

ガーゼ生地のメリット

ガーゼ生地のメリットは、以下の4つです。

とても柔らかな肌触り

ガーゼは、甘撚り(ゆるく撚ること)の綿糸を粗く平織りにした織物。洗濯を繰り返すことでさらに柔軟になり肌馴染みがよくなるため、より心地よい肌触りに変化していきます。

空気をまとったような軽さ

1枚の生地がとても薄く、まるで空気をまとったような軽さです。肌に触れたときの摩擦がほとんどないため、赤ちゃんの肌着などにも使われています。

オールシーズン使える

ガーゼは、季節を問わずオールシーズン活躍してくれる生地です。汗を素早く吸収するうえに通気性がよいことから、汗ばむ夏に着用すれば涼しく過ごすことができます。
また、インナーとして重ねると身体から発する熱を逃さずに温かく過ごすことができるため、寒い冬にもぴったりです。

乾きやすくお手入れが楽

ガーゼは目が粗いので通気性にも優れており、乾きが早いのが特徴です。万が一出先で汚れたとしても、気軽に洗濯でき素早く乾きます。

ガーゼ生地の注意点

ガーゼ生地にはメリットがある一方で注意点もあります。

引っ張る力に弱い

甘撚り(ゆるく撚ること)の糸を粗く平織りしているガーゼは、強い力で引っ張ると破けてしまいます。織り目が広がってしまうと元に戻すことが難しいため、ファスナーなどに引っ掛けてしまわないように気をつけましょう。また、洗濯する際はネットに入れて洗うと安心です。

縮みやすい

コットン同様、ガーゼ生地は天然素材のため、洗濯すると縮みやすい傾向があります。気になる場合は、購入前に洗濯後の収縮率を確認するとよいでしょう。

万が一縮んでしまった場合は、柔軟剤を溶かした水に30分ほどつけ置きし、その後軽く脱水して元通りになるよう引っ張って形を整えたら、平干しで乾かしてください。完全に元に戻すことは難しいですが、縮みを和らげることができます。

夏の子ども服におすすめの生地:包み込むような柔らかさが魅力の「パイル」

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パイルとは、片面または両面に丸いループ状(輪っか状)の糸が織り出してある生地のことをいいます。
パイル生地の代表的なアイテムとしては、タオルが有名です。ふんわりと柔らかく気持ちのいい肌触りで、吸水性が高いのが特徴です。

パイル生地のメリット

パイル生地には、主に以下の3つのメリットがあります。

優しく包み込む柔らかい肌触り

ループ状に織られた糸は、弾力性が高め。そのため、パイル生地はふわふわと優しく包み込むような柔らかさの肌触りが特徴です。

水分や汗をさっと吸い取ってくれる吸水力

ループ状に織られた糸で作られているので、平面的な生地に比べて表面積が広く、吸水性がとても高いこともメリットのひとつです。

保温性が高い

糸がループ状になっている分、空気を多く含むことができるので、保温性も高いのが特徴です。ループの長さによって保温性は変わってくるので、季節や用途に合わせて選ぶとよいでしょう。

パイル生地の注意点

パイル生地には以下の注意点もあります。

パイルが引っかかりやすい

糸がループ状になっているので、ガサガサしているものや爪などに引っかかりやすいという一面があります。もし引っかかった場合は糸がほつれてしまうので、そうなったらハサミで切りましょう。

新品は繊維が抜けやすい

パイル生地が使われている買ったばかりの服は、洗濯や着用中の摩擦によって短い繊維が抜けやすくなっています。そのため、色の濃い服の上に合わせると繊維がついてしまうことがあります。

パイル生地は着用前に、水通し(新品の衣類を使用する前に洗っておくこと)をするとよいでしょう。

夏の子ども服におすすめの生地:動き回る元気な子どもにぴったりな「ポリエステル」

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ポリエステルは、コットンやリネンなどの天然繊維に似せて開発された生地です。技術の進歩に伴って繊維が細くなり、現在では絹のような美しい光沢も再現可能となり、多種多様な衣類に使われています。

ポリエステルの原材料は、ペットボトルと同じポリエチレンテレフタレートという化学物質です。この物質を融解して長い繊維に紡いだものがポリエステルです。
化学繊維の中でも優れた性質を持つため、現在生産されている衣類の半数近くはポリエステル素材であるといわれています。

ポリエステル生地のメリット

ポリエステル生地のメリットは、主に以下の4つです。

耐久性に強い

繊維が丈夫で切れにくく、ほかに比べて洗濯に強いのが特徴です。洗濯を繰り返しても、縮んだり型崩れしたりすることがありません。

たくさん汗をかいてもすぐ乾く

ポリエステルは、吸湿性の低い素材で繊維の中に水分が入りにくい構造をしています。その分速乾性に優れているため、生地に汗や水が触れてもすぐに拡散され蒸発します。
汗によるベタつき感を抑え、爽やかな着心地を維持するので、多くのスポーツウェアに利用されています。

シワになりにくい

ポリエステルは元の形状を保つ性質のため、洗濯をしてもシワになりにくいのが特徴です。

保管やお手入れが簡単

ポリエステルの原料は石油です。虫が寄り付きにくいため保管がしやすく、防虫剤などによる変色の影響を受けにくいため、お手入れが簡単です。

ポリエステル生地の注意点

ポリエステル生地の注意点は、主に以下の2つです。

においや汚れが付きやすい

ポリエステルは、においや汚れが付着すると発散しにくい性質を持っています。そのため、においや皮脂が溜まるとにおいの原因になることもあります。

洗濯するときは、ほかの衣類から汚れが移らないように気をつけましょう。くわえて、洗浄力の強いアルカリ性洗剤を使うことをおすすめします。

静電気が起こしやすい

ポリエステルは強いマイナスの帯電繊維のため、プラスの帯電のある素材との間に静電気が起きやすいという特徴を持っています。着用回数が増えると、毛羽立ちや毛玉も目立ってくるでしょう。

静電気や毛羽立ちの予防として、柔軟剤を使用して表面を滑らかにすることをおすすめします。

夏の子ども服におすすめの生地:素材を活かした色合いや優しい風合いが魅力の「リネン」

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リネン生地は、ナチュラルな風合いと高い機能性を持ち合わせているため、衣類や雑貨などさまざまな物に使われています。サラリとした肌触りで、夏の素材のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

リネンは麻の一種。フラックスと呼ばれる、亜麻の茎を原料として作られた繊維からできています。繊維が詰まった茎が原料のため、耐久性が強いのが特徴です。

リネン生地のメリット

リネン生地には、以下の4つのメリットがあります。

優しく爽やかな着心地

リネンは、ほかの天然繊維に比べて吸水性・発散性に優れているため、汗をかいてもベタつかず、肌に密着せずに優しく爽やかな着心地です。速乾性も高いため、洗濯してもすぐ乾きます。

丈夫で長持ち

しっかりした繊維でできているリネンは、耐久性が強い生地です。濡れるとさらに強さが増すので、洗濯にも強く、丈夫で長持ちします。

汚れに強い

リネンの繊維はペクチンという成分に覆われていて、汚れが繊維ににじみにくく落ちやすい特性があります。また天然の抗菌性があるといわれており、繊維の毛羽もつきにくいことから衛生的で、衣類以外にもキッチンアイテムなど、幅広く利用されています。

通気性・保温性に優れていてオールシーズン快適に過ごせる

リネンの繊維は、中が空洞になって空気を溜め込む性質があります。汗ばむ季節には水分を逃しサラッとした肌触りで過ごすことができ、寒い季節には体温で温まった熱気が空洞に留まり、内側の温度を一定に保てます。

リネン生地の注意点

リネン生地には、以下の注意点もあります。

縮みやすい

リネンは水には強いですが、縮みやすい性質があります。繊維の密度によって5〜10%ほど縮むことも。とくに30℃以上のお湯で洗濯すると縮みやすい傾向があり、乾燥機の使用も縮みの原因になります。

洗濯をするときは、洗濯ネットに入れて洗いましょう。購入前に洗濯後の収縮率を確認することもおすすめします。

シワになりやすい

リネン生地の衣服は、もともと多少のシワ感があるのが特徴ですが、その分シワがつきやすいため畳んで置いていたり脱水しすぎたりすると、よりシワシワになってしまいます。

洗濯時の注意として、脱水時間はなるべく短めにし、パンパンとシワを伸ばして干しましょう。

生地にも注目して子どもの洋服を選ぼう

生地と一言でいってもその種類はさまざまです。なかでも、とくに子どもの夏の服装におすすめの生地は、「コットン」「ガーゼ」「パイル」「ポリエステル」「リネン」の5つです。

コットン生地シワなどが気にならない、直接肌に触れる肌着に選ぶのがおすすめ
ガーゼ生地インナーに、撥水加工が施されているガーゼは速乾性があるので軽く水遊びしたいときなどにおすすめ
パイル生地大量に汗をかくときだけでなく、パジャマやカーディガンなどのアウターにもおすすめ
ポリエステル生地汗をたくさんかいたり汚れたりしてもお手入れしやすいので、スポーツする際や外で遊ぶ際の服におすすめ
リネン生地通気性に優れているだけでなく、汚れてもゴシゴシ洗いに強いため、普段着の素材としてもおすすめ

今回ご紹介した生地の特徴を参考に洋服を選んでいただき、まだまだ続く暑い日々を快適にお過ごしください!

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イイタカ サエコ

沖縄県出身 19歳と16歳の母
パーソナルスタイリストとしてファッションの仕事に携わっています。
沖縄での子育ての経験を活かし、お役に立つ情報をお伝えしていきたいです。

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