夏に流行する子どもの病気とは?発症した場合の看病のポイントも解説

夏 子どもの病気

夏になるとニュースやSNSなどでよく見聞きする「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱(プール熱)」という言葉。これらは子どもを中心に感染する病気ですが、具体的にどのような病気なのかご存じないママ・パパもいるのではないでしょうか?

そこで今回は、子どもを中心に流行する夏の病気について詳しくご紹介します! また、子どもが発症した際の看病のポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

子どもを中心に流行する夏の病気

夏 子どもの病気

夏に流行する病気の原因は、主に「エンテロウイルス」と「アデノウイルス」と呼ばれるウイルスです。

ウイルスに対して「冬に活性化しやすい」というイメージを持っているママ・パパは多いのではないでしょうか? 実際に「夏よりも冬のほうが風邪をひきやすい」という方もいるでしょう。
しかし、エンテロウイルスとアデノウイルスは夏に活性化するウイルスで、子どもを中心に感染します。そのため、ママ・パパは夏の時期にも子どもの病気に気をつけることが大切です。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、エンテロウイルスが原因で発症します。主な症状や発症しやすい年齢、潜伏期間、感染経路は以下のとおりです。

症状・発熱
・喉の周辺に小さな口内炎
発症しやすい年齢1〜4歳
潜伏期間2~4日
感染経路・飛沫感染
・接触感染

ヘルパンギーナを発症すると喉の周辺に小さな口内炎ができるため、その痛みで子どもが食事や水分補給を嫌がる可能性があります。もしその兆候が見られたら、早めに病院を受診しましょう。

子どもが食べ物や飲み物をあまり受け付けないときは、ゼリーやプリン、アイスクリームなど、子どもが好きなものを与えるとよいでしょう! 好きなものであれば、喜んで口にしてくれるはずです。
ただし、ヨーグルトのように乳酸を含むもの、果物やトマトのように酸を含むものは口内炎の痛みを強めてしまうため、避けるのがおすすめです。

熱は2~3日、喉の症状は1週間程度でよくなりますが、症状が回復してもウイルスは2〜4週間体内に残ります。ウイルスは便に存在するので、おむつ替え後はしっかり手を洗って予防しましょう!

全身の症状がよくなったら登園が可能です。ただし、保育園によっては「医師のサインが入った登園許可書」もしくは「医師の診断を受けて保護者が記入した書類」の提出を求められることがあります。登園するにあたってどのような対応が必要かは、保育園に確認しておきましょう。

手足口病

手足口病もエンテロウイルスが原因で発症します。主な症状や発症しやすい年齢、潜伏期間、感染経路は以下のとおりです。

症状・発熱
・手のひら、足の裏、指先、ひざ、おしりなどに発疹
・口内炎
発症しやすい年齢1~5歳
潜伏期間2~5日
感染経路・飛沫感染
・接触感染
・経口感染

手足口病の症状は上述したヘルパンギーナの症状と似ていますが、明確な違いもあります。
手足口病では舌や頬の内側に口内炎ができるのに対して、ヘルパンギーナでは喉の周辺に口内炎ができます。また、手足口病の場合は手のひらや足の裏に発疹ができます。これらの症状の違いを知っておくと、手足口病なのかヘルパンギーナなのかを判断しやすくなるでしょう。

子どもが手足口病に感染した場合、ママ・パパも感染しないよう注意しなければなりません。おむつ替え後に手をしっかり消毒するのはもちろん、唾液感染を防ぐためにも子どもが口にしたおもちゃは直接手で触れず、手袋を着用して消毒しましょう。くわえて、子どもが使用したタオルを共有するのも避けるのが無難です。

手足口病に感染した場合、発熱は最初の1〜2日程度で収まり、発疹は1週間程度でよくなります。
熱が下がれば、発疹が出ている状態でも登園は可能です。登園許可書が必要かどうかは保育園や幼稚園によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は、アデノウイルスが原因で発症します。主な症状や発症しやすい年齢、潜伏期間、感染経路は以下のとおりです。

症状・発熱
・喉の痛み
・目の充血
・目やに
発症しやすい年齢3~6歳
潜伏期間5~7日
感染経路・飛沫感染・接触感染・経口感染

咽頭結膜熱は別名「プール熱」と呼ばれているため、プールの水を介して感染する病気だと思うママ・パパもいるでしょう。しかし、プールに入っていなくても、タオルを共有したり子どもの目やにに触れたりすることで感染する場合があります。
咽頭結膜熱は感染力が高いため、慎重な対処が必要です。タオルの共有を避け、手洗い・うがいを徹底して感染予防に努めましょう。

咽頭結膜熱に感染すると、高熱が4〜5日、喉の痛みや目の充血が1週間程度続きます。
これらの症状が治っても、咽頭結膜熱に感染した場合はすぐに登園(登校)できるわけではありません。咽頭結膜熱は「学校保健安全法施行規則第18条」により、インフルエンザと同じ第2種感染症に位置付けられています。主要症状が治ってから2日経過するまでは出席停止となるため、その点は留意が必要です。

登園(登校)する場合は、「医師のサインが入った登園許可書」を求められるケースがほとんどです。保育園や幼稚園、小学校によって方針が異なるため、事前に確認しておきましょう。

参照:子どもの夏の病気|松浦クリニック
   学校保健安全法施行規則|厚生労働省

ママ・パパが自宅できる看病のポイント

夏 子どもの病気

マスクを着用し、手洗い・うがいを徹底しても、集団生活を送っていると完全に防ぐことは難しいもの。万が一子どもが病気になった場合は、以下のポイントを意識して看病しましょう。

こまめに水分補給をさせる

ヘルパンギーナや手足口病、咽頭結膜熱を発症すると、喉の痛みから子どもが水分補給を嫌がる場合があります。水分が不足すると脱水症を引き起こしかねないため、ママ・パパが子どもに水分を摂るよう促しましょう。

子どもが食べやすいものを与える

子どもが病気を発症した場合、「栄養のあるものをたくさん食べさせないと」と思うママ・パパも多いはず。しかし、体調が悪いと食欲が低下しますし、好きなものでないと食べてくれないことも珍しくありません。
もしこのような状況であれば、無理に栄養のある食事を与える必要はありません。ゼリーやプリン、アイスクリーム、スープなど、子どもが食べやすいものを与えるのがおすすめです。

快適な温度環境を保つ

発熱した子どもは、寒がったり暑がったりするでしょう。
寒がっているときは、毛布を重ね掛けして温めるのがおすすめ。洋服を厚着させたり毛布を掛けすぎたりすると熱がこもって逆効果になる場合があるため、温めすぎには注意が必要です。暑がっているときは部屋の中を涼しくして、快適な温度を保ちましょう。

無理に熱を下げない

子どもが熱を出しているとき、「早く下げてあげたい」という気持ちから冷却シートを使用することもあるでしょう。
しかし、熱が出ているのはウイルスをやっつけようとしているサインです。無理に熱を下げると治りが遅くなってしまうため、子どもがきつそうにしていなければそのまま様子を見るようにしましょう。

参照:子供の夏風邪(プール熱・ヘルパンギーナ・手足口病)の症状・治療方法など|にこにこクリニック
   子どもの夏の病気|松浦クリニック

夏は子どもの熱中症にも要注意

夏は上述した感染症だけでなく、熱中症にも注意が必要です。

新型コロナウイルス感染症や上述した感染症を防ぐため、子どもにマスクを着用させているママ・パパは多いでしょう。しかし、マスクを着用すると皮膚からの熱を逃がしにくくなり、体内に熱がこもりやすくなります。これにより、体温調整がしづらくなり、子どもが熱中症を引き起こす恐れがあるのです。
そのため、気温が高い夏の時期は、熱中症を予防するためにも「人が少ない屋内や屋外ではマスクをしない」という選択を取るのも一案です。

ただし、マスクを着用していない場合でも、気温が高い夏は熱中症リスクが高まります。屋外にいる場合は直射日光を避け、喉が渇いていなくても水分補給をさせるなどの熱中症対策も必須です。

参照:「新しい生活様式」を|熱中症予防情報サイト

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子どもの熱中症対策をご紹介!症状を引き起こす3つの要因も解説

夏に発症しやすい病気を知って予防を心がけよう

子どもを中心に夏に発症しやすい病気には、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱」があります。これらの原因となるウイルスに効くワクチンや特効薬は今のところないので、感染者との接触を避け、手洗いやうがいで感染予防をするしかありません。

もし子どもが感染した場合は早めに病院を受診し、「こまめに水分補給をさせる」「子どもが食べやすいものを与える」「快適な温度環境を保つ」「無理に熱を下げない」などのポイントを意識して看病しましょう。
くわえて、看病する際は感染しないよう注意が必要です。ママ・パパが感染すると、子どもが治ったタイミングで再感染することもあるため、家庭内でも予防を心がけるようにしましょう。

 


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ぱるる

沖縄生まれ沖縄育ち。10歳と4歳の2児のママ。
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