出産育児一時金ってなに?受け取れる金額や必要書類・申請方法などを解説

出産育児一時金

出産予定日が近づいてくると「分娩費用が足りないかもしれない……」「出産育児一時金っていつごろ受け取れるんだろう……」と不安になるママ・パパもいるでしょう。子どもを産んで育てるにはかなりのお金がかかるため、国や地方自治体から少しでも補助金が出るとありがたいですよね。

そこで今回は、出産したら受け取れる「出産育児一時金」の概要について解説したうえで、受け取ることができる金額や申請方法、よくある質問をご紹介します。出産を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

パパ・ママ必見!出産育児一時金とは?

出産育児一時金とは、子どもが生まれたときに加入している健康保険組合から受け取ることができる一時金のことです。出産前後の費用負担が軽減されるよう、平成6年10月に創設されました。

出産育児一時金の創設の背景には、出産が基本的に健康保険の適用外であることが関係しています。
通常、病院を利用するような怪我や病気には健康保険が適用され、自己負担金が少なく済みます。しかし、出産は怪我にも病気にも該当しないため健康保険が適用されず、出産にかかる費用(入院費や分娩費、新生児管理保育料など)は全額自己負担になるのが一般的です。

厚生労働省の調査によると、令和3年度の出産費用(正常分娩時)の平均は公的病院で45.5万円、診療所で46.8万円、私的病院で50万円に上ることがわかっています。
ちなみに、同調査によると沖縄県内の公的病院での出産費用(正常分娩時)は平均36万円です。全国的に見ると安いほうではあるものの、これらすべての費用を夫婦で負担するのは大変だといえるでしょう。

こうした背景から、出産費用の負担を軽減するために創設されたのが出産育児一時金です。受け取るためには加入している健康保険組合へ申請が必要になるため、金銭的な負担を軽減するためにも忘れずに申請しましょう。

参照:出産育児一時金について|厚生労働省

出産育児一時金ではいくら受け取ることができる?

出産育児一時金

出産育児一時金では、全国どこに住んでいても原則として一律の金額が給付され、令和6年12月現在は50万円となっています。

ただし、出産育児一時金は全国の出産費用状況を踏まえて随時見直されており、年々支給額が上がってきています。
出産育児一時金が創設された平成6年10月は支給額が30万円でしたが、平成18年には35万円、平成21年10月には42万円へと引き上げられた歴史があります。そして令和5年4月には50万円になりました。

今後出産を予定されている方は、現時点では50万円を受け取ることができますが、今後支給額が変動する可能性もあります。

出産育児一時金の申請方法は3つ

出産育児一時金の申請方法には、「直接支払制度を利用する方法」と「受取代理制度を利用する方法」「産後に申請を行う方法」の3つがあります。それぞれで申請の流れや準備する書類が異なるため、あらかじめチェックしておきましょう。

直接支払制度を利用する方法

直接支払制度とは、加入している健康保険組合から直接医療機関へ出産育児一時金が支払われる方法です。医療機関へ直接、出産育児一時金が支払われるため、出産費用が50万円を超えていない場合は窓口負担せずに済みます。妊婦さん側が出産費用を用意する必要がなくなるため、一時的であっても出費があると家計に響くという方にはおすすめの方法といえるでしょう。

必要書類

・健康保険証(退職後の方は資格喪失証明書)
・支払業務委託契約書など

申請方法

直接支払制度を利用する際は、医療機関から支払業務委託契約書などの書類を受け取って署名し、健康保険証と一緒に提出するだけでOKです。
出産費用が50万円を超える場合は被保険者自身が差額を支払う必要があり、出産費用が50万円に満たない場合は差額を受け取ることができます。差額分を受け取る場合は、申請書に出産費用が記載された領収書の写しを添付して、加入している健康保険組合へ提出する必要があります。

受取代理制度を利用する方法

受取代理制度とは、被保険者が受け取る出産育児一時金を医療機関が代理で受け取る方法です。主に上述した直接支払制度の利用ができない小規模医療機関で利用されます。
なお、受取代理制度の利用には被保険者の同意が必要となり、被保険者から同意を得た小規模医療機関は被保険者が加入している健康保険組合から出産育児一時金を受け取って出産費用に充てることになります。

必要書類

・出産育児一時金等支給申請書

申請方法

受取代理制度を利用する場合は、出産予定日の1か月前に加入している健康保険組合へ出産育児一時金等支給申請書を提出するだけでOKです。
なお、出産費用が50万円を超える場合は直接支払制度と同じように被保険者が差額を支払う必要があり、出産費用が50万円に満たない場合も直接支払制度と同じように被保険者が差額を受け取ることができます。被保険者が差額分を受け取る場合は、申請書に出産費用が記載された領収書の写しを添付して、加入している健康保険組合へ提出する必要があります。

出産後に申請を行う方法

直接支払制度と受取代理制度のどちらも利用しない場合は、出産後に加入している健康保険組合へ申請を行うことになります。
出産後の申請になるため、出産費用は一時的に自己負担しなければなりません。そのため、出産費用としてまとまった資金を準備しておく必要があります。

必要書類

・加入している健康保険組合が指定する申請用紙
・医療機関との合意書
・出産費用が記載された領収書

申請方法

出産後に申請を行う場合は、上述した必要書類をすべて揃えて加入している健康保険組合や市町村役場へ提出するだけでOKです。

出産育児一時金に関する気になる疑問

出産育児一時金

出産育児一時金の申請や受取にあたり、気になることが出てくることもあるでしょう。
以下では、出産育児一時金に関する気になる疑問とその回答をまとめてみました。出産を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. 会社を退職したあとに出産した場合の申請先はどこ?

会社を退職したあとに出産した場合は、在職時に加入していた健康保険組合かパートナーが加入している健康保険組合へ申請を行います。もし自身で国民健康保険へ加入する場合は、健康保険組合へ申請を行いましょう。

Q2. ママ側とパパ側の両方の健康保険組合へ申請することはできる?

原則として、2つの健康保険組合から重複して出産育児一時金を受け取ることはできません。どちらか一方からの受給となります。

出産育児一時金の申請をして安心して出産に挑もう!

出産育児一時金は、申請を行えば医療機関へ直接支払われるため、給付金額である50万円よりも出産費用が安ければ持ち出し費用は不要となります。出産費用の準備が難しい方にとってかなり便利な制度だといえるでしょう。
ただし、今回ご紹介したように出産育児一時金の受け取り方には3つの方法があるため、通っている医療機関がどの方法に対応しているかあらかじめ確認しておく必要があります。

出産育児一時金の申請をして費用面での不安をなくし、安心して出産に挑みましょう。

◯ 関連記事
子育て世帯生活応援クーポンとは?対象要件・手続き・Q&Aをご紹介
育児休業給付金とは?気になる支給条件や金額、申請方法などをチェックしておこう
出産・子育て応援交付金って誰でももらえるの?対象者や申請方法をチェック!
申請しないともらえないお金があるって知ってた?意外と知らない制度や助成金(補助金)をご紹介
沖縄県で利用できる給付金は?主な種類とそれぞれの受給額・条件をご紹介

 


あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。

「こんな情報があるとうれしいな」「これについてもっと詳しく知りたい」という意見があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください! 皆さまの率直な声を心よりお待ちしております。

ご意見・ご感想はこちらから

あんまーる 編集部

沖縄の子育て世帯応援メディア「あんまーる」の編集部です。

「うちなーママ・パパのよりどころ。」をテーマに、お子さんと一緒に行けるカフェやレストランのほか、家族で楽しめるスポット、ファッションに関する豆知識、暮らしのお役立ち情報などをご紹介していきます!

おすすめ記事