夏の暑さがやわらぎ、過ごしやすくなる秋の季節。さまざまな食べ物が旬を迎えるほか、運動を楽しみやすい季節でもあるため、この季節には「◯◯の秋」という言葉がたくさんあります。
そこで今回は、代表的な「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」のそれぞれの由来をご紹介します。また、食欲の秋におすすめの旬の味覚、読書の秋におすすめの絵本、スポーツの秋に関連して運動の重要性についてもまとめているので、ぜひご覧ください。
食欲の秋の由来と旬の味覚
食欲の秋は、暦上は「立秋(2023年は8月8日)から立冬(2023年は11月8日)まで」、天文学的には「秋分(2023年は9月23日)から冬至(2023年は12月22日)まで」を指します。しかし、8月や9月はまだ暑さが残るため、一般的には10月〜11月頃が食欲の秋といわれています。
食欲の秋の由来
食欲の秋といわれる由来は諸説あり、代表的なものに以下の4つがあげられます。
夏バテが解消されて食欲が戻ってくるから
秋になり過ごしやすい気候になると、夏バテが解消され食欲が戻ってきます。本来の食欲が戻ってたくさん食べているように感じることから、「食欲の秋」と呼ばれるようになったと考えられています。
旬の味覚がたくさんあるから
「収穫の秋」「実りの秋」という言葉があるように、秋は農作物の収穫最盛期です。旬の味覚がたくさんあり、おいしさゆえに食欲が増すことから「食欲の秋」と呼ばれるようになったといわれています。
セロトニンの分泌量を増やそうとするから
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、精神の安定や自律神経のバランスなどに関与しており、食欲をコントロールする働きがあります。
日照時間によってセロトニンの分泌量は変わり、秋は日照時間が短くなるためセロトニンの分泌量が減ってしまいます。すると、身体がセロトニンの量を増やそうと栄養素を求めます。この結果、食欲が増すことから「食欲の秋」といわれるようになったのではないかといわれてます。
参照:第151号 へるす|一般財団法人 滋賀保健研究センター 健康管理部
冬に備えて脂肪を蓄えようとするから
冬眠する動物は、秋のうちにエサをたくさん食べて脂肪を蓄え、冬に備えます。
わたしたち人間は冬眠することはありませんが、冬眠する動物と同じように寒い冬に備える防衛機能があるといわれています。この防衛機能が働き、秋になると自然と食欲が旺盛になることから「食欲の秋」といわれるようになったと考えられています。
旬の味覚
秋は農作物の収穫最盛期なので、旬の味覚がたくさん出回ります!
果物 | りんご、ぶどう、柿、梨、みかん、栗、イチジク |
野菜 | かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、レンコン、大根、ごぼう、茄子、人参、玉ねぎ |
きのこ類 | しいたけ、しめじ、舞茸、松茸 |
魚介類 | サンマ、イワシ、サバ、アジ、マグロ、カツオ、秋鮭、牡蠣 |
旬の味覚は旨味が豊富に蓄えられているため、通常時よりもおいしいのが特徴です。食欲の秋について理解を深めてもらう意味でも、子どもと一緒に旬の味覚を味わいましょう! また、食べるだけでなく子どもと一緒にフルーツ狩りをしたり、農園で芋掘りをしたりして楽しむのもよいかもしれませんね。
読書の秋の由来とおすすめの絵本
秋は過ごしやすい気候で集中しやすいことから、「読書の秋」と表現されることがあります。
では、なぜ「読書」なのでしょうか? 以下にて、読書の秋の由来とおすすめの絵本をご紹介します。
読書の秋の由来
読書の秋の由来は、「古代中国の漢詩」といわれています。
唐王朝時代に活躍した韓愈(かんゆ)という詩人が、8世紀頃に自著「符読書城南詩」を出しました。そのなかの一節に「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒」という言葉が登場します。これは「秋になり長雨があがって空も晴れ、涼しさが丘陵にも来ている。ようやく夜の灯に親しんで、書物を広げられる」という意味です。その詩がきっかけで、秋は読書に適しているという考えが浸透したと考えられています。
上記の考えが日本に広まったきっかけは、夏目漱石が1908年に発表した「三四郎」という小説です。この小説のなかで上記の一節が引用されたことにより、日本でも秋は読書に最適というイメージが広まり「読書の秋」が定着したといわれています。
ちなみに、1947年から日本では「秋の読書週間」が始まりました。秋の読書週間は10月27日〜11月7日と、当初から日付は変わっていません。「普段本を読まない」というお子さんには、この期間に読書を勧めてみてはいかがでしょうか?
読書の秋におすすめの絵本
ここでは、読書の秋におすすめの絵本をご紹介します!
スイミー 小さなかしこいさかなのはなし
「スイミー 小さなかしこいさかなのはなし」は、変化や挑戦へ一歩を踏み出す勇気をもらえる絵本です。独創的なイラストで、言葉がわからないお子さんでも絵を見て楽しむことができます。
ペネロペ ルーヴルびじゅつかんにいく
「ペネロペ ルーヴルびじゅつかんにいく」は、NHKのアニメーションで人気のペネロペがパリのルーヴル美術館へ行くお話です。ルーヴル美術館の名品がたくさん登場するので、絵本を読んで芸術を学ぶことができます。
この絵本には仕掛けもあるので、小さいお子さんも楽しめるでしょう!
こころのふしぎ たんけんえほん
「こころのふしぎ たんけんえほん」は、自分の心との向き合い方を教えてくれる絵本です。友達に意地悪をされたとき「やめて」といってもよいこと、そして信頼できる人に相談することの大切さなどを学ぶことができます。
スポーツの秋の由来と身体を動かすことの重要性
秋は、夏の暑さがやわらぎ過ごしやすくなることからスポーツに適しています。ここでは「スポーツの秋」の由来と身体を動かすことの重要性をご紹介します!
スポーツの秋の由来
スポーツの秋の由来は、1964年に開催された東京オリンピックといわれています。
東京オリンピックの開会式は、「晴れる確率が高い」という理由から10月10日に行われました。それから1966年に10月10日は「体育の日」と制定され、「国民がスポーツに親しみ、心身の健康を培うこと」を目的として国民の休日になったのです。
実際にこの日は晴れることが多く、スポーツをするのに向いていることから各地で運動会やスポーツ大会が開催されるようになりました。この理由により、スポーツの秋として定着したのです。
ちなみに、祝日の一部を月曜日に移動するハッピーマンデー制度の導入により、2000年以降は10月の第2月曜日になりました。また、2020年に「体育の日」から「スポーツの日」に名称を変更しています。
なお、2023年のスポーツの日は10月9日(月)です。
身体を動かすことの重要性
身体を動かすことは、肥満や生活習慣病の予防、免疫機能の向上につながります。また、運動機能が低下すると要介護状態になるリスクが高くなるといわれているため、健康のためにも身体を動かすことが大切です。
新型コロナウイルス感染症の影響により外で遊ぶ機会が減ったため、子どもたちの体力は落ちているといわれています。スポーツの秋を機に、子どもと一緒に身体を動かしてみてはいかがでしょうか?
ただし、コロナや熱中症にはまだ気をつけなければいけないため、運動をする際は人混みを避け、無理のない範囲で身体を動かしてくださいね。
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