沖縄の伝統芸能「エイサー」! 太鼓を持って踊る演舞だとわかっているものの、その起源や意味合いまでは詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、うちなーんちゅとして知っておきたいエイサーの歴史や関連用語についてご紹介します。県外から移住してきた方や旅行で訪れている方も、沖縄の歴史を知りエイサーイベントをもっと楽しむためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。
アイキャッチ画像 出典:一万人のエイサー(横):No.0611|ばんない堂
もくじ
沖縄の伝統芸能「エイサー」とは?
エイサーとは、旧盆に先祖を供養するための念仏踊りです。その起源は諸説ありますが、一説によると浄土宗の仏僧による念仏歌が始まりだとされています。
「エイサー」という名前については、琉球時代に歌われていた「おもろさうし」に出てくる「ゑさおもろ」と、演舞中の囃子詩である「エイサーエイサーヒヤルガエイサー」からだといわれています。
先祖崇拝の強い沖縄では、旧盆の7月13日〜15日の3日間はあちこちの地域で先祖供養のためのエイサーが披露されます。旧盆エイサーは演舞をしながら地域を練り歩くことから「道じゅねー」と呼ばれ、旧盆期間中は夜中まで太鼓の音や青年会の人々の声が響き渡る地域もあるようです。道じゅねーで先祖の出迎えと見送りをして、地域の人々の家内安全や無病息災を願います。
エイサーは旧盆だけでなく、沖縄の結婚式にもよく取り入れられています。披露宴の終盤の余興として青年会を招いてエイサーを披露してもらい、そのままの流れで地方の歌三線をBGMに会場全員でカチャーシーを踊るのが一般的です。
県外から参加するゲストは驚くかもしれませんが、沖縄ならではの演出に老若男女を問わず盛り上がります!
また、「エイサーはどこの地域(青年会)も同じ」というイメージがあるかもしれませんが、じつは地域によってかなり異なります。大太鼓や締太鼓を中心としたチームもあれば、パーランクーを中心としたチームや太鼓を使わず踊りだけのチームもあります。また、近年は創作エイサーのチームも増えていて、一言で「エイサー」といっても多種多様な演舞が見られるようになっています。
最近では、エイサーの披露をメインとしたお祭りや大会も各地で開催されるようになり、年中エイサーが見られるようになりました。
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知っておきたい!エイサーの関連用語

エイサーにはさまざまな用語が使われます。子どもに聞かれたとき「それってなんだっけ?」と困らないためにも、ぜひエイサーに関する用語を把握しておきましょう。
地方・地譜
唄と三線を担当している人のことです。地方・地譜による生演奏・生歌にあわせてエイサーを演舞するのが一般的です。
チョンダラー
顔を白く塗っている人がチョンダラーです。全体を見て隊列を整えたり、踊り手に水を飲ませたりと、踊り手のサポートをしつつ全体を管理する役割を担っています。
地域によってはチョンダラーが地方・地譜へ合図を出したり、リズムを調えることもあるそうです。このほか、チョンダラーは観客の近くまで行って観客を楽しませることもします。
手踊り
太鼓の後ろに続く女性陣のことです。多くの青年会では男性が太鼓、女性が手踊りと分かれていますが、地域によっては男女ともに手踊りをするところもあるようです。男性の手踊りを「イキガモーイ(男手踊り)」、女性の手踊りを「イナグモーイ(女手踊り)」といいます。
なお、手踊りの服装はたすき掛けをした着物と島ぞうりが一般的です。何も持たずに手踊りをする曲もあれば、四つ竹や手拭いを使って踊る曲もあります。
旗頭
各青年会の団体名を記載した大きな旗を持ち、上下に振りながら踊る人のことです。旗は3〜4mほどありかなり重量があるため、数名の旗頭が交互に持って踊ります。
旧盆の期間はあちこちで道じゅねーが行われますが、途中でほかの青年会と鉢合わせになると、それぞれの青年会がヒートアップする「エイサーオーラセー(ガーエー)」が始まることがあります。その中でもとくに力を入れるのが旗頭なのだそうです。
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2025年 エイサーイベント一覧

沖縄県内では、エイサーをメインとしたイベントも開催されています。2025年に開催が予定されているエイサーイベントは以下のとおりです。
【沖縄市】エイサーナイト2025
6月〜7月にかけて各団体によるエイサー演舞が披露されるのが「エイサーナイト2025」!
「エイサーのまち」を宣言している沖縄市の青年会が日替わりで演舞を行います! 大迫力のエイサーをぜひ家族で見に行きませんか?
イベント名 | エイサーナイト2025 |
場所 | ⚫️6月15日(日)19:00〜 沖縄サントリーアリーナ 〒904-0034 沖縄県沖縄市山内1丁目16-1(MAP) ⚫️7月6日(日)19:00〜 東南植物楽園 〒904-2143 沖縄県沖縄市知花2146(MAP) ⚫️8月10日(日)19:00〜 沖縄県総合運動公園 陸上競技場前広場 〒904-2173 沖縄県沖縄市比屋根5丁目3-1(MAP) |
日時 | 【日程】2024年6月15日(日)、7月6日(日)、8月10日(日) 【時間】19:00〜 |
料金 | 6月23日(土)19:00〜 東南植物楽園のみ入園料が必要 ● 夜の部(17:00〜22:00) 【大人(18歳以上)】1,650円 【中人(13〜17歳)】1,200円 【小人(4〜12歳)】700円 【3歳以下】無料 |
駐車場 | あり |
【沖縄市】第70回記念 沖縄全島エイサーまつり
毎年、旧盆が明けた最初の週末に行われるエイサーのビッグイベント「第70回記念 沖縄全島エイサーまつり」!
「沖縄のエイサーイベントといえば全島エイサーまつり」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
沖縄県内各地から選抜された青年会や団体、県外の姉妹都市や協賛団体からのゲストが集まり、エイサーを堪能できるイベントです。ビアフェストも同時開催されるので、家族で楽しい一時を過ごせますよ! ただし、小さなお子さんを連れているママ・パパは飲み過ぎにご注意ください!
イベント名 | 沖縄全島エイサーまつり |
場所 | ⚫︎2025年9月12日(金) 胡屋十字路周辺 〒904-0031 沖縄県沖縄市胡屋(MAP) ⚫︎2025年9月13日(土)・14日(日) コザ運動公園陸上競技場 〒904-0032 沖縄県沖縄市諸見里2丁目1-1 コザ運動公園内(MAP) |
日時 | 【日程】2025年9月12日(金)〜14日(金) 【時間】9月12日(金):18:30〜21:00 ※道じゅね〜のみ 9月13日(土):15:00〜21:00 9月14日(日):14:30〜21:00 |
料金 | ⚫︎前売り 【SS席(全席指定)】4,000円 【S席(全席指定)】3,300円 【A席(全席指定)】2,000円 【B席(スタンド両翼席・全席自由)】なし ⚫︎当日 【SS席(全席指定)】4,500円 【S席(全席指定)】3,800円 【A席(全席指定)】2,500円 【B席(スタンド両翼席・全席自由)】1,500円 ※小学生以上有料 |
駐車場 | あり ※詳細未定 |
【那覇市】1万人のエイサー踊り隊
毎年8月の第1月曜日に那覇の国際通りで開催されるのが「1万人のエイサー踊り隊」! さまざまな青年会・団体による演舞が間近で見られる大迫力のエイサーイベントとなっており、毎年県内外から多くの観客が訪れます。2025年は開催の公式アナウンスがまだされていませんが、2024年は10月20日(日)に開催されました。
各団体の演舞は国際通り内に設けられたいくつかのイベントスペースで行われます。事前にタイムスケジュールも公開されるので、お気に入りの団体の演舞を見逃さないようにチェックしておきましょう。
イベント名 | 1万人のエイサー踊り隊 |
場所 | 国際通り 〒沖縄県那覇市(MAP) |
日時 | 毎年8月開催(2024年は10月開催) |
料金 | 観覧無料 |
駐車場 | なし ※近隣のコインパーキングをご利用ください |
沖縄の伝統芸能 エイサーを見て夏を楽しもう!
沖縄の伝統芸能であるエイサーは夏の風物詩ともいえる存在なので、エイサーの音色を聞くと「夏がきたな」と感じるうちなーんちゅはきっと多いでしょう。
エイサーの歴史や関連用語について知っておけば、より深くエイサーを楽しめます。今年の夏も家族でエイサーを見て、楽しい思い出を作ってくださいね!
あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。
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