沖縄で行われている子ども関連の伝統行事といえば、「タンカーユーエー」を思い浮かべるママ・パパは多いでしょう。じつは、このほかにも子どもにまつわる伝統行事はたくさんあります!
そこで今回は、沖縄で行われている子ども関連の伝統行事をご紹介します。伝統行事を通して、子どもの成長と健康を祈りましょう!
沖縄で行われている子ども関連の伝統行事
沖縄にはさまざまな伝統行事があり、なかには子どもが誕生してから行われる行事もあります。子ども関連の伝統行事を知って、ぜひ実施してみましょう!
子どもの行事 | お祝いする日 |
カーウリー(川下り) | 出産日 |
ウバギー(産飯) | 出産日 |
ナージキ(名付け) | 出産翌日〜7日目の間 |
ジールシンチ(地炉退き) | 出産日から数えて6日目から7日目までの間 |
マンサン(満産) | 出産日から数えて7日目の夜 |
ボージナディ(坊主撫で) | 生後1か月ごろ |
ハチアッチー(初歩き) | 生後1か月ごろ |
ククヌカン(離乳食開始) | 生後9か月と9日目 |
タンカーユーエー(1歳の誕生日祝い) | 1歳の誕生日 |
十三祝い(トゥシビー) | 数え年13歳 |
カーウリー(川下り):出産日
カーウリーは、赤ちゃんを出産した日に行われる伝統行事です。火の神様(ヒヌカン)と位牌(トートーメー)に、出産の報告と赤ちゃんの加護を祈願します。
現在は病院での出産が多いのでほとんど行われていませんが、昔は産まれたばかりの赤ちゃんを「ウブガー(産川)」や「ムラガー(村川)」に連れて行き、ウブミジ(産水)を汲んでその水で赤ちゃんの額を3回撫でていたそうです。
ウバギー(産飯):出産日
ウバギーは、赤ちゃんの誕生をお祝いする伝統行事です。
産飯(ウバギー)と泡盛、御願するときの生米を火の神様(ヒヌカン)と位牌(トートーメー)にお供えしてお祈りします。
ナージキ(名付け):出産翌日〜7日目の間
ナージキは、子どもの名前をつける儀式です。出産日から7日目までに行う命名式で、子どもの戸籍上の名前ではなく、あだ名のようなものをつけます。その呼び名を「ワラビナー(童名)」といい、長男には祖父の、長女には祖母の童名がつけられることが多かったといわれています。
ナージキでは、祖母が中心になって火の神様(ヒヌカン)と位牌(トートーメー)に童名を報告します。
ジールシンチ(地炉退き):出産日から数えて6日目から7日目までの間
ジールシンチは、出産日から数えて6日目から7日目までの間に地炉(じろ)を片付け、ヒジャイナー(左縄)を取り外す伝統行事です。地炉とは、地上または床に作った炉(いろり)のことです。
昔は自宅での出産が多かったためジールシンチが行われていましたが、現在ではほとんど行われることはありません。
マンサン(満産):出産日から数えて7日目の夜
マンサンは、赤ちゃんが産まれて7日目に火の神様(ヒヌカン)と位牌(トートーメー)に出産報告・感謝の祈願を行う伝統行事です。
その日の夜は親族が集まり、赤ちゃんのお披露目会「マンサンユーエー」を行います。
昔は出産日から7日目に行われることが多かったそうですが、病院での出産が主流になってからは産後1か月ごろに行う家庭が多いようです。
ボージナディ(坊主撫で):生後1か月ごろ
ボージナディは、生後1か月ごろに赤ちゃんの髪を切る伝統行事です。切った髪は、へその緒と同じように保管する方もいるようです。
ちなみに、あんまーる 編集部に「実家に子どものときの髪の毛が残っていた」というメンバーがいました。聞くとそのサイズはへその緒より大きかったそうですが、もしかするとボージナディによるものだったかもしれませんね。
ハチアッチー(初歩き):生後1か月ごろ
ハチアッチーは、生後1か月ごろに初めて赤ちゃんを連れて外出をする伝統行事です。一般的には、親戚の自宅を回って赤ちゃんのお披露目を行います。
ククヌカン(離乳食開始):生後9か月と9日目
ククヌカンは、「子どもが食べ物に一生困らないように」と願う伝統行事です。
大人は赤飯を食べ、子どもには柔らかいお粥などを与えます。ただし、現在ではほとんど行われていないようです。
タンカーユーエー(1歳の誕生日祝い):1歳の誕生日
タンカーユーエーは、子どもの満1歳を祝う伝統行事です。火の神様(ヒヌカン)や仏壇に料理や泡盛などをお供えし、子どもの健やかな成長を祈願します。
現在も多くの家庭で行われているのが、「タンカー占い」です。「ご飯・赤飯」「そろばん・電卓」「お金」「ハサミ」「筆とすずり・ペン」「本」などを床に並べ、子どもがなにを手にするかによって将来を占います。
たとえば、ご飯・赤飯を選んだ場合は食べ物に一生困らないといわれています。そろばん・電卓を選んだ場合は、商売上手になるとされています。親族が集まって盛り上がる、一大イベントです。
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十三祝い(トゥシビー):数え年13歳
十三祝いは、数え年で13歳のときに無病息災を祈願する伝統行事です。
12年に一度巡ってくる自分の生まれた干支の年を祝うことを「トゥシビー」といい、13歳の次のトゥシビーは25歳で家を出ている可能性もあることから、十三祝いは盛大に行われる傾向にあります。
決められた日にちで行われる沖縄の伝統行事
上記の伝統行事は子どもが誕生した日によって行われるため、実施時期は家庭によってバラバラです。しかし、なかには決められた日にちで行われる沖縄の伝統行事もあります!
初ムーチー
沖縄では、旧暦の12月8日に無病息災を祈ってムーチーを食べる風習があり、赤ちゃんが産まれた家庭では親戚やご近所の方にムーチーを配る「初ムーチー」を行います。
ムーチーを配ることには、「たくさんの人に見守られて健やかに育つように」という意味があるそうです。
浜下り
浜下りは、旧暦の3月3日に女の子(女性)の健やかな成長と健康を祈願する伝統行事です。この日はごちそうを持って浜へ行き、海水に手足を浸して身を清めます。
昔は女性のみでしたが、現在は家族で浜辺でごちそうを食べ、潮干狩りを楽しむ家庭が多いようです。
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グングァチグニチ
グングァチグニチは、旧暦の5月5日に子どもの健康を祈願する伝統行事です。お昼ごろを目安に、火の神様(ヒヌカン)や仏壇にお酒やあまがし(沖縄風ぜんざい)をお供えします。
沖縄の伝統行事で子どもの健やかな成長を祈ろう!
沖縄では、子どもが産まれてから大きくなるまでに行われる伝統行事がたくさんあります。今回ご紹介した伝統行事は、どれも子どもの成長と健康を祈るものばかりです。
現在はほとんど行われていない伝統行事もありますが、子どもの健やかな成長を祈って実施してみてはいかがでしょうか?
あんまーるでは、沖縄で子育てをしているママとパパの声を大切にしています。
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