海人の町・糸満市の暮らしとは?利便性や子育てのしやすさもチェック

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沖縄本島最南端にある町・糸満市は、「海人(うみんちゅ)の町」と呼ばれています。
ほどよい都市感がありながらも市内にはたくさんの自然が残っており、沖縄らしいゆったりとした時間の流れを感じることができる町です。

そんな糸満市での暮らしはどのようなものなのでしょうか?

今回は、糸満市の基本情報をはじめ、暮らしやすさや交通事情、子育てのしやすさをご紹介します!

沖縄本島最南端の町「糸満市」の基本情報

沖縄本島の最南端にある糸満市は、県庁所在地である那覇市から南へ12kmほどの場所にあります。総面積は46.63km2。海沿いに開けた市街地を抜けて国道331号線を南下すると、さとうきび畑やにんじん畑が広がるのどかな風景が広がります。
海岸線は日本で唯一の戦跡国定公園に指定されていて、その周辺には数多くの戦跡やグスク跡が残っています。

令和5年3月末現在、人口は62,175人。うち男性が31,470人、女性が30,705人で、世帯数は28,040世帯です。

糸満市は古くから「海人の町」として漁業が盛んで、主にセーイカ(ソデイカ)やマグロ、カジキ、タイなどが水揚げされています。その漁獲量が多いことから、平成27年にはセーイカ、平成29年にはマグロの拠点産地として認定を受けました!

参照:人口統計(令和4年度)|糸満市

イベント

糸満市では、海に関する伝統のあるイベントが多く開催されています。なかでも、「糸満ハーレー」と「糸満大綱引き」は糸満市が世界に誇る二大行事です。

糸満ハーレー

旧暦の5月4日に開催される糸満ハーレーは、海の恵みに感謝して航海安全と大漁を祈願する神事。昔の集落である「西村」「中村」「新島」の3つのチームが、会場となる糸満漁港からサバニで競い合います。
毎年白熱するレースは、大人から子どもまで多くの人を魅了します! 家族でどちらのチームが勝つか当てっこをしたり、応援をしたりと、さまざまな楽しみ方ができますよ。

糸満大綱引

旧暦の8月15日に開催される糸満大綱引は、豊年と大漁、家内安全、無病息災を祈願する神事。南北に分けて戦う綱引きの勝負の結果によって、その年の吉凶を占います。
大綱引きの前に行われる「道ずねー」では、「かりゆし」と「ゆがふう」の旗頭が先導して、地域の人々が踊りや歌、エイサーを披露しながら約2kmを練り歩きます。沿道から踊りやエイサーを見るだけでも楽しめますよ。

いとまん平和トリムマラソン

3月中旬に開催されるいとまん平和トリムマラソンは、市民の健康・体力づくりの推進、および平和と福祉に対する意識づくりを目的に行われます。高校生以上が参加できる10kmコースをはじめ、競技用車椅子のみの12km車イスコース、小学5年生以上(車イス可)が参加できる6kmコース、誰でも参加できるエンジョイ4kmコースなどがあります。親子でマラソンにチャレンジするのもよいかもしれません!

参照:第3回いとまん平和トリムマラソン

糸満市平和祈念祭

毎年6月中旬には、沖縄戦戦没者に追悼の意を表すための平和祈念祭が開催されます。沖縄戦の激戦地となった糸満市から、世界の恒久平和を祈念することを目的としています。平和祈念祭に参加することで、親子で平和について考えるきっかけになるでしょう。

なお、糸満市平和祈念祭が開催される平和祈念公園には、広大な広場や大きなアスレチック遊具もあるので、平和について考えたあとは伸び伸びと遊ぶこともできます!
筆者は小さい頃、祖父母に連れて行ってもらった経験があります。家族で平和について考える経験ってとても素敵で、思い出深いものになりますよ。

糸満ふるさと祭り

8月中旬、2日間かけて糸満ふるさと祭りが開催されます。このお祭りは、糸満市最大級の真夏の祭典として市民に親しまれています。たくさんの出店やイベントがあるお祭りなので、大人から子どもまで家族みんなで楽しめます。

特産物・特産品

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糸満市にはたくさんの特産物・特産品があります。今回は、その中でもとくに有名な品を5つピックアップしてご紹介します!

琉球ガラス

吹きガラス工芸の琉球ガラスは、沖縄土産として有名です。その特徴は、丸みのある形状とたくさんの気泡が入ったデザイン。さまざまなカラーバリエーションがありますが、爽やかなブルーやグリーンの琉球ガラスは沖縄の海を連想させます。

残念ながら、琉球ガラスのグラス作りは年齢制限があり小さな子どもは体験できないことが多いのですが、琉球ガラスを使ったフォトフレーム作りやアクセサリー作りなら年齢制限を設けていないことも多いので家族みんなで楽しめますよ!

小菊

農産園芸が盛んな糸満市では、とくに小菊の出荷量が多くなっています。毎年秋から冬にかけて電照菊の栽培が盛んになり、「菊ミネーション」としてドライブコースにもなるほどです! 家族でドライブする際にぜひ出かけてみてくださいね。

かまぼこ

糸満市は沖縄かまぼこ発祥の地ともいわれています。なかでも、海人が船の上でも食べやすいようにと考案した、おにぎりをかまぼこで包んだ「ばくだん」は糸満名物として人気です。
かまぼこは魚のすり身でできた栄養たっぷりの食品なので、子どものおやつにもよいですね。

美らキャロット

美らキャロットは甘さが特徴のにんじんです。一般的なにんじんと比較すると糖度が高く、ビタミンAが豊富に含まれています。美らキャロットと一般的なにんじんの食べ比べをしても面白いかもしれません!

マグロ

糸満市では季節ごとに旬のマグロが水揚げされます。クロマグロやキハダマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロなど、時期によって異なるマグロが味わえるのは海人の町ならではの魅力です。糸満近海で獲れた新鮮なマグロを、ぜひ家族で味わってみてください!

沖縄本島最南端の町の暮らしはどうなの?

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青く美しい海と田園風景が楽しめる糸満市。「糸満市=戦跡」という印象から、そこまで「暮らしやすい」というイメージがない方もいるでしょう。

しかし、実は利便性に優れている町でもあるのです!

糸満市のニュータウンエリアとも呼ばれている西崎や潮崎には、狭い区画内にたくさんの商業施設が立ち並んでいます。たとえば、西崎エリアには「タウンプラザかねひで西崎店」や「サンエーV21食品館西崎店」「糸満市物産センター遊・食・来(ゆくら)」などがあります。
また、潮崎エリアにはファッション雑貨や書店、飲食店が入った「サンエーしおざきシティ」があります。日用品などの生活雑貨は、ほとんど西崎や潮崎で揃えることができるのです!

車を走らせれば「豊崎ライフスタイルセンター TOMITON」や「沖縄アウトレットモールあしびなー」「イーアス沖縄豊崎」などがある豊見城市へもすぐにアクセスできて、とても便利です。

さらに、令和2年7月にオープンした「糸満市場(いちまんまちぐゎー)いとま〜る」には、精肉店や鮮魚店、釜ぼこ屋などさまざまな店舗が入っています。糸満漁港と隣接した旧中央市場としての機能を持ちながらも、新たな観光施設として人気が高まっています。

参照:糸満市場(いちまんまちぐゎー)いとま〜る

約10,000坪の敷地である「道の駅 いとまん」には、海産物や農産物が販売されている「ファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場」や海人の町ならではの新鮮な魚が並ぶ「糸満漁業協同組合 お魚センター」、糸満生まれの特産品を扱う「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」などがあります。そのため、平日・休日を問わず県内外の人で賑わいを見せていますよ!

参照:ファーマーズマーケット うまんちゅ市場
   糸満漁業協同組合 お魚センター
   糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)

車を持っていなくても生活できる?気になる交通事情

沖縄本島の最南端にある糸満市は、北側が豊見城市、東側が八重瀬町に隣接しています。県庁所在地である那覇市からは約12km、国道331号線を通れば沖縄の玄関口「那覇空港」まで車で約15分で到着します。

現在、糸満市では琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・糸満市内の循環線2路線を含む16路線が通過・循環しています。
なかでも、琉球バス交通と沖縄バスには「糸満バスターミナルを中心に隣接する豊見城市や八重瀬町を経由して那覇バスターミナル方面へ行く路線」と「与那原町や南城市方面へ行く路線」があります。
那覇バスでは、上記2社とは別の糸満営業所から豊見城市や那覇市を経由して西原町へ行く路線バスが運行しています。

このほか、糸満市では糸満市内周遊バス「いとちゃんmini」や民間送迎バス「ブーゲンビレア号」が運行しています。

糸満市内周遊バス「いとちゃんmini」は、乗降場所や出発時間が自由に選べるのが特徴です。糸満市民でなくても利用できるため、買い物や通院、観光、習い事などに利用されています。
運行時間は午前7時〜午後19時まで。午前7時〜午前8時45分までの利用については前日までに予約が必要です。運賃も高校生以上が3kmまで300円、6kmまで400円、6kmから500円と非常にお得で、小中学生・免許返納者は半額で乗車できます。

詳しくはこちらをご覧ください。

一方、民間送迎バス「ブーゲンビレア号」を利用できるのは、65歳以上の糸満市民、かつ1人で乗車できる方に限られています。利用するには糸満市役所企画開発課で乗車証の発行手続きが必要で、乗車料金は無料です。
糸満自動車学校・南部病院が運行している送迎バスの空席が活用されていて、糸満自動車学校が運行しているのは5コースで1日2便〜5便、南部病院が運行しているのが4コースで1日4便〜9便となっています。

糸満市が「子育てしやすい町」といわれている理由

糸満市は子育てがしやすいエリアとして人気となっています。

西崎親水公園や平和創造の森公園、ロンドン杜公園など大きな公園があるだけでなく、各エリアに小さな公園も点在しており、子どもたちが自然の中で伸び伸びと遊べる環境が揃っているのです!
さらに、学校の近くには生活に必要な施設が集中しています。とくに西崎エリアは学校やスーパー、病院、ホームセンターなどがあり、生活に困ることはほとんどありません。

大きな運動場がある西崎運動公園や西崎総合体育館、西崎プールなど、家族で楽しめる施設がたくさんあるのも魅力です。どの施設も糸満市民は安く利用できるので、家族で健康的に楽しめるでしょう!

このほか、美々ビーチいとまんは、ホテルに隣接したリゾートビーチ。遊泳エリアやマリンスポーツエリアがあるだけでなく、展望台広場や多目的広場などがあります。

おしゃれな美容室やカフェなども多く、子育ての合間の自分時間も過ごしやすいのが魅力です!

自然とほど良い都市感が共存する魅力たっぷりの糸満市

生活には不便だと思われがちな糸満市ですが、実際には暮らしやすいエリアです。市街地にはたくさんの店舗が並んでいて、生活に不便を感じることはほとんどありません!
さらに、市街地から外れると自然が広がっているので、「自然に囲まれつつ不便のない暮らし」が実現するでしょう。子育て環境も整っているので、もちろん子育て世帯にもぴったりですよ。

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さえこ

小学生の娘を持つ母😀
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