ゆるキャラ「なんじぃ」でおなじみの南城市。東海岸沿いにある美しい自然に囲まれた街で、世界遺産である斎場御嶽(セーファーウタキ)やコバルトブルーの海が一望できるニライカナイ橋、小さな無人島コマカ島、おきなわワールドなど、たくさんの観光スポットがあります。
では、そんな南城市での暮らしはどのようなものなのでしょうか?
今回は、基本情報から利便性、交通面、子育て情報まで一挙にご紹介します。南城市へのお引越しや移住をお考えの方は、ぜひご参考にしてみてくださいね。
もくじ
ハート型の街「南城市」はどんなところ?
沖縄本島南部の東海岸側にある南城市は、県庁所在地である那覇市から南東へ約12km、車で約50分のところにあります。約50分と聞くとやや遠い気もしますが、南風原町や与那原町を超えるとすぐなので、内陸部であればそれほど遠いとは感じにくいかもしれません。
そんな南城市は、2006年1月1日に佐敷町・知念村・玉城村・大里村が合併してできました。それにより街がハート型になったことから、「ハート型の街」とも呼ばれています。
大きさは東西に18km、 南北に8km、総面積は49.70km2。令和5年2月末現在の人口は45,987人。うち男性は23,178人、女性は22,809人、世帯数は19,401世帯です。
北側は与那原町、西側は南風原町と八重瀬町に接しています。そのため、買い物をするなら周辺の市町村まで出かけるという方も多いようです。
参考:南城市
イベント
佐敷町・知念村・玉城村・大里村が合併してできた南城市では、それぞれの地区の特色が現れたイベントが開催されています。
海神祭(ハーリー)
奥武島で行われる海神祭(ハーリー)は、旧暦5月4日に航海安全と大漁祈願を願って開催されます。東(アガリ)と西(イリー)に分かれて船を漕ぎ、勝敗を競うイベントです。
奥武島のハーリーは7番勝負を行い、勝敗がついたあとはお互いを称えて船を持ち上げる「ガーエー」が行われるのが特徴です。
この時期には県内各地でハーリーが開催されるため、ほかの地域のハーリーと見比べるのもよいかもしれません。ぜひ、迫力あるハーリーを家族で応援して楽しみましょう!
スク漁
おつまみの定番「スク」は、旧暦6月の大潮の日に奥武島近海で水揚げされます。
スクとはアイゴの稚魚のことです。なんと、このスクが水揚げされるのは、旧暦6月のわずか1日前後。そのため「海からのボーナス」とも呼ばれているんです。
スクの食べ方としては、島豆腐の上に乗せるのが一般的です! 小さなお魚なので子どもも食べられるのでは?と思いがちですが、スクは頭の骨が硬く小骨が多いので、食べ方を間違えると喉に引っかかってしまうことがあります。
できれば小さなお子さんには与えない、もしくは調理方法に注意するなどの配慮が必要です。
ヌーバレー
旧盆の翌日に行われるヌーバレーは、五穀豊穣を願うとともに、ウークイで帰りそびれた霊をあの世(グソー)へ送り返すための伝統行事です。どの地域も組踊りや琉球舞踊、歌三線などの芸能を披露しますが、地域によって規模や披露される演目は異なるようです。たとえば、市内最大規模のヌーバレーが有名な知名(ちな)、棒術が有名な津波古(つはこ)、獅子舞が有名な当間(とうま)など。地区外の方も観覧できるようなので、気になる地域のヌーバレーを見に行くのも楽しそうですね。
青年芸能フェスタin南城
南城市内の青年会が集結する夏の終わりのお祭りです。グスクロード公園に屋台が立ち並び、エイサーや旗頭などの伝統芸能が披露されます。
青年芸能フェスタの日は、グスクロード公園内の駐車場は使えず臨時駐車場が用意されます。臨時駐車場から会場までは無料シャトルバスが運行されるので、子連れでも安心して遊びに行けますね!
ぜひ、家族で沖縄(南城市)の伝統芸能に触れてみてはいかがでしょうか?
尚巴志ハーフマラソンin南城市
毎年11月上旬に開催される、沖縄県を代表するハーフマラソン大会です。
マラソン大会の名前になっている「尚巴志」は、琉球王朝を築いた人物で南城市佐敷の出身。そんな尚巴志を生んだ南城市の自然や歴史を体感しながら走ることができるマラソン大会となっています。
絶景ポイントのひとつであるニライカナイ橋がコースに含まれているため、沖縄の自然を感じながら走りたいという方にはピッタリでしょう。
ちなみに、ハーフマラソンの部の参加資格は高校生以上となっていますが、3kmの部は小学生以上なら参加が可能です。2023年の大会概要はまだ発表されていないため、参加を希望される方は情報公開をお待ちください。思い出づくりに家族で走ってみるのもよいかもしれませんね。
特産品
南城市の特産品は、豊かな自然の中で生まれたものが多くなっています。
ちんすこう
沖縄の代表的なお菓子として知られているちんすこう。なかでも南城市の「新垣菓子店 ちんすこう本舗」は創業1932年の老舗です。うちなーんちゅなら誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
南城市玉城にはちんすこう工場に併設された店舗があります。通常の店舗とは異なり、併設されたカフェでちんすこうアイスも食べられるようなので、ドライブがてら立ち寄ってみるのもよいですね!
参考:新垣ちんすこう|玉城店
ノニ
ノニは、別名「奇跡の果実」とも呼ばれる栄養価の高いハーブの一種です。沖縄以外にも東南アジアなどの熱帯から亜熱帯の広い地域に自生していて、表面がゴツゴツした果実をつけます。果実が未熟なうちは緑色をしていて、熟すると黄色になり発酵臭がするのが特徴です。
南城市では、そんなノニ100%のジュースなどを販売しています。苦味が強く独特な香りがするため、好き嫌いがわかれるかもしれません……。果実から作られたジュースなのでお子さんに飲ませても問題ありませんが、大人の半分の量を目安にしましょう。
もずく
南城市はもずくの名産地としても知られています。そのため、南城市にはもずくを使った料理(天ぷらやそばなど)を出しているお店が多いのが特徴です。
もずくは歯ごたえがしっかりしていて、低カロリー! さらにミネラルや食物繊維が豊富です。タレをかけてそのまま食べても、スープや天ぷらにしてもその食感が楽しめます。
ちなみに筆者のおすすめはもずくの天ぷら! 外はサクッと中はモチッとした沖縄天ぷらの中に感じるもずくの食感と風味がたまりません! お子さんのおやつにもよいですよね。
クレソン
クレソンはアブラナ科の野菜で、ベータカロテンやカリウム、カルシウムが豊富です。
育てるにはきれいな水が必要とされていて、南城市では日本名水にも選ばれたことのある垣花樋川(カキノハナヒージャー)の水を使って栽培されています。最盛期は10〜12月ですが、2月ごろまで収穫されているそうです。
シャキシャキとした食感で爽やかな辛味を感じるクレソンは、炒め物やおひたしとして食べるのがおすすめ! ちなみに筆者は、ゆがいて胡麻ドレッシングをかけるシンプルな食べ方が好きです。食感や風味が残るように、短めにゆがくのがポイントですよ。
玉城焼
やちむんの一つである玉城焼は、那覇の壺屋や京都、ハワイなどで陶芸を学んだ陶芸家の工房のみで制作されています。ターコイズブルーの鮮やかな色合いをしたものや、やんばるの川底石が埋め込まれたものなど沖縄らしいデザインに仕上がっているのが特徴です。
参考:らしいね南城市
車を持っていなくても市内のみの移動なら不便を感じない?
那覇市から車で約50分、東海岸沿いにある南城市は、「自然豊かなため交通面では不便なのでは?」と思われがちです。たしかに通っているバスの本数が少ないため、那覇方面や糸満方面などの市外へ出かける際は自家用車があったほうが便利ですが、南城市内の通勤・通学や買い物ならそれほど不便を感じることはなさそう……。
というのも、南城市では独自のコミュニティバスを運行しているんです!
たとえば、令和元年に運行がスタートした「Nバス」は、南城市役所を拠点に南城市内を走っています。通勤・通学の時間帯や帰宅時間帯は、急行便になっているため所要時間が短縮。さらに、つきしろや知念、佐敷エリアの生活ニーズに応えるために増便したことで利用しやすくなっただけでなく、一部路線を向陽高校入口経由にすることでバス通学もしやすくなりました。
これにより、南城市内はNバスが、南城市外へのアクセスは民間のバス会社が行うスタイルが確率したのです。
運賃は大人300円、子ども150円、南城市民はお得な回数券も利用可能! 1日乗車券や電子チケットもあるため、Nバスに乗って南城市内を巡ることもできますよ!
このほか、電話1本で南城市内のどこへでもお迎えにきてもらえる予約型乗合バス「おでかけなんじぃ」も運行しています。利用するには事前登録が必要となりますが、それさえ済ませれば予約した日時にバスに乗車するだけで目的地まで送り届けてもらうことができます。まるでタクシーとバスを掛け合わせた新しい交通サービスです。
おでかけなんじぃは8時便から19時便まで1時間に1便あり、朝一の8時便以外は出発の30分前まで受付を行っています。そのため、たとえば10時便を利用したい場合は、9時半までに予約をすればOK! 急なお出かけでも安心ですね。
利用料金は南城市内であればどこまで行っても500円(75歳以上の南城市民は200円)なので、タクシーよりも安く乗車できます。
のどかな暮らしが実現する南城市での生活
自然豊かな南城市は、漁業や農業で生計を立てている人も多く、新鮮な魚介類や野菜が手に入りやすい環境です。
奥武島にある「奥武島いまいゆ市場」には、春はもずく、夏から秋にかけてはトビイカ、冬はサザエやシャコ貝といった貝類、セーイカなど、季節ごとにさまざまな海産物が並びます。南城市で獲れた魚介類を買うなら、奥武島いまいゆ市場に行けば間違いないでしょう。
近隣農家で採れた野菜や果物などを取り扱う農家直売市場「軽便駅かりゆし市」には、新鮮な旬の食材が並びます。
南城市外からもたくさんのお客さまが訪れるため、夕方には売り切れてしまうことも……。筆者も何度か行ったことがありますが、夕方にはほとんど売り切れてしまうため、行くなら早めの時間がおすすめです!
このほか、海岸沿いに大きなスーパーはないものの、少し内陸のほうへ行けばイオンタウン南城大里やサンエーV21嶺井店、ザ・ビッグエクスプレス佐敷店などがあります。自家用車を持っていなくても、先述した「Nバス」や「おでかけなんじぃ」を使えばそれほど困ることはないかもしれませんね。
もし自家用車を持っているなら、少し走らせてマックスバリュ八重瀬店やサンエー八重瀬シティ、タウンプラザかねひで東風平市場、イオン南風原店などへ足を運ぶこともできますよ!
また2024年夏頃に、南城市玉城垣花に大手量販店の「コストコホールセールジャパン沖縄南城倉庫店(仮称)」が完成する予定となっています。テレビやSNSでお馴染みのコストコは食料品だけでなく、アウトドア用品や生活用品などを取り扱っているため、市外へ買い物へ出かける必要がなくなるかもしれません。
待機児童は減少傾向に!子育てのしやすさは?
南城市内には31の認可保育所と認定子ども園があります。沖縄県内の各市町村で問題となっている待機児童については、平成31年度は145人だったのに対して令和4年度は64人と半分以下になっているため、解消傾向にあるといえるでしょう。
参照:令和4年4月1日時点における沖縄県の待機児童数(確報値)について|沖縄県子ども生活福祉部子育て支援課
このほか、9つの小学校と5つの中学校があり、子どもたちへのサポートも充実しています。
放課後や長期休暇中に保護者の代わりとなって子どもたちのお世話を行う「放課後児童クラブ」、学校の空き教室や地域の公民館などを活用して地域のボランティアが子どもたちを見守る「放課後子ども教室」などにより、子どもたちが安心して過ごせる環境づくり、子育て世帯の保護者が安心して働ける環境づくりをしているんです。
さらに、南城市は令和3年5月11日に子どもにやさしいまちづくりを推進することを目的とした「南城市こどものまち宣言」を発表! 家庭・地域・企業・行政・市民が連携して、子どもたちの可能性を広げる環境をつくるための取り組みを行っています。
実際に、安心して出産・子育てができるようにするための制度として、「伴走型相談支援および出産・子育て応援給付金」を設けています。妊娠届出時から出産後まで面談やアンケートなどを実施して必要な情報を提供するだけでなく、妊娠・出産をした妊産婦1人あたり5万円、生まれた子ども1人当たり5万円の給付を行っています。
詳しくは南城市のホームページ(伴走型相談支援および出産・子育て応援給付金のお知らせ)をご覧ください。
これらのことから、南城市は子育てがしやすい地域であるといえるのではないでしょうか?
南城市は自然の中で子育てしたい方にぴったり
自然豊かな地域に行くほど、交通面や買い物面が心配になるものです。しかし、南城市はコミュニティバスが充実していることから、市内の移動であればそれほど不便は感じにくいといえます。
また、子育て世帯が安心して暮らせるようサポートも充実しているので、まだ小さなお子さんがいるご家庭の引越しや移住に向いているかもしれません!
この機会に、ぜひ南城市にも目を向けてみてくださいね。
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