日焼け止めがサンゴを傷つけている!?その理由と日焼け止めの選び方を解説

サンゴ 日焼け止め

沖縄の日差しは強いため、海水浴をするなら日焼け対策が欠かせません。そこで必須となるのが日焼け止めですが、じつはその日焼け止めが沖縄の海に生息しているサンゴを傷つけているということをご存じでしょうか?

そこで今回は、日焼け止めがサンゴを傷つけるといわれている理由やサンゴが傷つくと起こること、サンゴにも肌にもやさしい日焼け止めの選び方、正しい日焼け止めの塗り方ご紹介します。沖縄の美しい海を守るためにも、ぜひご覧ください!

日焼け止めがサンゴを傷つける

サンゴ 日焼け止め

サンゴを傷つける原因には、地球温暖化による水温の上昇やオニヒトデによる食害などもありますが、じつは日焼け止めの海への流出も原因のひとつになっています。

肌に塗ってしっかり乾かし「浸透した」と思っても、海に入ると日焼け止めの一部成分が流れ出てしまいます。そのなかでも「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」といった成分はサンゴに有害な化学物質であるといわれており、サンゴの白化に大きく関わっていることがわかっています。
また、日焼け止めに含まれるナノ粒子は、サンゴに吸収されることで成長や増殖を阻害し、サンゴを白化・死滅させるといわれています。

石垣島と西表島の間に広がる国内最大級のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」は、2016年に半分以上が死滅し、97%が白化したといわれています。
白化の理由がすべて日焼け止めの流出によるものだとはいえませんが、日焼け止めに含まれる一部成分のサンゴへの影響を考慮すると、一因になっている可能性はあるといえるでしょう。

このことから、すでにハワイでは2018年5月に「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」を含む日焼け止めの販売を禁止する法案が可決され、2021年1月から施行されているそうです。

さらにある調査によると、世界中で年間14,000トンもの日焼け止めが海に流れ出ていることがわかっています。「海は広いんだから少しくらい日焼け止めが流れ出るくらい大丈夫でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、流れ出た日焼け止めは広大な海に均等に広がるわけではなく、その周辺に留まることがわかっています。

沖縄の海で見られる美しいサンゴを守るためにも、サンゴにやさしい日焼け止めを使いたいものですね。

サンゴが傷つくとどうなる?

日焼け止めの成分を吸収したサンゴは傷つき、最悪の場合は白化、もしくは死滅することになります。
ちなみに、「サンゴの白化=死滅」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、じつは白化した直後のサンゴはまだ生きていて、白化の原因を取り除くことで回復する可能性があります。しかし、白化から死滅に至った場合は回復することはありません。

ここまで、サンゴの白化や死滅について解説しましたが、なかには「サンゴが白化・死滅してもわたしたちの生活には直接影響しないから……」と考える方もいるでしょう。
しかし、サンゴの白化や死滅は巡り巡ってわたしたちの生活に大きな影響を与えることになります。

というのも、サンゴが集まってできるサンゴ礁は多くの生き物の住処になっているため、サンゴが白化・死滅すると多くの生き物が住処を失い、海の生態系が大きく乱れてしまいます。
それにより、これまで獲れていた魚が獲れづらくなるなど漁業が打撃を受けて、市場に出回る魚が少なくなったり高くなったりすることで家計にも大きく影響する可能性があるのです。

さらに、サンゴは海中の二酸化炭素を吸収する役割もあります。サンゴが白化・死滅すると海中の二酸化炭素濃度が濃くなるため、海の生態系が乱れるだけでなく、海水温が上昇して地球温暖化をさらに加速させるといわれているのです。

このように、サンゴが傷ついて白化・死滅するとわたしたちの生活に大きく影響することがわかりますよね。

サンゴにも肌にもやさしい日焼け止めの選び方

サンゴ 日焼け止め

では、サンゴを傷つけないためには、どのような日焼け止めを選べばよいのでしょうか?
「サンゴを傷つけないこと」だけでなく、「肌にもやさしい」という観点から日焼け止めの選び方をご紹介します。

ナノ粒子を含んでいないか

ナノ粒子はサンゴの成長や増殖を阻害するため、ナノ粒子を含まない日焼け止めを選びましょう。粒子が大きい日焼け止めなら、万が一海に流れてもサンゴが吸収してしまう心配がありません。
さらに、粒子が大きい日焼け止めは肌の奥まで浸透しづらいので、洗い残しが起きづらく肌にやさしいといえます。

ミネラルベースか

サンゴにも肌にもやさしい日焼け止めを選ぶなら、ケミカル成分の入っていないミネラルベースの日焼け止めがおすすめです。

ミネラルベースの日焼け止めとは、酸化亜鉛や酸化チタンで構成されている日焼け止めのことです。一方、ケミカルベースは先述した「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」が含まれた化学成分で構成された日焼け止めのことをいいます。

購入する前に成分表をしっかりと確認して選んでくださいね!

【おまけ】日焼け止めの正しい塗り方!

「日焼けしないためには、日焼け止めをたっぷり塗ればいい!」と思っていませんか? 日頃から実践しているその日焼け止めの塗り方は、間違っているかもしれません。

紫外線からお肌を守るためには、日焼け止めを均一に塗り広げるのがポイントです。ムラにならないように丁寧に塗ることを心がけましょう。

顔への日焼け止めの塗り方

顔の場合、おでこ・両頬・鼻・顎の5つのポイントにパール大の日焼け止めを乗せます。そこから全体に薄く塗り広げていきましょう。小鼻のまわりや髪の生え際は塗りムラができやすいため、しっかりと塗っていくのがおすすめです。
メイクをする際はその上からファンデーションを、メイクをしない場合はもう一度日焼け止めを重ねるとよいでしょう。

子どもの場合も同様に、おでこ・両頬・鼻・顎の5つのポイントにパール大の日焼け止めを乗せて広げていきます。塗りムラを防ぐためにも、重ね塗りをするとよいでしょう。

また、日焼け止めを塗る際は事前に欠かさず保湿を行いましょう。もし保湿をせずに日焼け止めを塗ると、肌が乾燥して皮脂が分泌されやすくなり、日焼け止めがムラになる可能性があります。そのため、しっかりと保湿を行ってから、日焼け止めを塗るようにしましょう。

身体への日焼け止めの塗り方

身体へ塗る場合は、日焼け止めを直接身体へ出して、円を描くようにやさしく馴染ませていくのがポイントです。塗りムラがないようにたっぷりと使い、なるべく均一に伸ばしていきましょう。
日差しが強い時間帯に外出する場合や海水浴の際には、重ね塗りをするのがおすすめです。

子どもの身体に日焼け止めを塗る場合は、一度ママやパパの手に出して両手で馴染ませてからやさしく塗り広げていくのがおすすめです。首の後ろや肘・膝周り、手や足の甲は塗り残しが多いため、忘れずに塗ってあげてくださいね。

日焼け止め選びに注意してサンゴを守ろう!

海中の生態系を維持すると同時に、地球温暖化の防止にも役立っているサンゴを守るためには、海水浴の際に使う日焼け止めに気を配る必要があります。ケミカルベースの日焼け止めはサンゴを傷つけてしまうため使用を避け、ナノ粒子を含まないウォータープルーフタイプ、かつミネラルベースの日焼け止めを選ぶのがポイントです。

日焼け止めひとつで、沖縄の海の生態系が変わり、美しさが損なわれてしまう可能性があります。子どもたちの子どもたち、さらにその子どもたちの代まできれいな海を残せるよう、使う日焼け止めにはこだわりましょう。

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さえこ

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